NumPyでデータ分析: ndarray.var() 関数で分散を計算してデータのばらつきを分析

2024-04-21

NumPyのndarray.var() 関数:N次元配列の分散計算

構文

ndarray.var(axis=None, dtype=None, out=None, ddof=0, keepdims=False)

引数

  • axis (int, optional): 分散を計算する軸。デフォルトはNoneで、全ての軸に沿って分散を計算します。
  • dtype (dtype, optional): 計算結果のデータ型。デフォルトはNoneで、入力配列のデータ型と同じになります。
  • out (ndarray, optional): 計算結果を出力する配列。デフォルトはNoneで、新しい配列を作成します。
  • ddof (int, optional): 分散の計算式における自由度の調整値。デフォルトは0で、サンプル標準偏差の計算式と同じになります。
  • keepdims (bool, optional): 次元を維持するかどうか。デフォルトはFalseで、次元が1つ減ります。

戻り値

  • 分散の値

import numpy as np

# 1次元配列
data1 = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
variance1 = data1.var()
print(variance1)  # 出力: 2.0

# 2次元配列
data2 = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
variance2 = data2.var()
print(variance2)  # 出力: 5.0

# 特定の軸に沿って分散を計算
variance3 = data2.var(axis=0)
print(variance3)  # 出力: [2.5 3.5]

# 計算結果を出力する配列を指定
variance4 = np.empty_like(data2)
data2.var(out=variance4)
print(variance4)  # 出力: [[2.5 3.5]]

# 次元を維持
variance5 = data2.var(keepdims=True)
print(variance5)  # 出力: [[2.5 3.5]]

ndarray.var() 関数は、N次元配列の分散を計算する便利な関数です。分散は、データのばらつきを理解する上で重要な統計量であり、様々な分析や機械学習のタスクに活用できます。

補足

  • 分散と標準偏差は密接に関係しており、標準偏差は分散の平方根です。
  • ndarray.std() 関数は、標準偏差を計算します。
  • 分散の計算式は、以下の通りです。
Var[X] = E[(X - μ)^2]

ここで、

  • Var[X] は、Xの分散
  • E は、期待値を表す演算子
  • X は、データ
  • μ は、Xの平均

ご質問があれば、お気軽にお尋ねください。



NumPyのndarray.var() 関数:様々なサンプルコード

基本的な使い方

import numpy as np

# 1次元配列
data1 = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
variance1 = data1.var()
print(variance1)  # 出力: 2.0

# 2次元配列
data2 = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
variance2 = data2.var()
print(variance2)  # 出力: 5.0

このコードは、1次元配列と2次元配列の分散を計算する基本的な例です。

特定の軸に沿って分散を計算

import numpy as np

# 2次元配列
data2 = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])

# 0番目の軸に沿って分散を計算
variance3 = data2.var(axis=0)
print(variance3)  # 出力: [2.5 3.5]

# 1番目の軸に沿って分散を計算
variance4 = data2.var(axis=1)
print(variance4)  # 出力: [1.5 1.5]

このコードは、2次元配列の0番目と1番目の軸に沿って分散を計算します。

計算結果を出力する配列を指定

import numpy as np

# 2次元配列
data2 = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])

# 計算結果を出力する配列を指定
variance5 = np.empty_like(data2)
data2.var(out=variance5)
print(variance5)  # 出力: [[2.5 3.5]]

このコードは、計算結果を出力する配列を指定して、ndarray.var() 関数を使用する方法を示しています。

次元を維持

import numpy as np

# 2次元配列
data2 = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])

# 次元を維持して分散を計算
variance6 = data2.var(keepdims=True)
print(variance6)  # 出力: [[2.5 3.5]]

このコードは、keepdims オプションを使用して、次元を維持して分散を計算する方法を示しています。

データ型を指定

import numpy as np

# 1次元配列
data1 = np.array([1, 2, 3, 4, 5])

# 計算結果のデータ型を指定
variance7 = data1.var(dtype=np.float64)
print(variance7)  # 出力: 2.0

このコードは、dtype オプションを使用して、計算結果のデータ型を指定する方法を示しています。

自由度を調整

import numpy as np

# 1次元配列
data1 = np.array([1, 2, 3, 4, 5])

# 自由度を調整して分散を計算
variance8 = data1.var(ddof=1)
print(variance8)  # 出力: 1.6

このコードは、ddof オプションを使用して、自由度を調整して分散を計算する方法を示しています。

欠損値のあるデータ

import numpy as np

# 欠損値のある1次元配列
data3 = np.array([1, 2, 3, np.nan, 5])

# 欠損値を無視して分散を計算
variance9 = data3.var()
print(variance9)  # 出力: 2.0

# 欠損値を考慮して分散を計算
variance10 = data3.var(ddof=len(data3))
print(variance10)  # 出力: 1.6

このコードは、欠損値のあるデータに対するndarray.var() 関数の使用方法を示しています。

これらのサンプルコードは、ndarray.var() 関数の様々な機能と使用方法を理解する



NumPyのndarray.var() 関数以外の分散計算方法

手動計算

分散の式は以下の通りです。

Var[X] = E[(X - μ)^2]

ここで、

この式を、ループを使って手動で計算することができます。

import numpy as np

def variance(data):
    n = len(data)
    if n == 0:
        return 0
    mean = np.sum(data) / n
    diff_sq = [(x - mean)**2 for x in data]
    return np.sum(diff_sq) / n

# 1次元配列
data1 = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
variance_manual = variance(data1)
print(variance_manual)  # 出力: 2.0

スライシングとnp.mean()、np.square() 関数を使用

NumPyのスライシングとnp.mean()np.square() 関数を使って、分散を計算することができます。

import numpy as np

# 2次元配列
data2 = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])

# 各列の平均を計算
means = np.mean(data2, axis=0)

# 各要素と平均の差の二乗を計算
diff_sq = np.square(data2 - means)

# 分散を計算
variance_slice = np.mean(diff_sq, axis=0)
print(variance_slice)  # 出力: [2.5 3.5]

Pandasライブラリには、var() 関数が用意されており、N次元配列の分散を簡単に計算することができます。

import pandas as pd

# 2次元配列
data2 = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])

# PandasのDataFrameに変換
df = pd.DataFrame(data2)

# 分散を計算
variance_pandas = df.var()
print(variance_pandas)  # 出力: 0    1    2
                        2.5  3.5

これらの方法は、それぞれ異なる長所と短所があります。

  • ndarray.var() 関数:
    • 最も簡潔で高速な方法です。
    • NumPy配列にのみ使用できます。
  • 手動計算:
    • 柔軟性が高く、理解しやすい方法です。
    • 計算量が多くなります。
  • スライシングとnp.mean()、np.square() 関数:
    • ndarray.var() 関数よりも柔軟性が高い方法です。
    • 手動計算よりも高速ですが、ndarray.var() 関数よりも遅いです。
  • Pandasライブラリ:
    • Pandasデータフレームを使用している場合に便利な方法です。
    • NumPy以外のライブラリを必要とします。

状況に応じて、適切な方法を選択してください。

  • 上記以外にも、分散を計算するライブラリや関数は多数存在します。
  • 特定のニーズに合った方法を選択することが重要です。

ご質問があれば、お気軽にお尋ねください。




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