FindDoxygen 以外の Doxygen の使い道
CMake Modules の FindDoxygen プログラミング解説
概要
FindDoxygen は、以下の情報を提供します。
- Doxygen の実行可能ファイルのパス
- Doxygen ヘッダーファイルのパス
- Doxygen 設定ファイルのパス
これらの情報は、CMake の他のモジュールやプロジェクトのビルド設定で使用できます。
使用方法
FindDoxygen を使用するには、CMakeLists.txt ファイルで以下のコマンドを実行します。
find_package(Doxygen)
FindDoxygen は、以下の変数を設定します。
- DOXYGEN_FOUND: Doxygen が見つかったかどうかを示すブール値
- DOXYGEN_EXECUTABLE: Doxygen 実行可能ファイルのパス
- DOXYGEN_INCLUDE_DIR: Doxygen ヘッダーファイルのパス
- DOXYGEN_CONFIG_DIR: Doxygen 設定ファイルのパス
これらの変数は、以下の例のように使用できます。
if(DOXYGEN_FOUND)
add_custom_target(docs
COMMAND ${DOXYGEN_EXECUTABLE}
-o docs
${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/Doxyfile
)
endif()
FindDoxygen の詳細については、以下のリソースを参照してください。
補足
- FindDoxygen は、デフォルトで Doxygen のバージョン 1.8.13 を探します。異なるバージョンを使用している場合は、
DOXYGEN_VERSION
変数を設定する必要があります。 - FindDoxygen は、いくつかのオプションを提供しています。詳細は、CMake ドキュメントを参照してください。
例
以下の例は、FindDoxygen を使用して Doxygen ドキュメントを生成する方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(MyProject)
find_package(Doxygen)
if(DOXYGEN_FOUND)
add_custom_target(docs
COMMAND ${DOXYGEN_EXECUTABLE}
-o docs
${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/Doxyfile
)
endif()
この例では、Doxygen
モジュールを検索し、DOXYGEN_FOUND
変数が設定されているかどうかを確認します。DOXYGEN_FOUND
が true の場合、docs
という名前のカスタムターゲットを作成します。このターゲットは、Doxygen 実行可能ファイルを実行して、Doxyfile
で指定されたドキュメントを生成します。
FindDoxygen は、CMake プロジェクトで Doxygen を簡単に使用するための便利なモジュールです。このモジュールを使用することで、Doxygen のインストール場所を自動的に検出し、ドキュメントを生成することができます。
FindDoxygen のサンプルコード
基本的な例
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(MyProject)
find_package(Doxygen)
if(DOXYGEN_FOUND)
add_custom_target(docs
COMMAND ${DOXYGEN_EXECUTABLE}
-o docs
${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/Doxyfile
)
endif()
Doxygen バージョンの指定
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(MyProject)
set(DOXYGEN_VERSION 1.9.2)
find_package(Doxygen)
if(DOXYGEN_FOUND)
add_custom_target(docs
COMMAND ${DOXYGEN_EXECUTABLE}
-o docs
${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/Doxyfile
)
endif()
この例では、DOXYGEN_VERSION
変数を設定して、Doxygen のバージョン 1.9.2 を検索します。
Doxygen オプションの指定
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(MyProject)
find_package(Doxygen)
if(DOXYGEN_FOUND)
add_custom_target(docs
COMMAND ${DOXYGEN_EXECUTABLE}
-o docs
-D DOXYGEN_QUIET=YES
${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/Doxyfile
)
endif()
この例では、DOXYGEN_QUIET
オプションを設定して、Doxygen の出力を抑制します。
詳細なサンプル
以下のサンプルコードは、FindDoxygen を使用して Doxygen ドキュメントを生成する方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(MyProject)
# Doxygen バージョンを指定
set(DOXYGEN_VERSION 1.9.2)
# Doxygen オプションを指定
set(DOXYGEN_WARN_IF_UNDOCUMENTED=YES)
set(DOXYGEN_JAVADOC_AUTOBRIEF=NO)
# Doxygen のインストール場所を指定
set(DOXYGEN_DIR /usr/local/bin)
# Doxygen モジュールを検索
find_package(Doxygen)
if(DOXYGEN_FOUND)
# Doxygen ドキュメントを生成するカスタムターゲットを作成
add_custom_target(docs
COMMAND ${DOXYGEN_EXECUTABLE}
-o docs
-D DOXYGEN_QUIET=YES
${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/Doxyfile
)
else()
message(STATUS "Doxygen が見つかりません。")
endif()
このサンプルコードでは、以下の設定を行っています。
- Doxygen バージョンを 1.9.2 に指定
- Doxygen オプションを設定
- Doxygen のインストール場所を指定
これらの設定は、find_package(Doxygen)
コマンドの前に設定する必要があります。
FindDoxygen は、CMake プロジェクトで Doxygen を簡単に使用するための便利なモジュールです。このモジュールを使用することで、Doxygen のインストール場所を自動的に検出し、ドキュメントを生成することができます。
上記のサンプルコードを参考に、自分のプロジェクトに FindDoxygen を導入してみてください。
FindDoxygen 以外の Doxygen の使い道
CMake の Doxygen ターゲット
CMake は、Doxygen ドキュメントを生成するためのターゲットをいくつか提供しています。これらのターゲットを使用するには、CMakeLists.txt ファイルで以下のコマンドを実行します。
add_doxygen_target(docs
INPUT_DIR ${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}
OUTPUT_DIR docs
)
このコマンドは、docs
という名前の Doxygen ターゲットを作成します。このターゲットは、CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR
ディレクトリにあるソースファイルから Doxygen ドキュメントを生成し、docs
ディレクトリに出力します。
Doxygen は、コマンドラインツールとして使用することもできます。このツールを使用するには、以下のコマンドを実行します。
doxygen Doxyfile
このコマンドは、Doxyfile
で指定された設定に基づいて Doxygen ドキュメントを生成します。
Doxygen は、GUI ツールとしても使用できます。このツールを使用するには、Doxygen を起動し、プロジェクトの設定を指定します。
その他の方法
上記の以外にも、Doxygen を使用するにはいくつかの方法があります。詳細は、Doxygen の公式ドキュメントを参照してください。
FindDoxygen は、CMake プロジェクトで Doxygen を使用する最も簡単な方法ですが、他にもいくつかの方法があります。自分のプロジェクトに合った方法を選択してください。
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