Qt Widgetsでスライダーをアニメーションさせる:QAbstractSlider::repeatAction()とQPropertyAnimation
Qt WidgetsにおけるQAbstractSlider::repeatAction()の詳細解説
repeatAction()
メソッドは、スライダーの値を一定の間隔で自動的に変化させるためのものです。これは、ユーザーがスライダーノブをドラッグしている間だけでなく、マウスボタンを離した後もスライダーの値を変化させたい場合に便利です。
このメソッドには、以下の2つの引数があります。
action
: スライダーの動作を指定する値です。以下のいずれかを指定できます。QAbstractSlider::RepeatSingle
: スライダーの値を1回だけ変化させます。QAbstractSlider::RepeatContinuous
: スライダーの値を連続的に変化させます。
interval
: スライダーの値を変化させる間隔をミリ秒単位で指定します。
repeatAction()
メソッドの使い方を、以下のコード例で説明します。
#include <QtWidgets>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// スライダーの値を連続的に変化させる
repeatAction(QAbstractSlider::RepeatContinuous);
// スライダーの値変化間隔を100ミリ秒に設定
setRepeatInterval(100);
// スライダーの値変化イベントハンドラを設定
connect(this, &QSlider::valueChanged, [this](int value) {
// 現在のスライダーの値を出力
qDebug() << "現在の値:" << value;
});
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// MySliderオブジェクトを作成
MySlider slider;
// ウィジェットを表示
slider.show();
return app.exec();
}
このコード例では、MySlider
クラスというカスタムスライダーウィジェットを作成しています。このクラスのコンストラクタでは、以下の処理を行っています。
- スライダーの範囲を0から100に設定
repeatAction()
メソッドを使用して、スライダーの値を連続的に変化させるように設定setRepeatInterval()
メソッドを使用して、スライダーの値変化間隔を100ミリ秒に設定valueChanged
シグナルに接続し、スライダーの値変化イベントを処理
このコードを実行すると、ユーザーがスライダーノブをドラッグしたとき、またはマウスボタンを離した後も、スライダーの値が100ミリ秒間隔で連続的に変化します。
repeatAction()
メソッドは、さまざまな状況で使用できます。以下に、いくつかの応用例をご紹介します。
- 音量調節スライダー: スライダーの値を連続的に変化させることで、音量を徐々に上げ下げすることができます。
- シークバー: 動画再生中にシークバーをドラッグすると、動画の再生位置を素早く移動することができます。
- アニメーション: スライダーの値を連続的に変化させることで、アニメーション効果を作成することができます。
まとめ
repeatAction()
メソッドは、Qt Widgetsにおける重要な機能の一つです。このメソッドを理解することで、ユーザーインターフェースの操作性を向上させることができます。
Qt WidgetsにおけるQAbstractSlider::repeatAction()のサンプルコード
スライダーの値を連続的に変化させる
#include <QtWidgets>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// スライダーの値を連続的に変化させる
repeatAction(QAbstractSlider::RepeatContinuous);
// スライダーの値変化間隔を100ミリ秒に設定
setRepeatInterval(100);
// スライダーの値変化イベントハンドラを設定
connect(this, &QSlider::valueChanged, [this](int value) {
// 現在のスライダーの値を出力
qDebug() << "現在の値:" << value;
});
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// MySliderオブジェクトを作成
MySlider slider;
// ウィジェットを表示
slider.show();
return app.exec();
}
スライダーの値を一定速度で変化させる
#include <QtWidgets>
#include <QTimer>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// スライダーの値を連続的に変化させる
repeatAction(QAbstractSlider::RepeatContinuous);
// タイマーを作成
QTimer *timer = new QTimer(this);
// タイマーのタイムアウトイベントハンドラを設定
connect(timer, &QTimer::timeout, [this]() {
// スライダーの値を1ずつ増加
setValue(value() + 1);
});
// タイマーを100ミリ秒間隔で起動
timer->start(100);
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// MySliderオブジェクトを作成
MySlider slider;
// ウィジェットを表示
slider.show();
return app.exec();
}
このコード例では、タイマーを使用して、スライダーの値を一定速度で変化させます。
スライダーの値を上下に交互に変化させる
#include <QtWidgets>
#include <QTimer>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// スライダーの値を連続的に変化させる
