CMakeでテスト実行中に特定の警告メッセージでテストを失敗させる方法
CMakeにおけるCTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH変数の詳細解説
概要
- 目的: 特定の警告メッセージが出力された場合に、テストを失敗させる
- 使用場面: テスト実行中に特定の警告メッセージが出力されることが想定される場合
- 設定方法: CMakeLists.txtファイルで
set()
コマンドを使用 - 動作: テスト実行中に標準出力または標準エラー出力に指定された警告メッセージが出力された場合、テストが失敗する
- 利点: テストの健全性を向上させる、潜在的な問題を早期に発見する
- 注意点: 警告メッセージのパターンを正確に記述する必要がある
設定方法
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH "警告メッセージのパターン")
例
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH "メモリリークの可能性があります")
# テストの実行
ctest
上記の例では、テスト実行中に標準出力または標準エラー出力に "メモリリークの可能性があります" という警告メッセージが出力された場合、テストが失敗します。
オプション
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCHには、以下のオプションがあります。
- CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH_COUNT: 警告メッセージが出力される許容回数
- CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH_ACTION: 警告メッセージが出力された場合のアクション
これらのオプションの詳細については、CMakeのドキュメントを参照してください。
補足
- CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCHは、テストの健全性を向上させるための強力なツールです。
- 警告メッセージのパターンを正確に記述することが重要です。
- 詳細については、CMakeのドキュメントを参照してください。
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCHを使用したサンプルコード
特定の警告メッセージでテストを失敗させる
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH "メモリリークの可能性があります")
# テストの実行
ctest
警告メッセージが出力される許容回数を設定する
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH "警告メッセージのパターン")
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH_COUNT 2)
# テストの実行
ctest
上記の例では、テスト実行中に標準出力または標準エラー出力に "警告メッセージのパターン" という警告メッセージが2回以上出力された場合、テストが失敗します。
警告メッセージが出力された場合のアクションを設定する
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH "警告メッセージのパターン")
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH_ACTION "テストを継続する")
# テストの実行
ctest
上記の例では、テスト実行中に標準出力または標準エラー出力に "警告メッセージのパターン" という警告メッセージが出力されても、テストは継続されます。
複数の警告メッセージパターンを設定する
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH_1 "警告メッセージのパターン1")
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH_2 "警告メッセージのパターン2")
# テストの実行
ctest
上記の例では、テスト実行中に標準出力または標準エラー出力に "警告メッセージのパターン1" または "警告メッセージのパターン2" という警告メッセージが出力された場合、テストが失敗します。
正規表現を使用した警告メッセージパターン
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH "警告メッセージ.*")
# テストの実行
ctest
上記の例では、テスト実行中に標準出力または標準エラー出力に "警告メッセージ" で始まる任意の警告メッセージが出力された場合、テストが失敗します。
上記のサンプルコードは、CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCHの使用方法を理解するための参考として利用できます。
実際の使用例は、テスト対象のソフトウェアやテストの目的に合わせて調整する必要があります。
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH以外の方法
テストフレームワークの機能を使用する
多くのテストフレームワークは、テスト実行中に特定の警告メッセージが出力された場合に、テストを失敗させる機能を提供しています。
例えば、Google Testでは、EXPECT_NO_FATAL_FAILURE
マクロを使用することができます。
EXPECT_NO_FATAL_FAILURE(
// テストコード
);
上記の例では、テストコード内で "メモリリークの可能性があります" という警告メッセージが出力された場合、テストが失敗します。
自作のテストコードを使用する
テストフレームワークの機能を使用せず、自作のテストコードを使用して、特定の警告メッセージを検出することもできます。
// 標準出力または標準エラー出力を監視する
std::string output = ...;
// 警告メッセージを検索する
if (output.find("メモリリークの可能性があります") != std::string::npos) {
// テストを失敗させる
}
上記の例では、標準出力または標準エラー出力を監視し、"メモリリークの可能性があります" という警告メッセージが出力された場合、テストを失敗させます。
スクリプトを使用する
テスト実行後にスクリプトを実行して、警告メッセージの有無を確認することもできます。
// テストを実行
ctest
// 警告メッセージを確認する
script.py
上記の例では、テスト実行後に script.py
というスクリプトを実行し、標準出力または標準エラー出力に "メモリリークの可能性があります" という警告メッセージが出力されたかどうかを確認します。
どの方法を使用するべきかは、テスト対象のソフトウェアやテストの目的に合わせて決定する必要があります。
以下の点を考慮する必要があります。
- 使用しているテストフレームワーク
- テストの複雑性
- 必要な機能
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCHは、最もシンプルで使いやすい方法です。
テストフレームワークの機能を使用する方法は、CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCHよりも柔軟性がありますが、テストフレームワークに依存するため、移植性が低くなります。
自作のテストコードを使用する方法は、最も柔軟性がありますが、最も複雑な方法です。
スクリプトを使用する方法は、CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCHよりも柔軟性があり、テストフレームワークに依存しないため、移植性が高いですが、スクリプトを作成する必要があるため、手間がかかります。
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