CMakeでVisual Studioプロジェクトのターゲットフレームワークを取得する

2024-04-02

CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER は、Visual Studio プロジェクトファイル (.csproj) における MSBuild TargetFrameworkIdentifier 設定の値を保持する CMake 変数です。これは、Visual Studio 生成ツールが特定のフレームワーク (.NET Framework、.NET Core、Mono など) をターゲットとするプロジェクトを生成する場合に設定されます。

バージョン

この変数は CMake 3.22 以降で利用可能です。

用途

CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER 変数は、以下の目的で使用できます。

  • 生成されたプロジェクトファイル (.csproj) のターゲットフレームワークを確認する
  • 異なるフレームワークをターゲットとするプロジェクトをビルドするための条件分岐を行う
  • フレームワーク固有のビルド設定を指定する

以下の例は、CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER 変数を使用して、ターゲットフレームワークに基づいて異なるビルド設定を指定する方法を示しています。

if(CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER MATCHES ".NETFramework")
  # .NET Framework 向けのビルド設定
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /clr")
else()
  # その他のフレームワーク向けのビルド設定
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /nologo")
endif()

関連変数

以下の変数は、CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER と関連しています。

  • CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_VERSION: ターゲットフレームワークのバージョン

補足

  • CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER 変数は、Visual Studio 生成ツールのみで使用されます。
  • この変数は、CMake の他の変数と同様に、set() コマンドを使用して変更することができます。

CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER 変数は、Visual Studio プロジェクトファイルにおけるターゲットフレームワークを特定するために使用できます。この変数は、異なるフレームワークをターゲットとするプロジェクトをビルドするための条件分岐や、フレームワーク固有のビルド設定を指定するのに役立ちます。



CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER を使用したサンプルコード

ターゲットフレームワークに基づいて異なるビルド設定を指定する

if(CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER MATCHES ".NETFramework")
  # .NET Framework 向けのビルド設定
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /clr")
else()
  # その他のフレームワーク向けのビルド設定
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /nologo")
endif()

ターゲットフレームワークを確認する

message(STATUS "ターゲットフレームワーク: ${CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER}")

フレームワーク固有のビルドオプションを設定する

if(CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER EQUAL ".NETCore")
  # .NET Core 向けのビルドオプション
  set(CMAKE_EXE_LINKER_FLAGS "${CMAKE_EXE_LINKER_FLAGS} /subsystem:console")
else()
  # その他のフレームワーク向けのビルドオプション
  set(CMAKE_EXE_LINKER_FLAGS "${CMAKE_EXE_LINKER_FLAGS} /subsystem:windows")
endif()

ターゲットフレームワークのバージョンに基づいて条件分岐を行う

if(CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER MATCHES ".NETFramework" AND CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_VERSION GREATER_EQUAL "4.7.2")
  # .NET Framework 4.7.2 以降向けのビルド処理
else()
  # .NET Framework 4.7.2 より前のバージョン向けのビルド処理
endif()

複数のターゲットフレームワークをサポートするプロジェクト

set(CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORKS ".NETFramework4.7.2;.NETCoreApp3.1")

foreach(framework IN LISTS CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORKS)
  message(STATUS "ビルド: ${framework}")
  
  # フレームワーク固有のビルド処理
  
endforeach()


CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER を使用しない方法

手動でターゲットフレームワークを指定する

set(CMAKE_PROJECT_FRAMEWORK ".NETFramework4.7.2")

# プロジェクトファイルの生成
...

# フレームワーク固有のビルド処理
...

この方法では、CMAKE_PROJECT_FRAMEWORK 変数を使用してターゲットフレームワークを手動で指定します。

プロパティファイルを使用する

set(CMAKE_PROPERTY_FILE "${CMAKE_BINARY_DIR}/MyProject.props")

# プロパティファイルの生成
...

# プロパティファイルの読み込み
set_property(GLOBAL APPEND PROPERTY VS_TARGET_FRAMEWORK ".NETFramework4.7.2")

# プロジェクトファイルの生成
...

# フレームワーク固有のビルド処理
...

この方法では、プロパティファイルを使用してターゲットフレームワークを指定します。

ターゲットファイル名で判断する

if(CMAKE_TARGET_NAME MATCHES "^MyProject\\.(NETFramework4.7.2|NETCoreApp3.1)$")
  # ターゲットフレームワークに基づいた処理
endif()

この方法では、ターゲットファイル名からターゲットフレームワークを判断します。

これらの方法は、CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER 変数を使用するよりも柔軟性がありますが、より複雑になる場合もあります。

どの方法を使用するかは、プロジェクトの要件によって異なります。

  • シンプルなプロジェクトであれば、CMAKE_VS_TARGET_FRAMEWORK_IDENTIFIER 変数を使用するのが最も簡単です。
  • 複数のターゲットフレームワークをサポートする必要がある場合は、手動でターゲットフレームワークを指定するか、プロパティファイルを使用する必要があります。
  • 特定のターゲットフレームワークのみをサポートする場合は、ターゲットファイル名で判断する方法は最も効率的です。



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