Torch Scriptとtorch.jit.ScriptFunction.save_to_buffer()

2024-04-02

PyTorch の Torch Script と torch.jit.ScriptFunction.save_to_buffer() の解説

torch.jit.ScriptFunction.save_to_buffer() は、Torch Script でコンパイルされた関数をバイトバッファに保存する関数です。この関数は、以下の用途に使用できます。

  • モデルをファイルに保存して、後でロードして推論を行う
  • モデルを別のプロセスに送信して、そこで推論を行う
  • モデルをモバイルデバイスにデプロイして、そこで推論を行う

使い方

# モデルを定義
class MyModel(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = nn.Linear(10, 1)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

# モデルをトレース型コンパイル
model = MyModel()
scripted_model = torch.jit.trace(model, example_inputs=torch.randn(1, 10))

# モデルをバイトバッファに保存
buffer = scripted_model.save_to_buffer()

# モデルをファイルに保存
with open("my_model.pt", "wb") as f:
    f.write(buffer)

# モデルを別のプロセスに送信
# ...

# モデルをモバイルデバイスにデプロイ
# ...

注意事項

  • torch.jit.ScriptFunction.save_to_buffer() は、Python の pickle モジュールとは異なり、オブジェクトの完全なコピーを作成しません。
  • バイトバッファの内容は、Torch Script のバージョンによって変更される可能性があります。
  • バイトバッファは、安全な場所に保存する必要があります。

補足

Torch Script の利点

  • 推論速度の向上
  • モデルの移植性の向上
  • モデルのセキュリティの向上

Torch Script の欠点

  • モデルの開発が複雑になる
  • すべての PyTorch モデルが Torch Script でコンパイルできるわけではない

Torch Script が適しているケース

  • 推論速度が重要な場合
  • モデルを別のプラットフォームに移植したい場合
  • モデルを安全にデプロイしたい場合

Torch Script が適していないケース

  • モデルの開発が頻繁に行われる場合
  • モデルの複雑度が高い場合

Torch Script は、PyTorch モデルの推論速度を大幅に向上させることができる強力な機能です。torch.jit.ScriptFunction.save_to_buffer() は、Torch Script でコンパイルされた関数をバイトバッファに保存する関数です。この関数は、モデルをファイルに保存したり、別のプロセスに送信したり、モバイルデバイスにデプロイしたりするために使用できます。



Torch Script のサンプルコード

単純なモデル

# モデルを定義
class MyModel(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = nn.Linear(10, 1)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

# モデルをトレース型コンパイル
model = MyModel()
scripted_model = torch.jit.trace(model, example_inputs=torch.randn(1, 10))

# モデルをバイトバッファに保存
buffer = scripted_model.save_to_buffer()

# モデルをファイルに保存
with open("my_model.pt", "wb") as f:
    f.write(buffer)

# モデルを別のプロセスに送信
# ...

# モデルをモバイルデバイスにデプロイ
# ...

モデルの入力と出力

# モデルを定義
class MyModel(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = nn.Linear(10, 1)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

# モデルをトレース型コンパイル
model = MyModel()
scripted_model = torch.jit.trace(model, example_inputs=torch.randn(1, 10))

# モデルの入力と出力を取得
inputs = scripted_model.inputs
outputs = scripted_model.outputs

# モデルの入力を変更
inputs[0] = torch.randn(1, 10)

# モデルを実行
outputs = scripted_model(inputs)

# モデルの出力を表示
print(outputs)

モデルのカスタマイズ

# モデルを定義
class MyModel(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = nn.Linear(10, 1)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

# モデルをトレース型コンパイル
model = MyModel()
scripted_model = torch.jit.trace(model, example_inputs=torch.randn(1, 10))

# モデルのカスタマイズ
@torch.jit.script
def my_custom_function(x):
    return x + 1

scripted_model.graph.insert_before(scripted_model.graph.find_node("aten::relu"), my_custom_function)

# モデルを実行
outputs = scripted_model(torch.randn(1, 10))

# モデルの出力を表示
print(outputs)


PyTorch モデルを保存する他の方法

torch.save()

# モデルを保存
torch.save(model, "my_model.pt")

# モデルを読み込み
model = torch.load("my_model.pt")

この方法は、モデルの状態辞書 (state_dict) を保存します。状態辞書には、モデルのパラメータとバッファが含まれます。

torch.jit.save()

# モデルをトレース型コンパイル
scripted_model = torch.jit.trace(model, example_inputs=torch.randn(1, 10))

# モデルを保存
torch.jit.save(scripted_model, "my_model.pt")

# モデルを読み込み
model = torch.jit.load("my_model.pt")

この方法は、モデルを Torch Script の形式で保存します。Torch Script は、PyTorch モデルをグラフ型の実行形式に変換する機能です。

# モデルを ONNX 形式に変換
torch.onnx.export(model, torch.randn(1, 10), "my_model.onnx")

# モデルを読み込み
model = onnxruntime.InferenceSession("my_model.onnx")

ONNX (Open Neural Network Exchange) は、さまざまな機械学習フレームワーク間でモデルを共有するための形式です。

# モデルを TensorFlow 形式に変換
model.export("my_model.pb")

# モデルを読み込み
model = tf.keras.models.load_model("my_model.pb")

TensorFlow は、Google が開発したオープンソースの機械学習フレームワークです。

  • モデルの複雑度
  • モデルの用途
  • 互換性

モデルが複雑な場合は、torch.jit.save() または ONNX を使用する方が良いでしょう。これらの方法は、モデルをより効率的な形式で保存することができます。

モデルの用途

モデルを別のフレームワークで使用したい場合は、ONNX または TensorFlow を使用する方が良いでしょう。これらの形式は、さまざまなフレームワークで読み込むことができます。

互換性

特定のフレームワークとの互換性が重要な場合は、そのフレームワーク固有の保存形式を使用する必要があります。

PyTorch モデルを保存するには、torch.jit.ScriptFunction.save_to_buffer() 以外にもいくつかの方法があります。どの方法を選択するべきかは、モデルの複雑度、用途、互換性によって異なります。




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