PyTorch Optimization: L-BFGS 以外の方法
PyTorch Optimization: torch.optim.LBFGS.load_state_dict() 解説
torch.optim.LBFGS.load_state_dict()
は、PyTorch の L-BFGS アルゴリズムベースの最適化アルゴリズム torch.optim.LBFGS
で利用できる関数です。この関数は、以前に保存された最適化状態をロードし、訓練済みモデルの微調整や続きからの訓練など様々な用途に活用できます。
詳細解説
torch.optim.LBFGS.load_state_dict()
は、以下の引数を受け取ります。
- state_dict: 以前に保存された最適化状態を格納する辞書型オブジェクト
- strict: True の場合、state_dict に含まれるキーと現在のモデルのパラメータ名が厳密に一致する必要があります。False の場合、一致しないキーは無視されます。
ロード可能な状態
torch.optim.LBFGS.load_state_dict()
は、以下の状態をロードできます。
- func_evals: 現在の評価回数
- n_iter: 現在のイテレーション回数
- state: 各パラメータの状態
コード例
# モデルと最適化アルゴリズムの定義
model = torch.nn.Linear(10, 1)
optimizer = torch.optim.LBFGS(model.parameters(), lr=0.1)
# 訓練
for epoch in range(10):
# ...
# 状態の保存
checkpoint = {'model_state_dict': model.state_dict(),
'optimizer_state_dict': optimizer.state_dict()}
torch.save(checkpoint, 'checkpoint.pth')
# モデルと最適化アルゴリズムの復元
model = torch.nn.Linear(10, 1)
optimizer = torch.optim.LBFGS(model.parameters(), lr=0.1)
# 状態のロード
checkpoint = torch.load('checkpoint.pth')
model.load_state_dict(checkpoint['model_state_dict'])
optimizer.load_state_dict(checkpoint['optimizer_state_dict'])
# 続きからの訓練
for epoch in range(10):
# ...
注意事項
torch.optim.LBFGS.load_state_dict()
は、モデルと最適化アルゴリズムの互換性が重要です。モデルやアルゴリズムに変更を加えた場合、ロードした状態が正しく動作しない可能性があります。strict
オプションは、モデルとパラメータ名の変更を検知するのに役立ちます。
補足
- L-BFGS アルゴリズムは、大規模なデータセットや高次元パラメータ空間での訓練に適しています。
torch.optim.LBFGS.load_state_dict()
は、学習済みモデルの微調整や続きからの訓練だけでなく、異なるデータセットやタスクへのモデルの転移学習にも活用できます。
PyTorch Optimization: torch.optim.LBFGS サンプルコード
import torch
from torch import nn
from torch.utils.data import DataLoader
from torchvision import datasets, transforms
# データセットの読み込み
train_dataset = datasets.MNIST(root='./data', train=True, download=True, transform=transforms.ToTensor())
train_loader = DataLoader(train_dataset, batch_size=64, shuffle=True)
# モデルの定義
model = nn.Sequential(
nn.Flatten(),
nn.Linear(784, 128),
nn.ReLU(),
nn.Linear(128, 10),
nn.LogSoftmax(dim=1)
)
# 損失関数の定義
criterion = nn.CrossEntropyLoss()
# 最適化アルゴリズムの定義
optimizer = torch.optim.LBFGS(model.parameters(), lr=0.1)
# 訓練
for epoch in range(10):
for images, labels in train_loader:
# 順伝播
outputs = model(images)
# 損失計算
loss = criterion(outputs, labels)
# 逆伝播
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
# パラメータ更新
optimizer.step()
# モデルの評価
# ...
学習済みモデルの微調整
# 学習済みモデルの読み込み
checkpoint = torch.load('checkpoint.pth')
model.load_state_dict(checkpoint['model_state_dict'])
# 微調整用の最適化アルゴリズムの定義
optimizer = torch.optim.LBFGS(model.parameters(), lr=0.01)
# 微調整
for epoch in range(5):
for images, labels in train_loader:
# ...
# パラメータ更新
optimizer.step()
# モデルの評価
# ...
続きからの訓練
# チェックポイントの読み込み
checkpoint = torch.load('checkpoint.pth')
# モデルと最適化アルゴリズムの復元
model.load_state_dict(checkpoint['model_state_dict'])
optimizer = torch.optim.LBFGS(model.parameters(), lr=0.1)
optimizer.load_state_dict(checkpoint['optimizer_state_dict'])
# 続きからの訓練
for epoch in range(10):
for images, labels in train_loader:
# ...
# パラメータ更新
optimizer.step()
# モデルの評価
# ...
転移学習
# 転移学習用のデータセット
# ...
# 転移学習用のモデルの定義
# ...
# 転移学習用の最適化アルゴリズムの定義
optimizer = torch.optim.LBFGS(model.parameters(), lr=0.1)
# 転移学習
for epoch in range(10):
for images, labels in transfer_loader:
# ...
# パラメータ更新
optimizer.step()
# モデルの評価
# ...
PyTorch Optimization: L-BFGS 以外の方法
確率的勾配降下法 (SGD)
- 確率的勾配降下法は、最も基本的な最適化アルゴリズムの一つです。
- ランダムに選択されたサンプルに基づいてパラメータを更新します。
- 大規模なデータセットに対して効率的です。
- 学習率の設定が重要です。
モメンタム
- モメンタムは、SGD の拡張版です。
- 過去の勾配情報を考慮してパラメータ更新の方向性を決定します。
- SGD よりも高速に収束することが多いです。
- モメンタム係数の設定が重要です。
Adam
- Adam は、SGD とモメンタム、AdaGrad の利点を組み合わせたアルゴリズムです。
- 個々のパラメータに適応的な学習率を設定します。
- 多くのタスクで良好な結果を得ることができます。
その他
- RMSProp
- Adagrad
- Adadelta
- BFGS
- Conjugate Gradient
最適化アルゴリズムを選択する際には、以下の点を考慮する必要があります。
- データセットの規模
- モデルの複雑さ
- 訓練時間
- 必要な精度
具体的な例
- 画像分類タスク: SGD, モメンタム, Adam
- 自然言語処理タスク: Adam, RMSProp
- 強化学習: Adam, PPO
L-BFGS の代替として、以下のアルゴリズムが考えられます。
- Adam (L-BFGS と SGD の組み合わせ)
PyTorch には、L-BFGS 以外にも様々な最適化アルゴリズムが実装されています。最適化アルゴリズムを選択する際には、データセットの規模、モデルの複雑さ、訓練時間、必要な精度などを考慮する必要があります。
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