CMake ModulesのFindFreetypeモジュールを使ってFreeTypeヘッダーファイルとライブラリファイルを検索する

2024-04-09

CMake Modules の FindFreetype プログラミング解説

FindFreetype は、CMake の Modules ディレクトリにあるモジュールで、FreeType ライブラリの検出と設定を自動化します。このモジュールを使用すると、プロジェクトで FreeType を簡単に利用できます。

機能

FindFreetype は以下の機能を提供します。

  • FreeType ヘッダーファイルの検索
  • FreeType ライブラリの検索
  • FreeType のバージョン情報の取得
  • FreeType の使用に必要な変数の設定

使い方

FindFreetype モジュールを使用するには、プロジェクトの CMakeLists.txt ファイルに以下のコードを追加します。

find_package(Freetype REQUIRED)

# FreeType ヘッダーファイルのインクルードパス
include_directories(${FREETYPE_INCLUDE_DIRS})

# FreeType ライブラリへのリンク
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${FREETYPE_LIBRARIES})

上記のコードで、find_package(Freetype REQUIRED) コマンドは、FreeType ライブラリを検索します。REQUIRED オプションは、FreeType が見つからない場合にエラーを出力することを意味します。

include_directories(${FREETYPE_INCLUDE_DIRS}) コマンドは、FreeType ヘッダーファイルのインクルードパスを設定します。

target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${FREETYPE_LIBRARIES}) コマンドは、プロジェクトのターゲットを FreeType ライブラリにリンクします。

詳細

FindFreetype モジュールの詳細は、以下のドキュメントを参照してください。

補足

  • FindFreetype モジュールは、CMake バージョン 3.2 以降で使用できます。
  • FreeType ライブラリは、事前にインストールしておく必要があります。
  • FreeType ライブラリのインストール場所は、システムによって異なります。詳細は、FreeType の公式ドキュメントを参照してください。
  • FindFreetype モジュールは、デフォルトでシステムにインストールされている FreeType ライブラリを検索します。
  • 特定のパスにある FreeType ライブラリを検索したい場合は、find_library コマンドを使用できます。
  • FreeType ライブラリのバージョン情報を取得するには、get_property(FREETYPE_VERSION_STRING PROPERTY VERSION) コマンドを使用できます。


FindFreetype モジュールを使ったサンプルコード

シンプルなサンプル

find_package(Freetype REQUIRED)

# FreeType ヘッダーファイルのインクルードパス
include_directories(${FREETYPE_INCLUDE_DIRS})

# FreeType ライブラリへのリンク
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${FREETYPE_LIBRARIES})

# FreeType を使用するコード
# ...

特定のパスにある FreeType ライブラリを検索

set(FREETYPE_DIR "/path/to/freetype")

find_library(FREETYPE_LIBRARY
  NAMES freetype
  PATHS ${FREETYPE_DIR})

target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${FREETYPE_LIBRARY})

# FreeType を使用するコード
# ...

FreeType ライブラリのバージョン情報を取得

find_package(Freetype REQUIRED)

get_property(FREETYPE_VERSION_STRING PROPERTY VERSION)

message(STATUS "FreeType version: ${FREETYPE_VERSION_STRING}")

# FreeType を使用するコード
# ...

FreeType のコンフィギュレーションオプション

  • FREETYPE_FOUND: FreeType ライブラリが見つかったかどうか
  • FREETYPE_INCLUDE_DIRS: FreeType ヘッダーファイルのインクルードパス
  • FREETYPE_LIBRARIES: FreeType ライブラリへのリンク
  • FREETYPE_VERSION_STRING: FreeType ライブラリのバージョン情報

これらの変数は、プロジェクトの CMakeLists.txt ファイルで直接設定できます。

set(FREETYPE_INCLUDE_DIRS "/path/to/freetype/include")
set(FREETYPE_LIBRARIES "/path/to/freetype/lib/libfreetype.so")

find_package(Freetype NO_MODULE)

# FreeType を使用するコード
# ...

注意: 上記のコードは、FreeType ライブラリが既にインストールされていることを前提としています。

FindFreetype モジュールは、CMake で FreeType ライブラリを簡単に利用するための便利なツールです。上記のサンプルコードを参考に、プロジェクトで FreeType を利用してみてください。



FindFreetype モジュールを使わない方法

FindFreetype モジュールを使わない方法

  1. 手動で FreeType ヘッダーファイルとライブラリファイルを指定する
set(FREETYPE_INCLUDE_DIRS "/path/to/freetype/include")
set(FREETYPE_LIBRARIES "/path/to/freetype/lib/libfreetype.so")

# FreeType ヘッダーファイルのインクルードパス
include_directories(${FREETYPE_INCLUDE_DIRS})

# FreeType ライブラリへのリンク
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${FREETYPE_LIBRARIES})

# FreeType を使用するコード
# ...

注意: 上記のコードは、FreeType ライブラリが既にインストールされていることを前提としています。

  1. pkg-config を使う
pkg_check_modules(FREETYPE REQUIRED freetype2)

# FreeType ヘッダーファイルのインクルードパス
include_directories(${FREETYPE_INCLUDE_DIRS})

# FreeType ライブラリへのリンク
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${FREETYPE_LIBRARIES})

# FreeType を使用するコード
# ...

注意: pkg-config は、システムにインストールされている必要がある

  1. Conan Package Manager を使う
# Conanfile.txt
[requires]
freetype/2.10.4

# CMakeLists.txt
conan install .

# FreeType ヘッダーファイルのインクルードパス
include_directories(${CONAN_INCLUDE_DIRS})

# FreeType ライブラリへのリンク
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${CONAN_LIBS})

# FreeType を使用するコード
# ...

注意: Conan Package Manager は、事前にインストールしておく必要

どの方法を使うべきかは、プロジェクトの環境や要件によって異なります。

  • FindFreetype モジュールを使う: 最も簡単で便利な方法です。ただし、CMake バージョン 3.2 以降が必要
  • 手動で FreeType ヘッダーファイルとライブラリファイルを指定する: 最も柔軟な方法です。ただし、設定が複雑
  • pkg-config を使う: 手動で設定するよりも簡単
  • Conan Package Manager を使う: 依存関係の管理が容易

FindFreetype モジュールは、FreeType ライブラリを簡単に利用するための便利なツールですが、必ずしも必要ではありません。

プロジェクトの環境や要件に合わせて、適切な方法を選択してください。




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