最適化された Release ビルドを実現: CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT の活用

2024-04-02

CMakeにおける CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT 変数

CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT は、CMake の "Variables" における変数のひとつです。これは、Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化する際に使用されます。

詳細

  • CMake バージョン 3.7 で導入されました。
  • <LANG> は、C、C++、Fortran などの言語を表します。
  • 以下の CMakeLists.txt ファイル内で設定できます。
    • プロジェクトのルートディレクトリ
    • ツールチェーンファイル
  • デフォルト値は空です。
  • CMake は、環境やターゲットプラットフォームに基づいて、この値に内容を追加したり、前後に内容を挿入したりすることがあります。

設定例

# プロジェクトのルートディレクトリでの設定
set(CMAKE_C_FLAGS_RELEASE_INIT "-O3 -Wall")

# ツールチェーンファイルでの設定
set(CMAKE_CXX_FLAGS_RELEASE_INIT "-std=c++17 -march=native")

関連変数

  • CMAKE_LANG_FLAGS_<CONFIG>_INIT
    • <CONFIG> は、Debug、Release などのビルド設定を表します。
  • CMAKE_LANG_FLAGS
    • 言語 <LANG> に対するすべてのビルド設定におけるコンパイラフラグを指定します。

補足

  • CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT は、ビルドツリーが初めて構成される際にのみ使用されます。
  • 2回目以降の構成では、CMAKE_LANG_FLAGS の値が使用されます。
  • 特定のターゲットに対してのみコンパイラフラグを設定したい場合は、target_compile_options コマンドを使用できます。

target_compile_options(my_target PUBLIC "-O2 -g")

この例では、my_target ターゲットに対してのみ -O2-g というコンパイラフラグが設定されます。

注意事項

  • CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT を設定する場合は、使用しているコンパイラが対応するフラグであることを確認する必要があります。
  • 設定したフラグが、ビルドエラーや予期しない動作を引き起こす可能性があります。


CMake の CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT 変数を使ったサンプルコード

プロジェクトのルートディレクトリでの設定

# C言語の Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化
set(CMAKE_C_FLAGS_RELEASE_INIT "-O3 -Wall")

# C++言語の Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化
set(CMAKE_CXX_FLAGS_RELEASE_INIT "-std=c++17 -march=native")

# サンプルコード
add_executable(my_program main.c)

# ターゲットに対して追加のコンパイラフラグを設定
target_compile_options(my_program PUBLIC "-DDEBUG")
  • このコードは、プロジェクトのルートディレクトリに記述します。
  • CMAKE_C_FLAGS_RELEASE_INITCMAKE_CXX_FLAGS_RELEASE_INIT を使用して、C言語とC++言語の Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化しています。
  • add_executable コマンドを使用して、my_program という名前の実行ファイルを作成します。
  • target_compile_options コマンドを使用して、my_program ターゲットに対して -DDEBUG というコンパイラフラグを追加しています。

ツールチェーンファイルでの設定

# ツールチェーンファイル

# C言語の Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化
set(CMAKE_C_FLAGS_RELEASE_INIT "-O3 -Wall")

# C++言語の Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化
set(CMAKE_CXX_FLAGS_RELEASE_INIT "-std=c++17 -march=native")

# サンプルコード
add_executable(my_program main.c)

解説

  • このコードは、ツールチェーンファイルに記述します。
  • ツールチェーンファイルは、特定のコンパイラやプラットフォーム向けのビルド設定を定義するために使用されます。
  • この例では、C言語とC++言語の Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを初期化しています。

補足

  • 上記のコードはあくまでもサンプルです。
  • 実際のコードは、プロジェクトの要件に合わせて変更する必要があります。


CMake で Release ビルド設定におけるコンパイラフラグを設定する他の方法

CMAKE_LANG_FLAGS_RELEASE_INIT 変数を使用する代わりに、CMAKE_C_FLAGSCMAKE_CXX_FLAGS 変数を使用して、すべてのビルド設定におけるコンパイラフラグを指定できます。

# C言語のすべてのビルド設定におけるコンパイラフラグを指定
set(CMAKE_C_FLAGS "-O3 -Wall")

# C++言語のすべてのビルド設定におけるコンパイラフラグを指定
set(CMAKE_CXX_FLAGS "-std=c++17 -march=native")

# サンプルコード
add_executable(my_program main.c)

target_compile_options コマンドを使用

特定のターゲットに対してのみコンパイラフラグを設定したい場合は、target_compile_options コマンドを使用できます。

# サンプルコード
add_executable(my_program main.c)

# my_program ターゲットに対してのみコンパイラフラグを設定
target_compile_options(my_program PUBLIC "-O2 -g")

キャッシュ変数を使用して、ビルド設定ごとに異なるコンパイラフラグを設定できます。

# キャッシュ変数を定義
set(CMAKE_CACHE_VARIABLE_BOOL CMAKE_RELEASE_BUILD_TYPE TRUE)

# Release ビルド設定の場合のみコンパイラフラグを設定
if(CMAKE_RELEASE_BUILD_TYPE)
  set(CMAKE_C_FLAGS "-O3 -Wall")
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "-std=c++17 -march=native")
endif()

