【超便利】PyTorch torch.addmv:行列とベクトルの積とスカラー倍加算をまとめて計算

2024-04-04

PyTorchのtorch.addmv:ベクトルと行列の線形結合を効率的に計算

torch.addmv の使い方は非常にシンプルです。以下の4つの引数が必要です。

  • alpha: スカラー倍
  • add_vector: 加算するベクトル
  • beta: 行列とベクトルの積に掛けるスカラー倍
  • matrix: 行列

torch.addmv は、以下の式で表される操作を実行します。

output = alpha * add_vector + beta * torch.mm(matrix, vector)

ここで、

  • output: 出力ベクトル
  • vector: 行列と掛けられるベクトル
  • torch.mm: PyTorchの行列積関数

torch.addmv の利点は、以下の3点が挙げられます。

  • 効率性: 行列とベクトルの積とスカラー倍加算をまとめて計算するため、個別に計算するよりも効率的です。
  • メモリ効率: 中間結果を保存する必要がないため、メモリ使用量を抑えることができます。
  • 柔軟性: スカラー倍を自由に設定できるため、さまざまな計算に適用できます。

torch.addmv は、以下のようなさまざまな場面で役立ちます。

  • 線形回帰: 予測値を計算
  • ニューラルネットワーク: 隠れ層の出力値を計算
  • 物理シミュレーション: 運動方程式を解く

torch.addmv の使い方をより具体的に理解するために、以下の例を見てみましょう。

import torch

# 行列とベクトルを定義
matrix = torch.randn(3, 4)
vector = torch.randn(4)

# スカラー倍を定義
alpha = 0.5
beta = 1.0

# torch.addmvを実行
output = torch.addmv(alpha, torch.zeros(3), beta, matrix, vector)

# 出力ベクトルを出力
print(output)

この例では、3行4列のランダム行列と4次元ランダムベクトルを定義し、それらを用いて torch.addmv を実行しています。出力ベクトルは、alpha 倍のゼロベクトルと beta 倍の行列とベクトルの積の和になります。



PyTorch torch.addmv サンプルコード

基本的な例

import torch

# 行列とベクトルを定義
matrix = torch.randn(3, 4)
vector = torch.randn(4)

# スカラー倍を定義
alpha = 0.5
beta = 1.0

# torch.addmvを実行
output = torch.addmv(alpha, torch.zeros(3), beta, matrix, vector)

# 出力ベクトルを出力
print(output)

行列とベクトルの積のみを計算

import torch

# 行列とベクトルを定義
matrix = torch.randn(3, 4)
vector = torch.randn(4)

# スカラー倍を定義
beta = 1.0

# torch.addmvを実行
output = torch.addmv(0.0, torch.zeros(3), beta, matrix, vector)

# 出力ベクトルを出力
print(output)

スカラー倍のみを計算

import torch

# 行列とベクトルを定義
matrix = torch.randn(3, 4)
vector = torch.randn(4)

# スカラー倍を定義
alpha = 0.5

# torch.addmvを実行
output = torch.addmv(alpha, vector, 0.0, matrix, vector)

# 出力ベクトルを出力
print(output)

転置行列とベクトルの積

import torch

# 行列とベクトルを定義
matrix = torch.randn(3, 4)
vector = torch.randn(4)

# スカラー倍を定義
beta = 1.0

# torch.addmvを実行
output = torch.addmv(0.0, torch.zeros(3), beta, matrix.t(), vector)

# 出力ベクトルを出力
print(output)

バッチ処理

import torch

# バッチサイズを定義
batch_size = 10

# 行列とベクトルを定義
matrix = torch.randn(batch_size, 3, 4)
vector = torch.randn(batch_size, 4)

# スカラー倍を定義
alpha = 0.5
beta = 1.0

# torch.addmvを実行
output = torch.addmv(alpha, torch.zeros(batch_size, 3), beta, matrix, vector)

# 出力ベクトルを出力
print(output)


PyTorchでベクトルと行列の線形結合を計算する方法

手動で計算

ベクトルと行列の線形結合は、以下の式で手動で計算できます。

output = alpha * add_vector + beta * torch.mm(matrix, vector)

ここで、

この方法は、最も基本的な方法ですが、コード量が多く、誤りも発生しやすいです。

torch.einsum は、Einstein表記を用いてテンソルの演算を記述できる関数です。ベクトルと行列の線形結合は以下の式で計算できます。

import torch

output = torch.einsum("a,b,ij,j->i", alpha, add_vector, beta, matrix, vector)

この方法は、手動で計算する方法よりも簡潔で、誤りも発生しにくいですが、Einstein表記に慣れる必要があるというデメリットがあります。

自作関数

ベクトルと行列の線形結合を計算する自作関数を作成することもできます。以下は、自作関数の例です。

import torch

def addmv(alpha, add_vector, beta, matrix, vector):
  """
  ベクトルと行列の線形結合を計算

  Args:
    alpha: スカラー倍
    add_vector: 加算するベクトル
    beta: 行列とベクトルの積に掛けるスカラー倍
    matrix: 行列
    vector: 行列と掛けられるベクトル

  Returns:
    出力ベクトル
  """

  return alpha * add_vector + beta * torch.mm(matrix, vector)

# 使用例
output = addmv(0.5, torch.zeros(3), 1.0, matrix, vector)

この方法は、最も柔軟な方法ですが、コード量が増えてしまうというデメリットがあります。

  • 計算量が少ない場合は、手動で計算する方法でも問題ありません。
  • 計算量が多い場合は、torch.addmv または自作関数を使うと効率的です。
  • コードの簡潔さを重視する場合は、torch.einsum を使うと良いでしょう。

PyTorchでベクトルと行列の線形結合を計算するには、さまざまな方法があります。それぞれの方法の特徴を理解して、状況に合わせて適切な方法を選択してください。




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