Visual Studio 2010でCMakeプロジェクトをビルド:簡単ガイド
CMakeにおけるMSVC10関連の変数
CMakeは、クロスプラットフォームなC++プロジェクトのビルドシステムを構築するためのツールです。MSVC10は、Microsoft Visual Studio 2010を指します。
MSVC10関連の変数
CMakeには、MSVC10をターゲットとするプロジェクトで使用できるいくつかの変数が用意されています。これらの変数は、コンパイラやリンカーのオプション、ビルドディレクトリなどを設定するために使用できます。
代表的な変数
- CMAKE_GENERATOR:ビルドシステムのジェネレータを指定します。MSVC10の場合は、"Visual Studio 10"を指定します。
- CMAKE_CXX_COMPILER:C++コンパイラのパスを指定します。
- CMAKE_LINKER:リンカーのパスを指定します。
- CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY:実行ファイルの出力ディレクトリを指定します。
- CMAKE_LIBRARY_OUTPUT_DIRECTORY:ライブラリの出力ディレクトリを指定します。
変数の設定方法
これらの変数は、CMakeLists.txtファイルで設定することができます。
# CMakeのバージョンを指定
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
# MSVC10をターゲットとするジェネレータを指定
set(CMAKE_GENERATOR "Visual Studio 10")
# C++コンパイラのパスを指定
set(CMAKE_CXX_COMPILER "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\VC\bin\cl.exe")
# Cコンパイラのパスを指定
set(CMAKE_C_COMPILER "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\VC\bin\cl.exe")
# リソースコンパイラのパスを指定
set(CMAKE_RC_COMPILER "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\VC\bin\rc.exe")
# リンカーのパスを指定
set(CMAKE_LINKER "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\VC\bin\link.exe")
# 実行ファイルの出力ディレクトリを指定
set(CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY "${CMAKE_BINARY_DIR}/bin")
# ライブラリの出力ディレクトリを指定
set(CMAKE_LIBRARY_OUTPUT_DIRECTORY "${CMAKE_BINARY_DIR}/lib")
# プロジェクトのソースファイルを指定
add_executable(myproject src/main.cpp)
MSVC10関連の変数については、CMakeの公式ドキュメントで詳細を確認することができます。
補足
- 上記の例は、あくまでも基本的な設定例です。
- プロジェクトの構成や環境によって、必要な変数は異なります。
- 詳細については、CMakeの公式ドキュメントやその他の情報源を参照してください。
CMakeのMSVC10関連変数を使ったサンプルコード
# CMakeのバージョンを指定
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
# MSVC10をターゲットとするジェネレータを指定
set(CMAKE_GENERATOR "Visual Studio 10")
# プロジェクトのソースファイルを指定
add_executable(helloworld src/main.cpp)
# ターゲットの設定
target_compile_options(helloworld PUBLIC /Wall)
# 実行ファイルの出力ディレクトリを指定
set(CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY "${CMAKE_BINARY_DIR}/bin")
# プロジェクトのビルド
build()
ライブラリの使用
# CMakeのバージョンを指定
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
# MSVC10をターゲットとするジェネレータを指定
set(CMAKE_GENERATOR "Visual Studio 10")
# ライブラリの作成
add_library(mylib src/mylib.cpp)
# ターゲットの設定
target_compile_options(mylib PUBLIC /Wall)
# 実行ファイルの出力ディレクトリを指定
set(CMAKE_LIBRARY_OUTPUT_DIRECTORY "${CMAKE_BINARY_DIR}/lib")
# 実行ファイルの作成
add_executable(myproject src/main.cpp)
# ライブラリのリンク
target_link_libraries(myproject PRIVATE mylib)
# プロジェクトのビルド
build()
GUIアプリケーション
# CMakeのバージョンを指定
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
# MSVC10をターゲットとするジェネレータを指定
set(CMAKE_GENERATOR "Visual Studio 10")
# GUIアプリケーションの作成
add_executable(myapp src/main.cpp src/mywindow.cpp)
# リソースファイルの指定
set(CMAKE_RESOURCE_FILES "${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/myresource.rc")
# ターゲットの設定
target_compile_options(myapp PUBLIC /Wall)
# 実行ファイルの出力ディレクトリを指定
set(CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY "${CMAKE_BINARY_DIR}/bin")
# プロジェクトのビルド
build()
テスト
# CMakeのバージョンを指定
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
# MSVC10をターゲットとするジェネレータを指定
set(CMAKE_GENERATOR "Visual Studio 10")
# テストコードの追加
add_test(mytest src/mytest.cpp)
# テストフレームワークの指定
set(CMAKE_TEST_FRAMEWORK "GoogleTest")
# テストの実行
ctest()
その他
- CMakeには、上記以外にも様々な機能があります。
CMakeでMSVC10をターゲットとするプロジェクトをビルドする他の方法
Visual Studio 2010を使う
手順
- Visual Studio 2010を開きます。
- ファイル > 新規 > プロジェクトを選択します。
- テンプレート > Visual C++ > Win32 > 空のプロジェクトを選択します。
- プロジェクト名と保存場所を入力します。
- ソリューション > 構成マネージャーを選択します。
- ソリューション構成を Release に変更します。
- プラットフォームを Win32 に変更します。
- ターゲット > プロパティを選択します。
- 構成プロパティ > 全般 > ターゲット プラットフォームを Windows Vista (x86) に変更します。
- 構成プロパティ > C/C++ > コンパイラ > コード生成 > ランタイム ライブラリを マルチスレッド DLL (/MD) に変更します。
- 構成プロパティ > リンカー > システム > サブシステムを コンソール (/SUBSYSTEM:CONSOLE) に変更します。
- ソースファイルとヘッダーファイルをプロジェクトに追加します。
- プロジェクトをビルドします。
NMakeを使って、コマンドラインからプロジェクトをビルドすることができます。
手順
- Visual Studio 2010 Command Promptを開きます。
- プロジェクトのソースファイルがあるディレクトリに移動します。
- 以下のコマンドを実行します。
nmake /f CMakeLists.txt
オプション
/f
オプションで、CMakeLists.txtファイルの場所を指定することができます。/build
オプションで、ビルドディレクトリを指定することができます。/clean
オプションで、ビルドファイルを削除することができます。
その他のツールを使う
CMake以外にも、MSVC10をターゲットとするプロジェクトをビルドするために使えるツールがあります。
これらのツールは、CMakeよりも使いやすく、より多くの機能を提供している場合があります。
CMakeでMSVC10をターゲットとするプロジェクトをビルドするには、いくつかの方法があります。自分に合った方法を選択してください。
CMake: find_library()とtarget_link_directories()の連携
target_link_directories()コマンドは、CMakeプロジェクト内のターゲットに対して、リンカがライブラリを検索するディレクトリを指定するために使用されます。これは、ターゲットがリンクするライブラリが標準の検索パスに存在しない場合に特に重要です。
プログラミング初心者でもわかる!CMake の "set_directory_properties()" コマンドの使い方
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CMakeのCommandsにおけるuse_mangled_mesa()
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CMake で変数を削除する3つの方法:unset() 以外にも使えるテクニック
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CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT は、CMake の "Variables" における変数のひとつです。これは、Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化する際に使用されます。詳細CMake バージョン 3.7 で導入されました。
コードブロック内でのHTMLタグ使用
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バージョン: 3.6で導入目的: try_compileコマンドで生成されるテストプロジェクトに、プラットフォーム固有の変数を伝達する設定方法: CMakeのプラットフォーム情報モジュールによって設定される ツールチェーンファイルでCMAKE_TOOLCHAIN_FILEと併用して設定可能