Qt Widgetsで日時を操作する:QDateTimeEdit::stepBy()完全ガイド

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQDateTimeEdit::stepBy()の解説

QDateTimeEdit::stepBy()は、Qt WidgetsのQDateTimeEditクラスで提供される関数です。この関数は、QDateTimeEditウィジェットに表示されている日時を指定されたステップ数だけ増減するために使用されます。

機能

stepBy()は以下の機能を提供します。

  • 日時をステップ数だけ増減する:
    • 正のステップ数を指定すると、日時が未来方向へ進みます。
  • ステップ幅を指定する:
    • QDateTimeEdit::StepBy::Second、QDateTimeEdit::StepBy::Minute、QDateTimeEdit::StepBy::Hourなど、あらかじめ定義されたステップ幅を使用できます。
    • カスタムステップ幅をQt::TimeSpec型で指定することもできます。
  • 特定の日時要素のみを操作する:
    • Qt::TimeSpec型を使用して、ステップ操作で影響を受ける日時要素を指定できます。
    • 例えば、Qt::TimeSpec::Hourのみを指定すると、分や秒は変化せずに、時間のみがステップ数だけ増減されます。

コード例

// QDateTimeEditウィジェットを作成
QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// 現在の日時を取得
QDateTime dateTime = dateTimeEdit.dateTime();

// 時間を1時間進める
dateTimeEdit.stepBy(1, QDateTimeEdit::StepBy::Hour);

// 日時を30分戻す
dateTimeEdit.stepBy(-30, QDateTimeEdit::StepBy::Minute);

// 特定の日時要素のみを操作
dateTimeEdit.stepBy(1, Qt::TimeSpec::Day); // 日付を1日進める

// 設定した日時を反映
dateTimeEdit.setDateTime(dateTime);

注意事項

  • stepBy()は、QDateTimeEdit::minimumDateTime()とQDateTimeEdit::maximumDateTime()で設定された範囲内で動作します。
  • stepBy()は、QDateTimeEdit::wrapping()プロパティによって、範囲を超えた場合の動作が決まります。
  • stepBy()は、QDateTimeEdit::displayFormat()に従って、表示される日時をフォーマットします。
  • QDateTimeEdit::stepEnabled()を使用して、特定の日時要素のステップ操作が有効かどうかを確認できます。
  • QDateTimeEdit::textFromDateTime()を使用して、QDateTimeオブジェクトを指定されたフォーマットの文字列に変換できます。


QDateTimeEdit::stepBy()のサンプルコード

時間を1時間進める

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// 現在の日時を取得
QDateTime dateTime = dateTimeEdit.dateTime();

// 時間を1時間進める
dateTimeEdit.stepBy(1, QDateTimeEdit::StepBy::Hour);

// 設定した日時を反映
dateTimeEdit.setDateTime(dateTime);

日時を30分戻す

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// 現在の日時を取得
QDateTime dateTime = dateTimeEdit.dateTime();

// 日時を30分戻す
dateTimeEdit.stepBy(-30, QDateTimeEdit::StepBy::Minute);

// 設定した日時を反映
dateTimeEdit.setDateTime(dateTime);

特定の日時要素のみを操作

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// 現在の日時を取得
QDateTime dateTime = dateTimeEdit.dateTime();

// 日付を1日進める
dateTimeEdit.stepBy(1, Qt::TimeSpec::Day);

// 設定した日時を反映
dateTimeEdit.setDateTime(dateTime);

スピンボックスと連動して日時を編集

QDateTimeEdit dateTimeEdit;
QSpinBox spinBox;

// スピンボックスの値を1時間単位で設定
spinBox.setValue(1);

// スピンボックスの値が変化した時に、日時を更新
QObject::connect(&spinBox, &QSpinBox::valueChanged,
                  &dateTimeEdit, [=](int value) {
                      dateTimeEdit.stepBy(value, QDateTimeEdit::StepBy::Hour);
                  });

// レイアウトに配置
QHBoxLayout layout;
layout.addWidget(&dateTimeEdit);
layout.addWidget(&spinBox);

QWidget window;
window.setLayout(&layout);
window.show();

カレンダーウィジェットと連動して日時を編集

QDateTimeEdit dateTimeEdit;
QCalendarWidget calendarWidget;

// カレンダーウィジェットの日付が選択された時に、日時を更新
QObject::connect(&calendarWidget, &QCalendarWidget::selectionChanged,
                  &dateTimeEdit, [=](const QDate &date) {
                      dateTimeEdit.setDate(date);
                  });

// レイアウトに配置
QVBoxLayout layout;
layout.addWidget(&dateTimeEdit);
layout.addWidget(&calendarWidget);

QWidget window;
window.setLayout(&layout);
window.show();

QDateTimeオブジェクトを使用して日時を設定

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// QDateTimeオブジェクトを作成
QDateTime dateTime = QDateTime::currentDateTime();

// QDateTimeオブジェクトを使用して日時を設定
dateTimeEdit.setDateTime(dateTime);

// 設定した日時を表示
dateTimeEdit.show();


QDateTimeEdit::stepBy() 以外の方法

QDateTime オブジェクトを使用して、直接日時を設定することができます。

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// QDateTimeオブジェクトを作成
QDateTime dateTime = QDateTime::currentDateTime();

// QDateTimeオブジェクトを使用して日時を設定
dateTimeEdit.setDateTime(dateTime);

// 設定した日時を表示
dateTimeEdit.show();

setDate() や setTime() メソッドを使用して、日付や時間を個別に設定することができます。

QDateTimeEdit dateTimeEdit;

// 日付を2023年12月31日に設定
dateTimeEdit.setDate(QDate(2023, 12, 31));

// 時間を12時30分に設定
dateTimeEdit.setTime(QTime(12, 30));

// 設定した日時を表示
dateTimeEdit.show();

スピンボックスやカレンダーウィジェットなどの他のウィジェットと組み合わせることで、ユーザーが日時を編集できるようにすることができます。

シグナルとスロットを使用する

dateTimeEdit::valueChanged() シグナルとスロットを使用して、ユーザーが日時を変更した際に処理を行うことができます。

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。状況に合わせて適切な方法を選択する必要があります。




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