PyTorch CUDA 入門:CUDA デバイスとランダム性を制御する torch.cuda.seed_all()

2024-04-15

PyTorch の CUDA における torch.cuda.seed_all() のプログラミング解説

動作

torch.cuda.seed_all() は、すべての CUDA デバイス上のすべてのデフォルトのランダム生成器に対して指定されたシード値を設定します。デフォルトのランダム生成器は、torch.randn()torch.rand() などのランダムテンソル生成関数によって使用されます。

この関数は、CUDA が利用可能でない場合は、何もせずに静かに終了します。

import torch

if torch.cuda.is_available():
    # CUDA デバイスが利用可能な場合
    torch.cuda.seed_all(1234)
else:
    # CUDA デバイスが利用できない場合
    print("CUDA デバイスが利用できません。")

この例では、torch.cuda.seed_all() が呼び出され、すべての CUDA デバイス上のすべてのデフォルトのランダム生成器のシード値が 1234 に設定されます。

注意点

  • torch.cuda.seed_all() は、すべての CUDA デバイス上のすべてのデフォルトのランダム生成器にのみ影響を与えます。カスタムのランダム生成器を使用している場合は、それらを個別にシードする必要があります。
  • torch.cuda.seed_all() は、すべてのランダム性を排除するものではありません。CUDA の低レベルなランダム生成器は、この関数によって影響を受けません。
  • torch.manual_seed() は、CPU と CUDA デバイスの両方を含むすべてのデバイス上のすべてのデフォルトのランダム生成器をシードします。

torch.cuda.seed_all() は、PyTorch で CUDA デバイス上のランダム性を制御するための重要なツールです。訓練の再現性とデバッグを容易にするために使用できます。



PyTorch CUDA サンプルコード集

GPU の利用可能性を確認する

import torch

if torch.cuda.is_available():
    print("CUDA デバイスが利用可能です。")
    n_gpu = torch.cuda.device_count()
    print(f"利用可能な CUDA デバイス: {n_gpu}")
else:
    print("CUDA デバイスが利用できません。")

このコードスニペットは、torch.cuda.is_available() 関数を使用して、CUDA デバイスが利用可能かどうかを確認します。利用可能な場合は、torch.cuda.device_count() 関数を使用して、利用可能なデバイス数を取得します。

デバイスにテンソルを移動する

import torch

x = torch.tensor([1, 2, 3, 4, 5])

if torch.cuda.is_available():
    device = torch.device("cuda")
    x = x.to(device)
    print(f"テンソル x はデバイス {device} にあります。")
else:
    print("CUDA デバイスが利用できません。")

このコードスニペットは、torch.device() 関数を使用して CUDA デバイスを作成し、to() メソッドを使用してテンソルをデバイスに移動します。

CUDA 上で計算を実行する

import torch

x = torch.tensor([1, 2, 3, 4, 5], dtype=torch.float32)

if torch.cuda.is_available():
    device = torch.device("cuda")
    x = x.to(device)

    y = x + 3
    print(y)
else:
    print("CUDA デバイスが利用できません。")

このコードスニペットは、テンソルを CUDA デバイスに移動し、+ 演算子を使用して CUDA デバイス上で計算を実行します。

データセットを GPU にロードする

import torch
from torch.utils.data import DataLoader

# データセットを作成
dataset = MyDataset()

# データローダーを作成
if torch.cuda.is_available():
    device = torch.device("cuda")
    dataloader = DataLoader(dataset, batch_size=64, shuffle=True, pin_memory=True, num_workers=4)
else:
    device = torch.device("cpu")
    dataloader = DataLoader(dataset, batch_size=64, shuffle=True, pin_memory=False, num_workers=0)

for batch in dataloader:
    # バッチをデバイスに移動
    data, target = batch
    data = data.to(device)
    target = target.to(device)

    # データを処理
    # ...

このコードスニペットは、DataLoader を使用してデータセットを GPU にロードします。pin_memorynum_workers 引数は、パフォーマンスを向上させるために使用できます。

モデルを GPU にトレーニングする

import torch
import torch.nn as nn
import torch.optim as optim

# モデルを作成
model = MyModel().to(device)

# 損失関数とオプティマイザを作成
criterion = nn.MSELoss()
optimizer = optim.Adam(model.parameters())

# トレーニングループ
for epoch in range(num_epochs):
    for i, (data, target) in enumerate(dataloader):
        # データをデバイスに移動
        data = data.to(device)
        target = target.to(device)

        # 予測を計算
        output = model(data)

        # 損失を計算
        loss = criterion(output, target)

        # 勾配をゼロ化
        optimizer.zero_grad()

        # 誤差逆伝播
        loss.backward()

        # パラメータを更新
        optimizer.step()

        # 進捗状況を印刷
        if (i + 1) % 100 == 0:
            print(f"Epoch [{epoch + 1}/{num_epochs}], Step [{i + 1}/{len(dataloader)}], Loss: {loss.item():.4f}")

このコードスニペットは、モデルを GPU にトレーニングします。モデル、損失関数、オプティマイザを定義し、トレーニングループを実行します。



例えば、以下の情報があると助かります。

  • 前の質問で説明した内容とどのように関連するのか
  • 達成したい具体的な目標
  • 既に試したこと

これらの情報を教えていただければ、より的確な回答を提供することができます。

また、以下の点についても考慮してみてください。

これらのリソースは、PyTorch CUDA に関する詳細情報や、他のユーザーからのヘルプを見つけるのに役立ちます。




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