"add_custom_command" コマンドによるリンカー制御
CMake の "Properties: Targets" における "LANG_LINKER_LAUNCHER" は、言語固有のリンカー起動子を制御するプロパティです。これは、ターゲットの言語に合わせたリンカーコマンドを生成するために使用されます。
設定方法
"LANG_LINKER_LAUNCHER" は、ターゲットのプロパティとして設定できます。以下の例は、C++ ターゲットに対して "LANG_LINKER_LAUNCHER" を設定する方法を示しています。
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c++"
)
上記の設定により、my_target
のリンカーコマンドは、C++ 言語に合わせた形式で生成されます。
利用可能な値
"LANG_LINKER_LAUNCHER" には、以下の値を設定できます。
- "c": C 言語用のリンカー起動子
- "objc": Objective-C 言語用のリンカー起動子
- "fortran": Fortran 言語用のリンカー起動子
詳細設定
"LANG_LINKER_LAUNCHER" は、さらに詳細な設定を行うこともできます。以下の例は、C++ ターゲットに対してリンカー起動子のオプションを設定する方法を示しています。
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c++"
LANG_LINKER_LAUNCHER_FLAGS "-Wl,-rpath,/path/to/library"
)
上記の設定により、my_target
のリンカーコマンドは、-Wl,-rpath,/path/to/library
オプションを付けて生成されます。
注意事項
- "LANG_LINKER_LAUNCHER" は、CMake バージョン 3.14 以降で利用可能です。
- 使用するコンパイラとリンカーによっては、"LANG_LINKER_LAUNCHER" で設定可能な値やオプションが異なる場合があります。
補足
- 上記の解説は、基本的な内容のみを説明しています。詳細については、CMake のドキュメントを参照してください。
- "LANG_LINKER_LAUNCHER" は、高度な設定であり、必要に応じてのみ使用する必要があります。
"LANG_LINKER_LAUNCHER" に関する質問があれば、お気軽にコメントしてください。
CMake の "LANG_LINKER_LAUNCHER" サンプルコード
C++ ターゲット
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c++"
)
C ターゲット
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c"
)
Objective-C ターゲット
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "objc"
)
Objective-C++ ターゲット
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "objcpp"
)
Fortran ターゲット
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "fortran"
)
詳細設定
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c++"
LANG_LINKER_LAUNCHER_FLAGS "-Wl,-rpath,/path/to/library"
)
リンカーオプションの追加
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c++"
LINK_FLAGS "-Wl,-rpath,/path/to/library"
)
複数のコンパイラ/リンカーの使用
if(CMAKE_COMPILER_IS_GNUCC)
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c++"
LINK_FLAGS "-Wl,-rpath,/path/to/library"
)
else()
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LANG_LINKER_LAUNCHER "c++"
LINK_FLAGS "-Wl,--rpath,/path/to/library"
)
endif()
注意事項
- 上記のサンプルコードは、基本的な例のみです。
- 使用するコンパイラとリンカーによっては、設定方法やオプションが異なる場合があります。
CMake でリンカー起動子を制御するその他の方法
ターゲットの "LINK_FLAGS" プロパティを使用する
"LINK_FLAGS" プロパティは、ターゲットのリンカーコマンドに直接オプションを追加するために使用できます。以下の例は、C++ ターゲットに対してリンカーオプションを追加する方法を示しています。
set_target_properties(my_target PROPERTIES
LINK_FLAGS "-Wl,-rpath,/path/to/library"
)
"add_custom_command" コマンドは、ターゲットのビルドプロセスにカスタムコマンドを追加するために使用できます。以下の例は、リンカー起動子をカスタムコマンドで置き換える方法を示しています。
add_custom_command(TARGET my_target
POST_BUILD
COMMAND ${CMAKE_CXX_COMPILER} -o ${TARGET_FILE} ${TARGET_LINKER_FLAGS} ${TARGET_OBJECTS}
)
外部スクリプトを使用して、リンカー起動子を制御することもできます。以下の例は、Python スクリプトを使用してリンカー起動子を制御する方法を示しています。
set(CMAKE_LINKER_SCRIPT "${CMAKE_SOURCE_DIR}/link.py")
add_custom_command(TARGET my_target
POST_BUILD
COMMAND ${CMAKE_LINKER_SCRIPT} ${TARGET_FILE} ${TARGET_LINKER_FLAGS} ${TARGET_OBJECTS}
)
- "LANG_LINKER_LAUNCHER" は、最も簡単で汎用的な方法です。
- "LINK_FLAGS" プロパティは、シンプルなオプションを追加する場合に便利です。
- "add_custom_command" コマンドは、より複雑な制御が必要な場合に便利です。
- 外部スクリプトは、高度なカスタマイズが必要な場合に便利です。
注意事項
- 上記の方法を使用する場合は、CMake のドキュメントをよく読んでください。
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