C++ソースコードの動作検証:CheckCXXSourceRuns vs その他の方法

2024-04-09

CMake モジュール CheckCXXSourceRuns の詳細解説

CheckCXXSourceRuns は、CMake のモジュールの一つで、C++ ソースコードが正しくコンパイルされ、実行できるかどうかを確認するために使用されます。これは、プロジェクトで必要な機能がサポートされているかどうか、または特定のコンパイラオプションが正しく動作するかどうかを検証するのに役立ちます。

機能

CheckCXXSourceRunsは以下の機能を提供します。

  • C++ ソースコードをコンパイルし、実行可能かどうかを確認する
  • コンパイルエラーや実行時エラーを検出する
  • 必要なヘッダーファイルやライブラリが存在するかどうかを確認する
  • 特定のコンパイラオプションが正しく動作するかどうかを検証する

使用方法

CheckCXXSourceRuns は、CMake の list() コマンドを使用して呼び出します。以下の例は、CheckCXXSourceRuns を使用して、std::cout が使用可能かどうかを確認する方法を示しています。

list(APPEND CXX_SOURCES "test.cpp")

check_cxx_source_runs(
  SOURCE "test.cpp"
  CODE "
    #include <iostream>

    int main() {
      std::cout << \"Hello, world!\" << std::endl;
      return 0;
    }
  "
)

この例では、test.cpp というファイルがコンパイルされ、実行可能かどうかを確認します。CODE オプションは、テストコードを直接指定するために使用できます。

オプション

CheckCXXSourceRuns は、以下のオプションを提供します。

  • QUIET: 出力を抑制する
  • NO_CMAKE_RANDOM_SEED: ランダムシードを使用しない
  • CMAKE_REQUIRED: ソースコードがコンパイルされ、実行できない場合、エラーを出力する

CheckCXXSourceRuns の詳細については、以下のリソースを参照してください。

補足

  • CheckCXXSourceRuns は、CMake バージョン 3.1 以降で使用できます。
  • CheckCXXSourceRuns は、C++ ソースコードだけでなく、C ソースコードにも使用できます。

CheckCXXSourceRuns は、CMake で C++ ソースコードの動作を検証するための便利なモジュールです。このモジュールを使用することで、プロジェクトで必要な機能がサポートされているかどうか、または特定のコンパイラオプションが正しく動作するかどうかを簡単に確認することができます。



CheckCXXSourceRuns のサンプルコード

標準出力への出力

list(APPEND CXX_SOURCES "test.cpp")

check_cxx_source_runs(
  SOURCE "test.cpp"
  CODE "
    #include <iostream>

    int main() {
      std::cout << \"Hello, world!\" << std::endl;
      return 0;
    }
  "
)

標準入力からの入力

list(APPEND CXX_SOURCES "test.cpp")

check_cxx_source_runs(
  SOURCE "test.cpp"
  CODE "
    #include <iostream>

    int main() {
      int x;
      std::cin >> x;
      std::cout << \"You entered: \" << x << std::endl;
      return 0;
    }
  "
)

ヘッダーファイルのチェック

list(APPEND CXX_SOURCES "test.cpp")

check_cxx_source_runs(
  SOURCE "test.cpp"
  CODE "
    #include <vector>

    int main() {
      std::vector<int> v;
      v.push_back(1);
      v.push_back(2);
      v.push_back(3);

      for (int i = 0; i < v.size(); i++) {
        std::cout << v[i] << std::endl;
      }

      return 0;
    }
  "
)

ライブラリのチェック

list(APPEND CXX_SOURCES "test.cpp")

check_cxx_source_runs(
  SOURCE "test.cpp"
  CODE "
    #include <iostream>
    #include <opencv2/opencv.hpp>

    int main() {
      cv::Mat image = cv::imread(\"image.jpg\");

      if (image.empty()) {
        std::cout << \"Error loading image\" << std::endl;
        return 1;
      }

      cv::imshow(\"Image\", image);
      cv::waitKey(0);

      return 0;
    }
  "
  LIBRARIES "opencv_core" "opencv_imgproc" "opencv_highgui"
)

コンパイラオプションのチェック

list(APPEND CXX_SOURCES "test.cpp")

check_cxx_source_runs(
  SOURCE "test.cpp"
  CODE "
    #include <iostream>

    int main() {
      std::cout << \"Hello, world!\" << std::endl;
      return 0;
    }
  "
  CMAKE_CXX_FLAGS "-Wall -Wextra"
)


CMakeでC++ソースコードの動作を検証する他の方法

テストフレームワークを使う

CMake には、CTest というテストフレームワークが付属しています。CTest を使用すると、自動的にテストを実行し、結果を検証することができます。

自作のテストプログラムを書く

CheckCXXSourceRuns のような機能を自作のテストプログラムで実現することもできます。

インタラクティブなデバッガーを使う

GDB や LLDB などのインタラクティブなデバッガーを使用して、C++ ソースコードをステップ実行し、変数の値を確認することができます。

静的コード解析ツールを使う

Clang-Tidy や Coverity Scan などの静的コード解析ツールを使用して、C++ ソースコードのバグや脆弱性を検出することができます。

  • テストフレームワークは、自動的にテストを実行したい場合に便利です。
  • 自作のテストプログラムは、CheckCXXSourceRuns では実現できないような複雑なテストを行う場合に便利です。
  • インタラクティブなデバッガーは、C++ ソースコードの動作を詳細に調査したい場合に便利です。
  • 静的コード解析ツールは、C++ ソースコードのバグや脆弱性を早期に発見したい場合に便利です。

CheckCXXSourceRuns は、CMake で C++ ソースコードの動作を検証する便利なモジュールです。しかし、状況によっては他の方法の方が適切な場合もあります。




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