マルチスレッド環境やCUDAデバイスでも使える!PyTorchのGeneratorの活用方法
PyTorchのTorchにおけるtorch.Generatorとは?
従来の乱数生成との違い
従来のランダムな値の生成方法は、torch.rand()
や torch.randn()
のような関数を使用していました。これらの関数は、デフォルトの乱数生成器を使用してランダムな値を生成します。
一方、torch.Generator を使用すると、独自の乱数生成器を作成し、その乱数生成器を使用してランダムな値を生成することができます。
torch.Generator の主な機能
- 乱数生成器の状態を管理
- 異なる乱数生成器を並行して使用
- 乱数生成器のシードを設定
torch.Generator の使用方法
Generator の作成
generator = torch.Generator()
Generator を使用したTensor の初期化
tensor = torch.randn(10, generator=generator)
Generator を使用した乱数生成
random_number = torch.rand(generator=generator)
Generator のシード設定
generator.manual_seed(1234)
torch.Generator の利点
- 再現性のあるランダムな値の生成
- 異なるランダムな値の生成を並行して実行
- 乱数生成の制御
torch.Generator の注意点
- Generator は、CUDA デバイス上でも使用できます。
- Generator は、マルチスレッド環境でも使用できます。
- PyTorch には、
torch.manual_seed()
やtorch.seed()
などの乱数生成に関する他の関数も用意されています。 torch.Generator
は、より高度なランダムな値の生成が必要な場合に役立ちます。
関連用語
- PyTorch
- Tensor
- 乱数生成
- 再現性
- マルチスレッド
補足
- 上記の説明は、PyTorch 1.9.0 を基にしています。
- 本解説は、あくまでも概要説明です。詳細は、上記の参考資料を参照してください。
torch.Generator を使用したサンプルコード
Tensor の初期化
# ランダムな値で10個の要素を持つTensorを作成
tensor1 = torch.randn(10)
# Generator を作成
generator = torch.Generator()
# Generator を使用して、同じランダムな値で10個の要素を持つTensorを作成
tensor2 = torch.randn(10, generator=generator)
# Tensor1とTensor2の内容を比較
print(tensor1)
print(tensor2)
乱数生成
# ランダムな数を生成
random_number1 = torch.rand()
# Generator を作成
generator = torch.Generator()
# Generator を使用して、別のランダムな数を生成
random_number2 = torch.rand(generator=generator)
# ランダムな数を比較
print(random_number1)
print(random_number2)
Generator のシード設定
# Generator を作成
generator = torch.Generator()
# Generator のシードを設定
generator.manual_seed(1234)
# 同じシードを使用して、2つのランダムな数を生成
random_number1 = torch.rand(generator=generator)
random_number2 = torch.rand(generator=generator)
# ランダムな数を比較
print(random_number1)
print(random_number2)
マルチスレッド環境での使用
import threading
def worker(generator):
# Generator を使用して、ランダムな数を生成
random_number = torch.rand(generator=generator)
# ランダムな数を表示
print(random_number)
# Generator を作成
generator = torch.Generator()
# 2つのスレッドを作成
thread1 = threading.Thread(target=worker, args=(generator,))
thread2 = threading.Thread(target=worker, args=(generator,))
# 2つのスレッドを開始
thread1.start()
thread2.start()
# 2つのスレッドが終了するまで待機
thread1.join()
thread2.join()
CUDA デバイス上での使用
# CUDA デバイスを取得
device = torch.device("cuda")
# CUDA デバイス上
PyTorchでランダムな値を生成する方法
torch.rand() と torch.randn()
# 一様分布に従うランダムな値を生成
tensor1 = torch.rand(10)
# 正規分布に従うランダムな値を生成
tensor2 = torch.randn(10)
# 結果を表示
print(tensor1)
print(tensor2)
torch.manual_seed()
# 乱数シードを設定
torch.manual_seed(1234)
# ランダムな値を生成
tensor1 = torch.rand(10)
# 再度同じシードを設定
torch.manual_seed(1234)
# ランダムな値を生成
tensor2 = torch.rand(10)
# 結果を表示
print(tensor1)
print(tensor2)
torch.distributions
from torch.distributions import normal
# 正規分布からランダムな値を生成
distribution = normal.Normal(mean=0, stddev=1)
tensor = distribution.sample((10,))
# 結果を表示
print(tensor)
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