CMake入門:Hello Worldから始めるC++プロジェクト構築

2024-04-09

CMake マニュアル:開発者向けプログラミング解説

CMake マニュアルは、CMake の機能を理解し、使いこなすための 開発者向け 公式ドキュメントです。 初心者から上級者まで、幅広いレベルの開発者に役立つ情報が網羅されています。

マニュアルには、以下の内容が含まれています:

  • CMake の基本構文: CMakeLists.txt ファイルの書き方、変数、条件分岐、ループなど
  • プロジェクトの構成: ターゲット、ソースファイル、ライブラリ、ヘッダーファイルなどの設定
  • ビルドプロセス: コンパイラ、リンカー、オプション、デバッグなど
  • テスト: テストケース、フレームワーク、カバレッジなど
  • 高度な機能: インストール、パッケージング、カスタムコマンドなど

マニュアルは、以下の方法で役立ちます:

  • CMake の使い方を学ぶ: チュートリアルやサンプルコードを使って、基本的な機能を習得できます。
  • 複雑なプロジェクトを構築する: マニュアルの豊富な情報と例を参考に、複雑なプロジェクトの構成とビルドを効率的に行えます。
  • 問題を解決する: エラーメッセージやビルドエラーの原因を特定し、解決するためのヒントやアドバイスを得られます。

マニュアルを読む前に:

  • C++ の基礎知識 が必要です。
  • CMake の基本的な概念 を理解しておくと、よりスムーズに読み進められます。

マニュアルの読み方:

  • 目次 から、必要な情報を探します。
  • チュートリアルサンプルコード を使って、基本的な機能を習得します。
  • 具体的な機能 については、該当するセクションを参照します。
  • 分からない用語 は、用語集 で調べます。

開発者向けプログラミング解説

CMake マニュアルは、開発者向けに書かれており、プログラミングの知識がない方には難解と感じるかもしれません。そこで、以下では、開発者向けに CMake マニュアルの内容を分かりやすく解説します。

CMakeLists.txt ファイルは、CMake プロジェクトの中心となるファイルです。このファイルには、プロジェクトの構成やビルドプロセスに関する情報が記述されます。

変数

CMake では、プロジェクトの設定や情報を保持するために変数を使用できます。変数は、プロジェクト内の任意の場所で参照できます。

条件分岐

CMake では、条件分岐を使用して、プラットフォームやコンパイラに応じて異なる処理を実行できます。

ループ

CMake では、ループを使用して、繰り返し処理を実行できます。

ターゲットは、CMake プロジェクトにおけるビルドの単位です。ターゲットには、実行ファイル、ライブラリ、共有ライブラリなどがあります。

ソースファイルは、プロジェクトのソースコードを含むファイルです。CMake では、ソースファイルをターゲットに関連付けることができます。

ライブラリは、複数のソースファイルから構成されるコードの集合体です。CMake では、ライブラリをプロジェクトに組み込むことができます。

ヘッダーファイルは、関数や変数の宣言を含むファイルです。CMake では、ヘッダーファイルの検索パスを設定できます。

コンパイラは、ソースコードを機械語に変換するツールです。CMake では、使用するコンパイラを指定できます。

リンカーは、オブジェクトファイルを結合して実行ファイルを作成するツールです。CMake では、リンカーオプションを設定できます。

デバッグ

CMake では、デバッグビルドとリリースビルドを切り替えることができます。デバッグビルドでは、デバッグ情報を生成することができます。

テスト

CMake では、テストケース



CMake サンプルコード集

  • Hello World:最も基本的な CMake プロジェクト。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(HelloWorld)

add_executable(helloworld main.cpp)

target_link_libraries(helloworld PUBLIC pthread)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS helloworld DESTINATION bin)
  • 複数ファイルのプロジェクト:複数のソースファイルから構成されるプロジェクト。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(MyProject)

add_library(mylib src/mylib.cpp)

add_executable(myexe src/main.cpp)

target_link_libraries(myexe PUBLIC mylib)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS mylib DESTINATION lib)
install(TARGETS myexe DESTINATION bin)
  • 条件分岐:プラットフォームに応じて異なる処理を実行するプロジェクト。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(MyProject)

if(WIN32)
  # Windows 固有の処理
else()
  # Unix 固有の処理
endif()

add_executable(myexe src/main.cpp)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS myexe DESTINATION bin)

