CMake で C++/CLI プログラミング: .NET Framework バージョン設定のベストプラクティス
CMake の "VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティ
"VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティは、CMake で C++/CLI プロジェクトをビルドする際に、ターゲットとなる .NET Framework のバージョンを指定するために使用されます。これは、Visual Studio ソリューション (.sln) ファイルとプロジェクト (.vcxproj) ファイルの生成に影響を与えます。
設定方法
このプロパティは、ターゲット プロパティの "Properties: Targets" セクションで設定できます。以下の例は、ターゲット "MyProject" の .NET Framework バージョンを "v4.5" に設定する方法を示しています。
target_property(MyProject PROPERTIES VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.5")
使用例
このプロパティは、さまざまな状況で使用できます。以下は、いくつかの例です。
- 特定のバージョンの .NET Framework に依存する C++/CLI ライブラリをビルドする場合
- .NET Framework の異なるバージョンをターゲットとする複数の C++/CLI プロジェクトを同じソリューションに含める場合
注意点
- このプロパティは、C++/CLI プロジェクトでのみ使用できます。
- CMake 3.26 以降では、
DOTNET_TARGET_FRAMEWORK
またはDOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION
プロパティを使用することを推奨します。これらのプロパティは、より汎用性があり、将来のバージョンの CMake でより良いサポートを提供します。
補足
- .NET Framework のバージョン番号は、メジャーバージョンとマイナーバージョンで構成されます。例: "v4.5" は .NET Framework 4.5 を指します。
CMake の "VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティを使用したサンプルコード
例 1: .NET Framework 4.5 をターゲットとする C++/CLI プロジェクト
cmake_minimum_required(VERSION 3.26)
project(MyProject)
set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)
target_property(MyProject PROPERTIES
VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.5"
)
add_executable(MyProject
main.cpp
)
例 2: 異なる .NET Framework バージョンをターゲットとする 2 つの C++/CLI プロジェクト
cmake_minimum_required(VERSION 3.26)
project(MySolution)
set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)
add_subdirectory(MyProject1)
add_subdirectory(MyProject2)
# MyProject1 を .NET Framework 4.5 に設定
target_property(MyProject1 PROPERTIES
VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.5"
)
# MyProject2 を .NET Framework 4.7.2 に設定
target_property(MyProject2 PROPERTIES
VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.7.2"
)
例 3: .NET Framework 4.6 をターゲットとする C++/CLI プロジェクトと .NET Core 3.1 をターゲットとする C++ プロジェクト
cmake_minimum_required(VERSION 3.16)
project(MySolution)
set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)
add_subdirectory(MyProject1)
add_subdirectory(MyProject2)
# MyProject1 を .NET Framework 4.6 に設定
target_property(MyProject1 PROPERTIES
VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.6"
)
# MyProject2 を .NET Core 3.1 に設定
target_property(MyProject2 PROPERTIES
DOTNET_TARGET_FRAMEWORK "netcoreapp3.1"
)
これらのサンプルコードは、さまざまな .NET Framework バージョンとプロジェクト構成をターゲットとする CMake プロジェクトを構築するための出発点として使用できます。
"VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティを設定するその他の方法
CMakeLists.txt ファイル
- 上記のサンプルコードのように、
target_property()
コマンドを使用して、ターゲット プロパティの "Properties: Targets" セクションで設定できます。
Visual Studio ソリューション エクスプローラー
- Visual Studio でプロジェクトを開き、ソリューション エクスプローラーでプロジェクトを右クリックします。
- "プロパティ" を選択し、"構成プロパティ" > "全般" > ".NET Framework バージョン" ページに移動します。
