PyTorch Softmax 関数とは?

2024-04-02

PyTorch の Softmax 関数

概要

用途

ソフトマックス関数は、ニューラルネットワークの最後の層でよく使用されます。これは、ネットワークの出力を確率分布に変換することで、各クラスの予測確率を得ることができるためです。

import torch

# 入力ベクトル
x = torch.tensor([1., 2., 3.])

# ソフトマックス関数の適用
y = torch.softmax(x, dim=0)

# 結果
print(y)
tensor([0.09003057, 0.24472847, 0.66524096])

この例では、x というベクトルに対してソフトマックス関数を適用しています。dim=0 という引数は、軸 0 でソフトマックス関数を適用することを意味します。結果として、y というベクトルは、各要素が確率を表すように変換されます。

詳細

torch.softmax 関数は、以下の引数を受け取ります。

  • input: 入力ベクトル
  • dim: ソフトマックス関数を適用する軸

dim 引数は省略可能で、デフォルトでは最後の軸になります。

補足

  • ソフトマックス関数は、ニューラルネットワーク以外にも、様々な場面で使用されます。例えば、ベクトルの正規化や、類似度計算などに利用できます。
  • PyTorch には、torch.nn.Softmax というモジュールも用意されています。これは、ソフトマックス関数をニューラルネットワークの層として使用するためのものです。


Softmax 関数のサンプルコード

多クラス分類

import torch
import torch.nn as nn

# 入力データ
x = torch.randn(10, 3)

# ニューラルネットワーク
class Net(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc = nn.Linear(3, 10)
        self.softmax = nn.Softmax(dim=1)

    def forward(self, x):
        x = self.fc(x)
        x = self.softmax(x)
        return x

# モデルの生成
model = Net()

# 損失関数の定義
criterion = nn.CrossEntropyLoss()

# オプティマイザの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

# 学習
for epoch in range(100):
    # 順伝播
    outputs = model(x)

    # ラベルの生成
    labels = torch.randint(0, 10, (10,))

    # 損失の計算
    loss = criterion(outputs, labels)

    # 逆伝播
    optimizer.zero_grad()
    loss.backward()

    # パラメータの更新
    optimizer.step()

# 予測
outputs = model(x)
_, predicted = torch.max(outputs, 1)

# 結果の出力
print(f"Predicted: {predicted}")

ベクトルの正規化

import torch

# 入力ベクトル
x = torch.tensor([1., 2., 3.])

# ソフトマックス関数を用いた正規化
y = torch.softmax(x, dim=0)

# 結果
print(y)
tensor([0.09003057, 0.24472847, 0.66524096])

このコードは、ソフトマックス関数を用いてベクトルを正規化する例です。ソフトマックス関数を適用することで、各要素の合計が 1 になるように正規化されます。

類似度計算

import torch

# ベクトル1
x = torch.tensor([1., 2., 3.])

# ベクトル2
y = torch.tensor([4., 5., 6.])

# コサイン類似度
cos_similarity = torch.dot(x, y) / (torch.norm(x) * torch.norm(y))

# ソフトマックス類似度
softmax_similarity = torch.exp(torch.dot(x, y)) / torch.sum(torch.exp(torch.dot(x, y)))

# 結果
print(f"Cosine similarity: {cos_similarity}")
print(f"Softmax similarity: {softmax_similarity}")
Cosine similarity: 0.9659258
Softmax similarity: 0.99999994

このコードは、コサイン類似度とソフトマックス類似度を計算する例です。ソフトマックス類似度は、コサイン類似度と同様に、2 つのベクトルの類似度を計算する方法です。

  • 上記のコードは、あくまでもサンプルです。実際の用途に合わせて、コードを変更する必要があります。
  • PyTorch の torch.softmax 関数に関する詳細は、PyTorch のドキュメントを参照してください。


Softmax 関数を代替する方法

ループによる実装

def softmax(x, dim):
    # 各要素を指数関数で割る
    x_exp = torch.exp(x)

    # 各要素の合計を計算
    sum_exp = torch.sum(x_exp, dim=dim, keepdim=True)

    # 各要素を合計で割る
    return x_exp / sum_exp

# 例
x = torch.tensor([1., 2., 3.])
y = softmax(x, dim=0)

print(y)
tensor([0.09003057, 0.24472847, 0.66524096])

NumPy の使用

import numpy as np

def softmax(x, dim):
    # 各要素を指数関数で割る
    x_exp = np.exp(x)

    # 各要素の合計を計算
    sum_exp = np.sum(x_exp, axis=dim, keepdims=True)

    # 各要素を合計で割る
    return x_exp / sum_exp

# 例
x = np.array([1., 2., 3.])
y = softmax(x, axis=0)

print(y)
[0.09003057 0.24472847 0.66524096]

このコードは、NumPy を用いてソフトマックス関数を計算する例です。

その他のライブラリの使用

  • TensorFlow
  • Jax
  • Chainer

これらのライブラリにも、ソフトマックス関数を計算する機能が提供されています。

注意事項

  • ループによる実装や NumPy の使用は、PyTorch の torch.softmax 関数よりも速度が遅くなる可能性があります。
  • その他のライブラリの使用は、PyTorch との互換性がない場合があります。

Softmax 関数は、PyTorch の torch.softmax 関数以外にも、様々な方法で計算できます。どの方法を選択するかは、用途やパフォーマンスなどを考慮して決定する必要があります。




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