中級

  • 外部ライブラリの使用:外部ライブラリをプロジェクトに組み込む。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(MyProject)

find_package(Eigen3 REQUIRED)

add_executable(myexe src/main.cpp)

target_link_libraries(myexe PUBLIC Eigen3::Eigen)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS myexe DESTINATION bin)
  • サブディレクトリ:サブディレクトリに分割されたプロジェクト。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(MyProject)

add_subdirectory(src)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS myexe DESTINATION bin)
  • カスタムコマンド:ビルドプロセスにカスタムコマンドを追加する。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(MyProject)

add_custom_command(
  TARGET myexe
  POST_BUILD
  COMMAND echo "ビルド完了")

add_executable(myexe src/main.cpp)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS myexe DESTINATION bin)

上級

  • パッケージング:プロジェクトをパッケージ化する。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(MyProject)

set(CMAKE_MODULE_PATH ${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/cmake)

include(CPack)

add_executable(myexe src/main.cpp)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS myexe DESTINATION bin)

cpack_add_component(myexe REQUIRED DEPENDS mylib)

cpack_add_package(DEB)

set(CPACK_PACKAGE_DESCRIPTION "My Project")
set(CPACK_PACKAGE_VERSION "1.0.0")

install(FILES ${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/README.md DESTINATION doc)

cpack_make_package()
  • テスト:プロジェクトにテストを追加する。
cmake_minimum_required(VERSION 3.12)

project(MyProject)

enable_testing()

add_executable(myexe src/main.cpp)

add_test(NAME MyTest
  COMMAND myexe)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

install(TARGETS myexe DESTINATION bin)

add_custom_target(check
  COMMAND ctest -V)


CMake を使う以外の方法

Makefile は、UNIX 系オペレーティングシステムで伝統的に使用されてきたビルドツールです。Makefile は、ソースファイル、コンパイラオプション、リンカーオプションなどを記述したテキストファイルです。

Visual Studio は、Microsoft が提供する統合開発環境 (IDE) です。Visual Studio は、C++ プロジェクトを構築するための独自のビルドシステムを備えています。

Xcode は、Apple が提供する IDE です。Xcode は、C++ プロジェクトを構築するための独自のビルドシステムを備えています。

Conan は、C++ プロジェクトに必要なライブラリやヘッダーファイルを管理するパッケージマネージャーです。Conan を使用すると、プロジェクトに必要なライブラリを簡単にインストールできます。

Bazel は、Google が開発したオープンソースのビルドツールです。Bazel は、C++ プロジェクトを含む様々な言語のプロジェクトを構築することができます。

どの方法を選択するかは、プロジェクトの規模、複雑性、開発環境などによって異なります。

以下は、それぞれの方法の利点と欠点です。

Makefile

利点:

  • 軽量でシンプル
  • 多くのプラットフォームで利用可能

欠点:

  • 複雑なプロジェクトには不向き
  • 習得に時間がかかる

Visual Studio

利点:

  • 使いやすい GUI インターフェース
  • Windows 開発に最適

欠点:

  • Windows 以外のプラットフォームでは使用できない
  • 無料版では機能が制限されている

Xcode

利点:

  • macOS 開発に最適

欠点:

  • macOS 以外のプラットフォームでは使用できない

Conan

利点:

  • ライブラリの管理が容易
  • 多くのライブラリに対応

Bazel

利点:

  • 複雑なプロジェクトにも対応

欠点:

  • 動作が重い

CMake は、C++ プロジェクトを構築するための強力で汎用的なツールです。しかし、プロジェクトの規模、複雑性、開発環境によっては、他の方法の方が適している場合があります。




