CMake GUIでOSX_ARCHITECTURES_CONFIGを設定する方法
CMakeにおけるOSX_ARCHITECTURES_CONFIGの詳細解説
概要
- デフォルト値: OSX_ARCHITECTURES プロパティによって設定されます。
- データ型: STRING
- 使用箇所: ターゲットのプロパティ
- 設定方法:
- CMake GUI
設定例
# ターゲット "my_app" の "Debug" 構成で、x86_64 と arm64 アーキテクチャを指定
set_target_properties(my_app PROPERTIES OSX_ARCHITECTURES_CONFIG_DEBUG x86_64 arm64)
# ターゲット "my_lib" の "Release" 構成で、x86_64 アーキテクチャのみを指定
set_target_properties(my_lib PROPERTIES OSX_ARCHITECTURES_CONFIG_RELEASE x86_64)
詳細解説
- OSX_ARCHITECTURES_CONFIG は、ターゲット毎に異なるアーキテクチャを指定するために使用できます。例えば、"my_app" は "Debug" 構成では x86_64 と arm64 アーキテクチャでビルドし、"Release" 構成では x86_64 アーキテクチャのみでビルドするといった設定が可能です。
- CMake は、指定されたアーキテクチャに対応するコンパイラとリンカを自動的に選択します。
- 複数のアーキテクチャを指定する場合、スペースで区切ります。
- OSX_ARCHITECTURES_CONFIG は、OSX_ARCHITECTURES プロパティよりも優先されます。
補足
- ビルド構成 とは、"Debug" や "Release" などの設定のことです。
- アーキテクチャ とは、CPU の種類のことです。例えば、x86_64 は 64 ビットの Intel CPU を指します。
用語集
- CMake: クロスプラットフォームビルドツール
- ターゲット: ビルド対象となるプログラムやライブラリ
- プロパティ: ターゲットの属性
- ビルド構成: Debug や Release などの設定
- アーキテクチャ: CPU の種類
- 本解説は、CMake バージョン 3.14 以降を対象としています。
- 何かご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。
CMakeにおけるOSX_ARCHITECTURES_CONFIGのサンプルコード
ターゲット毎に異なるアーキテクチャを指定する
# ターゲット "my_app" の "Debug" 構成で、x86_64 と arm64 アーキテクチャを指定
set_target_properties(my_app PROPERTIES OSX_ARCHITECTURES_CONFIG_DEBUG x86_64 arm64)
# ターゲット "my_lib" の "Release" 構成で、x86_64 アーキテクチャのみを指定
set_target_properties(my_lib PROPERTIES OSX_ARCHITECTURES_CONFIG_RELEASE x86_64)
# すべてのターゲットの "Debug" 構成で、arm64 アーキテクチャを追加
set_property(TARGET GLOBAL PROPERTY OSX_ARCHITECTURES_CONFIG_DEBUG arm64)
特定のアーキテクチャ向けのビルドをスキップする
# "Debug" 構成で arm64 アーキテクチャ向けのビルドをスキップ
set(CMAKE_OSX_ARCHITECTURES_CONFIG_DEBUG "")
# "Release" 構成で x86_64 アーキテクチャ向けのビルドをスキップ
set(CMAKE_OSX_ARCHITECTURES_CONFIG_RELEASE "arm64")
CMake GUI で設定する
- CMake GUI でターゲットを選択
- "Properties" タブを開く
- "Configuration" ドロップダウンリストから "Debug" または "Release" を選択
- "OSX_ARCHITECTURES_CONFIG" フィールドに、スペースで区切られたアーキテクチャのリストを入力
- 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。
- ご自身のプロジェクトに合わせて、適宜コードを変更してください。
CMakeでOSX_ARCHITECTURES_CONFIGを設定する他の方法
CMAKE_OSX_ARCHITECTURES
プロパティは、すべてのターゲット に対して、すべてのビルド構成 で使用されるアーキテクチャを指定します。
例:
set(CMAKE_OSX_ARCHITECTURES x86_64 arm64)
ターゲットの "OSX_ARCHITECTURES" プロパティを使用する
OSX_ARCHITECTURES
プロパティは、特定のターゲット に対して、すべてのビルド構成 で使用されるアーキテクチャを指定します。
例:
add_executable(my_app)
set_target_properties(my_app PROPERTIES OSX_ARCHITECTURES x86_64 arm64)
環境変数を使用する
CMAKE_OSX_ARCHITECTURES
環境変数は、すべてのターゲット に対して、すべてのビルド構成 で使用されるアーキテクチャを指定します。
例:
export CMAKE_OSX_ARCHITECTURES=x86_64 arm64
CMakeLists.txt ファイル内で直接アーキテクチャを指定する
add_executable
コマンドの ARCH
オプションを使用して、ターゲット毎にアーキテクチャを直接指定することができます。
例:
add_executable(my_app_x86_64 ARCH x86_64)
add_executable(my_app_arm64 ARCH arm64)
比較
方法 | 適用範囲 | 優先順位 | 詳細 |
---|---|---|---|
CMAKE_OSX_ARCHITECTURES | すべてのターゲット | 最低 | すべてのターゲットと構成に適用される |
OSX_ARCHITECTURES | 特定のターゲット | 中 | 指定されたターゲットのすべての構成に適用される |
CMAKE_OSX_ARCHITECTURES 環境変数 | すべてのターゲット | 高 | CMAKE_OSX_ARCHITECTURES プロパティよりも優先される |
直接指定 | 特定のターゲット | 最高 | OSX_ARCHITECTURES プロパティよりも優先される |
補足
- 上記の方法のどれを選択しても、同じ結果を得ることができます。
- ご自身のプロジェクトに合わせて、最適な方法を選択してください。
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