# サンプルコード
add_executable(my_program main.c)

環境変数を使用して、コンパイラフラグを設定できます。

# 環境変数を設定
set(CC=clang)
set(CXX=clang++)

# サンプルコード
add_executable(my_program main.c)

コマンドラインオプションを使用して、コンパイラフラグを設定できます。

cmake -DCMAKE_C_FLAGS="-O3 -Wall" -DCMAKE_CXX_FLAGS="-std=c++17 -march=native" ..

注意事項

  • 上記の方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。
  • どの方法を使用するかは、プロジェクトの要件に合わせて選択する必要があります。



【初心者向け】CMakeでテストを実行する3つのステップ: ctest_test() コマンドから始める

引数:<test_name>: 実行するテストの名前。ワイルドカードを使用して、名前パターンに一致する複数のテストを選択できます。[OPTIONAL arguments]: テストの実行方法を制御するオプション引数。ctest_test()コマンドには、テストの実行方法を細かく制御するための様々なオプション引数が用意されています。以下に、よく使用されるオプション引数をいくつか紹介します。



CMakeコマンド「ctest_submit()」でテスト結果をCDashサーバーに送信

ctest_submit()は、CMakeの「Commands」カテゴリに属するコマンドで、テスト結果をCDashなどのダッシュボードサーバーに送信するために使用されます。テスト実行後の結果を可視化、共有したい場合に役立ちます。基本構文オプション解説


CMake try_compile() を使って特定のライブラリがインストールされているかどうかを確認する方法

try_compile() は、CMake の強力なコマンドの一つで、コードを実際にコンパイルすることなく、コンパイルが成功するかどうかを確認することができます。これは、特定のコンパイラやオプションがシステム上で使用可能かどうかをテストしたり、コードの移植性を検証したりする際に非常に便利です。


CMake find_libraryコマンドとfind_packageモジュールの比較

find_library() コマンドは、CMake で外部ライブラリを見つけるために使用されます。これは、プロジェクトに必要なライブラリを自動的に検出して、ビルドプロセスを簡略化するのに役立ちます。コマンドフォーマット<VAR>: 検索結果を格納する変数名


C++標準ライブラリ、テンプレートエンジン、シェルスクリプト... string()コマンドの代替方法を徹底比較

CMakeのstring()コマンドは、文字列処理を行うための強力なツールです。C++のstd::stringのような機能に加え、CMake特有の便利な機能も備えています。主な機能文字列の連結、分割、置換、比較大文字・小文字変換部分文字列の抽出



サブディレクトリ、custom_command、ExternalProject:USE_FOLDERSプロパティの代替手段

USE_FOLDERS プロパティは、CMakeLists. txt ファイル内で以下の方法で設定できます。上記のように ON に設定すると、CMake はソースファイルとヘッダーファイルをフォルダ階層に基づいてグループ化します。デフォルトでは OFF に設定されており、フォルダ階層は考慮されません。


CMakeにおける CMAKE_MATCH_COUNT 変数の詳細解説

CMAKE_MATCH_COUNTは、CMakeのVariablesにおいて、正規表現マッチングの成功回数を格納する変数です。string(REGEX)やlist(FILTER)などのコマンドで正規表現を用いた処理を行った際に、マッチングした要素の数を取得できます。


CMakeでCURLライブラリを使う:サンプルコード付き解説

CMake は、クロスプラットフォームのビルドシステムであり、プロジェクトのビルドプロセスを自動化するために使用されます。 FindCURL モジュールは、CMake の一部であり、CURL ライブラリを CMake プロジェクトで使用できるようにします。 このモジュールは、CURL ライブラリのヘッダーファイルとライブラリファイルの場所を自動的に検出して設定します。


CMake ポリシー CMP0060 とは?

CMake ポリシー CMP0060 は、CMake 3.3 で導入されたポリシーで、ライブラリのリンク方法に影響を与えます。このポリシーは、デフォルトで OLD 動作に設定されていますが、NEW 動作に変更することもできます。OLD 動作と NEW 動作の違い


CMAKE_TRY_COMPILE_NO_PLATFORM_VARIABLES の詳細解説

以下の例は、CMAKE_TRY_COMPILE_NO_PLATFORM_VARIABLES を使用して、コンパイル時に CMAKE_CXX_FLAGS 変数を無視する方法を示しています。この例では、CMAKE_CXX_FLAGS 変数は -Wall -Wextra に設定されていますが、CMAKE_TRY_COMPILE_NO_PLATFORM_VARIABLES 変数が TRUE に設定されているため、これらのフラグはコンパイル時に無視されます。