CMakeにおける"get_target_property()"コマンド: ターゲットの情報を自在に操る

get_target_property()コマンドは、CMakeプロジェクトで定義されたターゲットからプロパティを取得するために使用されます。ターゲットプロパティは、ターゲットのビルド方法や動作を制御するために使用される情報です。構文引数VAR: ターゲットプロパティの値を格納する変数名



CMake include() で効率的なビルドを実現

include() は CMake の重要なコマンドの一つで、他の CMake ファイルやモジュールを読み込むために使用されます。 これにより、コードを分割し、再利用性と保守性を向上させることができます。機能他の CMake ファイルを読み込んで、その中のコマンドを実行する


CMake の if() コマンド: デバッグとトラブルシューティング

構文条件式if() コマンドの引数には、条件式を指定します。条件式は、以下のいずれかの形式で記述できます。変数の比較: <variable> <operator> <value>コマンドの存在チェック: COMMAND <command-name>


CMake find_libraryコマンドとfind_packageモジュールの比較

find_library() コマンドは、CMake で外部ライブラリを見つけるために使用されます。これは、プロジェクトに必要なライブラリを自動的に検出して、ビルドプロセスを簡略化するのに役立ちます。コマンドフォーマット<VAR>: 検索結果を格納する変数名


C++標準ライブラリ、テンプレートエンジン、シェルスクリプト... string()コマンドの代替方法を徹底比較

CMakeのstring()コマンドは、文字列処理を行うための強力なツールです。C++のstd::stringのような機能に加え、CMake特有の便利な機能も備えています。主な機能文字列の連結、分割、置換、比較大文字・小文字変換部分文字列の抽出



C++/CLI プログラミング入門 - CMake の "Properties: Targets" における "COMMON_LANGUAGE_RUNTIME"

"COMMON_LANGUAGE_RUNTIME" は、CMake の "Properties: Targets" におけるターゲットプロパティの一つで、C++/CLI サポートを有効にする際に使用されます。C++/CLI は、C++ と .NET Framework の機能を組み合わせる言語仕様です。この解説では、"COMMON_LANGUAGE_RUNTIME" の設定方法と、設定による影響について詳しく説明します。


CMake の "Properties of Global Scope" における "RULE_LAUNCH_LINK" の詳細解説

CMake の "Properties of Global Scope" における "RULE_LAUNCH_LINK" は、プロジェクト全体のリンクルールを制御するための特殊なプロパティです。これは、特定の条件下で特定のランチャーコマンドを実行するように設定できます。


CMakeの変数 CMAKE_BUILD_RPATH_USE_ORIGIN を使うべき?

CMAKE_BUILD_RPATH_USE_ORIGIN は、ビルドツリー内の共有ライブラリへの参照を相対パスで解決するかどうかを制御する CMake 変数です。これは、ビルドツリーを移動したり、異なる環境で実行したりする場合に、アプリケーションの再配置可能性と信頼性を向上させるのに役立ちます。


回答:CMake は、ポリシー設定スタックを維持します。このスタックには、設定されたすべてのポリシー設定が含まれています。 cmake_policy コマンドを使用して設定されたポリシー設定は、スタックの最上位に追加されます。

CMake のポリシーは、プロジェクトのビルド方法を制御するためのメカニズムです。CMake の新しいバージョンがリリースされると、古いバージョンの CMake との互換性を維持するために、ビルド動作が変更される場合があります。ポリシーを使用すると、プロジェクトが特定のバージョンの CMake でビルドされる場合に、古い動作または新しい動作を選択することができます。


CMake ポリシー CMP0007 とは? 空要素の扱いと設定方法

CMakeポリシー CMP0007 は、CMakeLists. txt ファイルにおける空要素の扱いに関する互換性維持のためのポリシーです。このポリシーは CMake 2.4 で導入されました。旧挙動 (OLD)CMake 2.4 以前では、; で区切られたリストにおいて、空要素は無視されていました。例えば、以下のリストは長さ 3 となります。