PyTorch FSDP とは?
PyTorchの「Fully Sharded Data Parallel」における「torch.distributed.fsdp.FullyShardedDataParallel.apply()」の解説
torch.distributed.fsdp.FullyShardedDataParallel.apply() は、FSDPで重要な役割を果たす関数です。この関数は、与えられたモジュールとその子孫モジュールすべてに対して、FSDPのラッピング処理を適用します。
動作
torch.distributed.fsdp.FullyShardedDataParallel.apply() は、以下の処理を行います。
- 与えられたモジュールとその子孫モジュールすべてを走査します。
- 各モジュールに対して、以下の条件を満たす場合、FSDPでラッピングします。
- モジュールが
torch.nn.Module
のサブクラスであること。 - モジュールがすでにFSDPでラッピングされていないこと。
- モジュールが
- ラッピングされたモジュールは、
FullyShardedDataParallel
クラスのインスタンスとなります。
使用例
import torch
from torch.distributed.fsdp import FullyShardedDataParallel as FSDP
# モデルを定義
model = torch.nn.Sequential(
torch.nn.Linear(10, 100),
torch.nn.ReLU(),
torch.nn.Linear(100, 10)
)
# FSDPでモデルをラッピング
fsdp_model = FSDP.apply(model)
# モデルの訓練
...
# モデルの保存
torch.save(fsdp_model.state_dict(), "model.ckpt")
上記の例では、model
というモジュールを FSDP.apply()
関数を使ってFSDPでラッピングしています。ラッピングされたモジュールは fsdp_model
という変数に格納されます。その後、fsdp_model
を使ってモデルの訓練や保存を行うことができます。
torch.distributed.fsdp.FullyShardedDataParallel.apply() は、FSDPでモジュールをラッピングするための重要な関数です。この関数を理解することで、FSDPを使って大規模なモデルを効率的に分散トレーニングすることができます。
- FSDPは、PyTorch 1.9以降で利用可能です。
- FSDPは、GPUのみをサポートしています。
- FSDPは、まだ開発段階の機能です。
PyTorch Fully Sharded Data Parallel (FSDP) サンプルコード集
MNIST 分類
import torch
from torch.utils.data import DataLoader
from torchvision import datasets, transforms
from torch.distributed.fsdp import FullyShardedDataParallel as FSDP
# モデルを定義
class Net(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.conv1 = torch.nn.Conv2d(1, 32, 3, 1)
self.conv2 = torch.nn.Conv2d(32, 64, 3, 1)
self.dropout1 = torch.nn.Dropout(0.25)
self.fc1 = torch.nn.Linear(9216, 128)
self.dropout2 = torch.nn.Dropout(0.5)
self.fc2 = torch.nn.Linear(128, 10)
def forward(self, x):
x = self.conv1(x)
x = F.relu(x)
x = self.conv2(x)
x = F.max_pool2d(x, 2)
x = self.dropout1(x)
x = torch.flatten(x, 1)
x = self.fc1(x)
x = F.relu(x)
x = self.dropout2(x)
x = self.fc2(x)
output = F.log_softmax(x, dim=1)
return output
# データセットを準備
train_dataset = datasets.MNIST(
root="./data",
train=True,
download=True,
transform=transforms.Compose([
transforms.ToTensor(),
transforms.Normalize((0.1307,), (0.3081,))
]),
)
train_loader = DataLoader(train_dataset, batch_size=64, shuffle=True)
# モデルをFSDPでラッピング
model = Net()
fsdp_model = FSDP.apply(model)
# オプティマイザを定義
optimizer = torch.optim.SGD(fsdp_model.parameters(), lr=0.01)
# モデルの訓練
for epoch in range(10):
for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
data = data.cuda()
target = target.cuda()
output = fsdp_model(data)
loss = F.nll_loss(output, target)
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
optimizer.step()
# モデルの保存
torch.save(fsdp_model.state_dict(), "mnist_model.ckpt")
画像分類
import torch
from torch.utils.data import DataLoader
from torchvision import datasets, transforms
from torch.distributed.fsdp import FullyShardedDataParallel as FSDP
# モデルを定義
class Resnet18(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.resnet18 = torch.hub.load('pytorch/vision:v0.10.0', 'resnet18', pretrained=True)
def forward(self, x):
x = self.resnet18(x)
return x
# データセットを準備
train_dataset = datasets.ImageFolder(
root="./data/imagenet",
transform=transforms.Compose([
transforms.Resize((224, 224)),
transforms.ToTensor(),
transforms.Normalize((0.485, 0.456, 0.406), (0.229, 0.224, 0.225))
]),
)
train_loader = DataLoader(train_dataset, batch_size=64, shuffle=True)
# モデルをFSDPでラッピング
model = Resnet18()
fsdp_model = FSDP.apply(model)
# オプティマイザを定義
optimizer = torch.optim.SGD(fsdp_model.parameters(), lr=0.01)
# モデルの訓練
for epoch in range(10):
for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
data = data.cuda()
target = target.
PyTorch Fully Sharded Data Parallel (FSDP) のその他の方法
Horovod は、PyTorch だけでなく、TensorFlow や Keras などの他のディープラーニングフレームワークにも対応しています。
- メリット:
- 複数のディープラーニングフレームワークに対応している
- 使いやすい
- デメリット:
- FSDP よりも機能が限定されている
- FSDP ほど効率的ではない
DeepSpeed は、Microsoft が開発した分散ディープラーニングのためのオープンソースライブラリです。FSDPと同様に、DeepSpeedはモデルのパラメータ、勾配、オプティマイザの状態をシャードと呼ばれる小さな部分に分割し、各GPUに割り当てます。
DeepSpeed は、FSDP よりも多くの機能を提供しており、大規模なモデルを効率的にトレーニングすることができます。
- メリット:
- FSDP よりも多くの機能を提供している
- FSDP よりも効率的
- デメリット:
- FSDP よりも複雑
- 使いにくい
Megatron は、NVIDIA が開発した分散ディープラーニングのためのオープンソースフレームワークです。FSDPと同様に、Megatronはモデルのパラメータ、勾配、オプティマイザの状態をシャードと呼ばれる小さな部分に分割し、各GPUに割り当てます。
Megatron は、大規模な言語モデルのトレーニングに特化しており、GPT-3 などの最先端の言語モデルをトレーニングするために使用されています。
- メリット:
- 大規模な言語モデルのトレーニングに特化している
- 最先端の言語モデルをトレーニングするために使用できる
- デメリット:
- FSDP や DeepSpeed よりも複雑
- 使いにくい
FSDP は、PyTorch で大規模なモデルを効率的に分散トレーニングするための優れた方法です。ただし、他の方法も存在し、それぞれにメリットとデメリットがあります。
最適な方法は、使用しているフレームワーク、モデルのサイズ、必要な機能によって異なります。
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pixel_unshuffle に関するその他のリソース
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torch. get_default_dtype関数は、PyTorchで現在設定されているデフォルトの浮動小数点データ型を取得します。これは、Tensorのデフォルトのデータ型や、torch. randnなどの関数によって生成されるTensorのデータ型を決定します。
torch.nn.ModuleDict のサンプルコード
torch. nn. ModuleDict は、PyTorch のニューラルネットワークで、名前付きのモジュールのコレクションを管理するための便利なクラスです。 辞書のようにモジュールをキーと値のペアで保存し、ネットワークの構築と管理を簡潔かつ効率的に行うことができます。