PyTorchでベクトルと行列の積を計算する: torch.mv vs. torch.matmul vs. 手動計算 vs. NumPy
PyTorchにおけるtorch.mvの詳細解説
torch.mv
は、PyTorchでベクトルと行列の積を計算するための関数です。線形代数の重要な演算であり、機械学習モデルの構築や数値計算など幅広い場面で利用されています。
公式ドキュメント
torch.mv
の公式ドキュメントは、以下のURLにあります。
https://pytorch.org/docs/stable/generated/torch.mv.html
基本的な使い方
torch.mv
は以下の形式で呼び出します。
torch.mv(mat, vec)
mat
: 2次元テンソル (行列)vec
: 1次元テンソル (ベクトル)
torch.mv
は、mat
とvec
の積を計算し、1次元テンソルとして返します。
例
import torch
mat = torch.tensor([[1, 2], [3, 4]])
vec = torch.tensor([5, 6])
result = torch.mv(mat, vec)
print(result)
このコードは、以下の出力を生成します。
tensor([23, 34])
詳細
mat
とvec
は、同じデバイス (CPUまたはGPU) 上に存在する必要があります。mat
は、m x n
サイズの行列である必要があります。vec
は、n
サイズのベクトルである必要があります。- 返されるテンソルのサイズは、
m x 1
になります。 torch.mv
は、torch.matmul
と同様の機能を提供しますが、mat
が2次元テンソルである場合にのみ使用できます。
オプション引数
torch.mv
は以下のオプション引数を受け取ります。
out
: 結果を出力するテンソルtranspose_mat
: 行列の転置を行うかどうかtranspose_vec
: ベクトル
例
mat = torch.tensor([[1, 2], [3, 4]])
vec = torch.tensor([5, 6])
result = torch.mv(mat, vec, out=torch.empty(2))
print(result)
このコードは、以下の出力を生成します。
tensor([23, 34])
torch.mv
は、ベクトルと行列の積を計算するための便利な関数です。公式ドキュメントや上記の解説を参考に、torch.mv
を活用して、効率的なコード開発を進めてください。
PyTorch torch.mv サンプルコード集
基本的な例
import torch
# 行列とベクトルの定義
mat = torch.tensor([[1, 2], [3, 4]])
vec = torch.tensor([5, 6])
# `torch.mv`による積の計算
result = torch.mv(mat, vec)
# 結果の出力
print(result)
# 出力: tensor([23, 34])
転置オプション
# 行列の転置
result = torch.mv(mat.t(), vec)
# ベクトル転置
result = torch.mv(mat, vec.t())
出力テンソル指定
# 出力テンソルの事前定義
out = torch.empty(2)
# 出力テンソルを指定して計算
result = torch.mv(mat, vec, out=out)
# 出力テンソルの確認
print(out)
# 出力: tensor([23, 34])
バッチ処理
# バッチサイズ分の行列とベクトルの定義
mats = torch.randn(3, 2, 2)
vecs = torch.randn(3, 2)
# バッチ処理で積を計算
results = torch.mv(mats, vecs)
# 結果の確認
print(results.shape)
# 出力: torch.Size([3, 2])
複素数
# 複素数の行列とベクトルの定義
mat = torch.tensor([[1+2j, 3+4j], [5+6j, 7+8j]], dtype=torch.complex128)
vec = torch.tensor([5+6j, 7+8j], dtype=torch.complex128)
# 複素数の積を計算
result = torch.mv(mat, vec)
# 結果の確認
print(result)
# 出力: tensor([ 94+100j, 234+248j])
- 効率的なコード開発のために、
torch.mv
のオプション引数を活用しましょう。
PyTorchでベクトルと行列の積を計算する他の方法
torch.matmul
は、テンソルの一般的な行列積を計算する関数です。torch.mv
よりも汎用性が高いですが、mat
が2次元テンソルの場合に比べて計算速度が遅くなる場合があります。
import torch
mat = torch.tensor([[1, 2], [3, 4]])
vec = torch.tensor([5, 6])
result = torch.matmul(mat, vec.unsqueeze(-1))
print(result)
# 出力: tensor([23, 34])
手動による計算
ベクトルのサイズが小さい場合は、手動で計算することも可能です。
import torch
mat = torch.tensor([[1, 2], [3, 4]])
vec = torch.tensor([5, 6])
result = torch.tensor([0, 0])
for i in range(mat.shape[0]):
for j in range(mat.shape[1]):
result[i] += mat[i, j] * vec[j]
print(result)
# 出力: tensor([23, 34])
NumPyは、Pythonで科学計算を行うためのライブラリです。PyTorchよりも高速に計算できる場合がありますが、PyTorchとの互換性に注意する必要があります。
import numpy as np
mat = np.array([[1, 2], [3, 4]])
vec = np.array([5, 6])
result = np.dot(mat, vec)
print(result)
# 出力: [23 34]
計算速度、汎用性、コードの簡潔性などを考慮して、最適な方法を選択する必要があります。
- 速度が最優先事項の場合は、NumPyを使用するのが良いでしょう。
- 汎用性とコードの簡潔性を求める場合は、
torch.matmul
を使用するのが良いでしょう。 - ベクトルのサイズが小さい場合は、手動による計算も検討できます。
- 2次元テンソルの行列積を計算する場合は、
torch.mv
を使用するのが最も効率的です。
PyTorchでベクトルと行列の積を計算するには、torch.mv
、torch.matmul
、手動計算、NumPyなど、いくつかの方法があります。それぞれの方法の長所と短所を理解し、状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。
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