CMake で C++/CLI プログラミング: .NET Framework バージョン設定のベストプラクティス

2024-04-02

CMake の "VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティ

"VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティは、CMake で C++/CLI プロジェクトをビルドする際に、ターゲットとなる .NET Framework のバージョンを指定するために使用されます。これは、Visual Studio ソリューション (.sln) ファイルとプロジェクト (.vcxproj) ファイルの生成に影響を与えます。

設定方法

このプロパティは、ターゲット プロパティの "Properties: Targets" セクションで設定できます。以下の例は、ターゲット "MyProject" の .NET Framework バージョンを "v4.5" に設定する方法を示しています。

target_property(MyProject PROPERTIES VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.5")

使用例

このプロパティは、さまざまな状況で使用できます。以下は、いくつかの例です。

  • 特定のバージョンの .NET Framework に依存する C++/CLI ライブラリをビルドする場合
  • .NET Framework の異なるバージョンをターゲットとする複数の C++/CLI プロジェクトを同じソリューションに含める場合

注意点

  • このプロパティは、C++/CLI プロジェクトでのみ使用できます。
  • CMake 3.26 以降では、DOTNET_TARGET_FRAMEWORK または DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION プロパティを使用することを推奨します。これらのプロパティは、より汎用性があり、将来のバージョンの CMake でより良いサポートを提供します。

補足

  • .NET Framework のバージョン番号は、メジャーバージョンとマイナーバージョンで構成されます。例: "v4.5" は .NET Framework 4.5 を指します。


CMake の "VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティを使用したサンプルコード

例 1: .NET Framework 4.5 をターゲットとする C++/CLI プロジェクト

cmake_minimum_required(VERSION 3.26)

project(MyProject)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)

target_property(MyProject PROPERTIES
  VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.5"
)

add_executable(MyProject
  main.cpp
)

例 2: 異なる .NET Framework バージョンをターゲットとする 2 つの C++/CLI プロジェクト

cmake_minimum_required(VERSION 3.26)

project(MySolution)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)

add_subdirectory(MyProject1)
add_subdirectory(MyProject2)

# MyProject1 を .NET Framework 4.5 に設定

target_property(MyProject1 PROPERTIES
  VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.5"
)

# MyProject2 を .NET Framework 4.7.2 に設定

target_property(MyProject2 PROPERTIES
  VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.7.2"
)

例 3: .NET Framework 4.6 をターゲットとする C++/CLI プロジェクトと .NET Core 3.1 をターゲットとする C++ プロジェクト

cmake_minimum_required(VERSION 3.16)

project(MySolution)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)

add_subdirectory(MyProject1)
add_subdirectory(MyProject2)

# MyProject1 を .NET Framework 4.6 に設定

target_property(MyProject1 PROPERTIES
  VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION "v4.6"
)

# MyProject2 を .NET Core 3.1 に設定

target_property(MyProject2 PROPERTIES
  DOTNET_TARGET_FRAMEWORK "netcoreapp3.1"
)

これらのサンプルコードは、さまざまな .NET Framework バージョンとプロジェクト構成をターゲットとする CMake プロジェクトを構築するための出発点として使用できます。



"VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" プロパティを設定するその他の方法

CMakeLists.txt ファイル

  • 上記のサンプルコードのように、target_property() コマンドを使用して、ターゲット プロパティの "Properties: Targets" セクションで設定できます。

Visual Studio ソリューション エクスプローラー

  • Visual Studio でプロジェクトを開き、ソリューション エクスプローラーでプロジェクトを右クリックします。
  • "プロパティ" を選択し、"構成プロパティ" > "全般" > ".NET Framework バージョン" ページに移動します。
  • ドロップダウン リストからターゲット .NET Framework バージョンを選択します。

コマンド プロンプト

  • 以下のコマンドを使用して、msbuild コマンドライン ツールからプロパティを設定できます。
msbuild /p:VS_DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION="v4.5" MyProject.sln

Visual Studio プロパティ シート

  • Visual Studio でプロジェクトを開き、"プロパティ マネージャー" を開きます。
  • "構成プロパティ" > "全般" > ".NET Framework バージョン" プロパティを見つけます。
  • プロパティ シートを選択して、特定の構成に異なる .NET Framework バージョンを設定できます。

どの方法を使用するかは、プロジェクトのワークフローと要件によって異なります。

その他の方法

  • CMake の "add_custom_command()" コマンドを使用して、カスタム ビルド ステップを定義し、その中で .NET Framework バージョンを設定できます。
  • CMake の "set()" コマンドを使用して、環境変数 "DOTNET_TARGET_FRAMEWORK_VERSION" を設定し、その値をプロジェクトで使用できます。

これらの方法は、より高度なワークフローに適しています。

注意

  • 設定方法は、CMake のバージョンと Visual Studio のバージョンによって異なる場合があります。
  • 詳細については、CMake の公式ドキュメントと Visual Studio のドキュメントを参照してください。



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