- ドロップダウン リストからターゲット .NET Framework バージョンを選択します。
コマンド プロンプト
- 以下のコマンドを使用して、
msbuild
コマンドライン ツールからプロパティを設定できます。
msbuild /p:VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION="v4.5" MyProject.sln
Visual Studio プロパティ シート
- Visual Studio でプロジェクトを開き、"プロパティ マネージャー" を開きます。
- "構成プロパティ" > "全般" > ".NET Framework バージョン" プロパティを見つけます。
- プロパティ シートを選択して、特定の構成に異なる .NET Framework バージョンを設定できます。
どの方法を使用するかは、プロジェクトのワークフローと要件によって異なります。
その他の方法
- CMake の "add_custom_command()" コマンドを使用して、カスタム ビルド ステップを定義し、その中で .NET Framework バージョンを設定できます。
- CMake の "set()" コマンドを使用して、環境変数 "DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" を設定し、その値をプロジェクトで使用できます。
これらの方法は、より高度なワークフローに適しています。
注意
- 設定方法は、CMake のバージョンと Visual Studio のバージョンによって異なる場合があります。
- 詳細については、CMake の公式ドキュメントと Visual Studio のドキュメントを参照してください。
CMakeでXcodeプロジェクトを極める! "Properties: Source Files"と"XCODE_LAST_KNOWN_FILE_TYPE"の達人になるためのテクニック
この情報は、Xcode がファイルを開いたり、編集したり、ビルドしたりする際にどのように扱うかを決定するために使用されます。Properties: Source Files は、CMakeLists. txt ファイルで設定できます。 以下の例は、main
Visual Studioでシェーダーファイルをコンパイルする:CMakeのVS_SHADER_FLAGSオプション
CMake の "Properties: Source Files" に設定できる "VS_SHADER_FLAGS" は、Visual Studio でシェーダーファイルのコンパイル時に渡されるオプションを指定します。このオプションは、シェーダーの動作やコンパイル方法を制御するために使用されます。
CMakeでVisual Studio ソリューションのソースコード管理を楽にする「VS_SCC_LOCALPATH」
"VS_SCC_LOCALPATH" は、CMake の "Properties: Targets" で使用されるプロパティです。Visual Studio ソリューション内でソースコード管理 (SCC) を使用する際に、ソースファイルのローカルパスを指定するために使用されます。
CMake初心者でも安心:VS_KEYWORDでVisual Studioプロジェクト設定を楽々マスター
CMakeの"Properties: Targets"におけるVS_KEYWORDは、Visual Studioプロジェクトファイル生成時にターゲットに関連する属性を設定するためのマクロです。これらの属性は、プロジェクトの設定や動作に影響を与えます。
CMake で VS_GLOBAL_variable を使って Visual Studio プロパティを自在に操る
CMake は、マルチプラットフォームな C++ プロジェクトを構築するための強力なツールです。 Visual Studio と連携して使用する場合、"Properties: Targets" セクションで "VS_GLOBAL_variable" を使用することで、プロジェクト設定をさらに細かく制御できます。
CMake: CTEST_CUSTOM_TESTS_IGNOREを使ってテストを制御する方法
CTEST_CUSTOM_TESTS_IGNORE は、CMake の ctest_test() コマンドで実行されるテストを制御するための変数です。これは、特定のテストをテスト実行から除外したい場合に役立ちます。構文説明<REGULAR_EXPRESSION_LIST> は、除外したいテストの名前を記述する正規表現のリストです。
Visual Studioでシェーダーファイルをコンパイルする:CMakeのVS_SHADER_FLAGSオプション
CMake の "Properties: Source Files" に設定できる "VS_SHADER_FLAGS" は、Visual Studio でシェーダーファイルのコンパイル時に渡されるオプションを指定します。このオプションは、シェーダーの動作やコンパイル方法を制御するために使用されます。
【CMake の Module】CheckOBJCXXSourceRuns の使い方を徹底解説! Objective-C++ プログラムのコンパイル、リンク、実行を検証しよう
CheckOBJCXXSourceRuns は、CMake の Modules における便利な機能で、Objective-C++ ソースコードがコンパイル、リンク、実行可能かどうかを検証します。この機能は、Objective-C++ プログラムの開発において、ソースコードの動作確認やデバッグに役立ちます。
CMakeLists.txtスッキリ化: CMAKE_AUTOMOC変数でmocツール処理を自動化
概要CMAKE_AUTOMOC は、CMakeにおける重要な変数の一つであり、Qtプロジェクトにおいて moc ツールを自動的に処理するかどうかを制御します。moc ツールは、Qtメタオブジェクトコンパイラと呼ばれるものであり、Qtメタオブジェクトシステムに必要な C++ ヘッダーファイルを生成します。
共有ライブラリのリンカーフラグを設定する方法 - CMakeにおけるCMAKE_SHARED_LINKER_FLAGS変数の詳細解説
CMAKE_SHARED_LINKER_FLAGSは、CMakeで共有ライブラリを生成する際に使用されるリンカーフラグを設定する変数です。この変数に設定されたフラグは、すべての共有ライブラリのリンク時に渡されます。設定方法CMAKE_SHARED_LINKER_FLAGS変数は、以下の方法で設定できます。