repeatAction(QAbstractSlider::RepeatContinuous);
// タイマーを作成
QTimer *timer = new QTimer(this);
// タイマーのタイムアウトイベントハンドラを設定
connect(timer, &QTimer::timeout, [this]() {
// スライダーの値が偶数の場合
if (value() % 2 == 0) {
// スライダーの値を1ずつ増加
setValue(value() + 1);
} else {
// スライダーの値を1ずつ減少
setValue(value() - 1);
}
});
// タイマーを100ミリ秒間隔で起動
timer->start(100);
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// MySliderオブジェクトを作成
MySlider slider;
// ウィジェットを表示
slider.show();
return app.exec();
}
このコード例では、タイマーを使用して、スライダーの値を上下に交互に変化させます。
スライダーの値をランダムに変化させる
#include <QtWidgets>
#include <QRandomGenerator>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// スライダーの値を
Qt WidgetsにおけるQAbstractSlider::repeatAction()のその他の方法
QPropertyAnimationを使用する
#include <QtWidgets>
#include <QtPropertyAnimation>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// QPropertyAnimationオブジェクトを作成
QPropertyAnimation *animation = new QPropertyAnimation(this, "value");
// アニメーションの開始値と終了値を設定
animation->setStartValue(0);
animation->setEndValue(100);
// アニメーションの時間を設定
animation->setDuration(1000);
// アニメーションを開始
animation->start();
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// MySliderオブジェクトを作成
MySlider slider;
// ウィジェットを表示
slider.show();
return app.exec();
}
このコード例では、QPropertyAnimationオブジェクトを使用して、スライダーの値を0から100まで1秒間かけてアニメーションさせます。
QTimerとランダム数を使用すると、スライダーの値をランダムに変化させることができます。
#include <QtWidgets>
#include <QTimer>
#include <QRandomGenerator>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// タイマーを作成
QTimer *timer = new QTimer(this);
// タイマーのタイムアウトイベントハンドラを設定
connect(timer, &QTimer::timeout, [this]() {
// ランダムな値を生成
int value = QRandomGenerator::global()->bounded(100);
// スライダーの値を設定
setValue(value);
});
// タイマーを100ミリ秒間隔で起動
timer->start(100);
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// MySliderオブジェクトを作成
MySlider slider;
// ウィジェットを表示
slider.show();
return app.exec();
}
このコード例では、QTimerとQRandomGeneratorクラスを使用して、スライダーの値を100ミリ秒間隔でランダムに変化させます。
スレッドを使用すると、スライダーの値を別スレッドで変化させることができます。
#include <QtWidgets>
#include <QThread>
class MySlider : public QSlider {
Q_OBJECT
public:
MySlider(QWidget *parent = nullptr) : QSlider(parent) {
// スライダーの範囲を設定
setRange(0, 100);
// 別スレッドでスライダーの値を変化させる
QThread *thread = new QThread;
thread->start();
// 別スレッドで実行する関数
void run() {
while (true) {
// ランダムな値を生成
int value = QRandomGenerator::global()->bounded(100);
// スライダーの値を設定
QMetaObject::invokeMethod(this, "setValue", Qt::QueuedConnection, Q_ARG(int, value));
// 100ミリ秒待機
QThread::msleep(100);
}
}
// 別スレッドで実行する関数を呼び出す
QMetaObject::invokeMethod(thread, "run", Qt::QueuedConnection);
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// MySliderオブジェクトを作成
MySlider slider;
// ウィジェットを表示
slider.show();
return app.exec();
}
このコード例では、QThreadクラスを使用して、スライダーの値を別スレッドで100ミリ秒間隔でランダムに変化させます。
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