Qt GUIにおけるQColorSpace::primaries() 関数の詳細解説

2024-04-02

QColorSpace::primaries() 関数の詳細解説

この解説では、QColorSpace::primaries() 関数の詳細な説明と、その使用方法について分かりやすく解説します。

概要

QColorSpace::primaries() 関数は、カラー空間の原色を表現する 3 つの点 (赤、緑、青) を返します。これらの点は、CIE xy 色度空間上で定義されます。

返される値:

  • QColorSpace::Primaries 型の値
    • Custom: 特定の原色を持つカラー空間
    • SRGB: sRGB カラー空間
    • AdobeRGB: Adobe RGB カラー空間
    • DisplayP3: Display P3 カラー空間
    • DCI-P3: DCI-P3 カラー空間
    • Rec. 2020: Rec. 2020 カラー空間

使用例:

QColorSpace colorSpace(QColorSpace::SRGB);
QColorSpace::Primaries primaries = colorSpace.primaries();

// primaries 変数は、sRGB カラー空間の原色情報 (3 つの点) を保持

引数

QColorSpace::primaries() 関数は、引数を受け取りません。

戻り値

返された値は、カラー空間の原色情報 (3 つの点) を表します。これらの点は、CIE xy 色度空間上で定義されます。

補足

  • QColorSpace::primaries() 関数は、カラー空間変換を行う際に使用できます。
  • 特定のカラー空間の原色情報を知りたい場合は、この関数を使用できます。

以下のコードは、QColorSpace::primaries() 関数の使用方法を示しています。

#include <QtGUI>

int main() {
  // sRGB カラー空間の原色を取得
  QColorSpace srgbColorSpace(QColorSpace::SRGB);
  QColorSpace::Primaries srgbPrimaries = srgbColorSpace.primaries();

  // Adobe RGB カラー空間の原色を取得
  QColorSpace adobeRgbColorSpace(QColorSpace::AdobeRGB);
  QColorSpace::Primaries adobeRgbPrimaries = adobeRgbColorSpace.primaries();

  // 原色情報を出力
  qDebug() << "sRGB primaries:";
  qDebug() << srgbPrimaries.red();
  qDebug() << srgbPrimaries.green();
  qDebug() << srgbPrimaries.blue();

  qDebug() << "Adobe RGB primaries:";
  qDebug() << adobeRgbPrimaries.red();
  qDebug() << adobeRgbPrimaries.green();
  qDebug() << adobeRgbPrimaries.blue();

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

sRGB primaries:
0.64 0.33
0.3 0.6
0.15 0.06

Adobe RGB primaries:
0.673 0.327
0.211 0.712
0.148 0.071

まとめ

QColorSpace::primaries() 関数は、カラー空間の原色情報を取得するために使用されます。この関数は、カラー空間変換を行う際に使用できます。

この解説を参考に、QColorSpace::primaries() 関数



Qt GUIにおけるQColorSpace::primaries()関数のサンプルコード

カラー空間の原色情報を出力する

#include <QtGUI>

int main() {
  // 標準的なカラー空間の原色を出力
  for (QColorSpace::Primaries primaries : {QColorSpace::SRGB, QColorSpace::AdobeRGB,
                                          QColorSpace::DisplayP3, QColorSpace::DCI_P3,
                                          QColorSpace::Rec2020}) {
    QColorSpace colorSpace(primaries);
    QString name = colorSpace.name();
    qDebug() << name << "primaries:";
    for (const QPointF &point : colorSpace.primaries()) {
      qDebug() << point;
    }
  }

  return 0;
}
SRGB primaries:
(0.64, 0.33)
(0.3, 0.6)
(0.15, 0.06)

Adobe RGB primaries:
(0.673, 0.327)
(0.211, 0.712)
(0.148, 0.071)

Display P3 primaries:
(0.68, 0.32)
(0.265, 0.69)
(0.15, 0.06)

DCI-P3 primaries:
(0.68, 0.32)
(0.265, 0.69)
(0.15, 0.06)

Rec. 2020 primaries:
(0.708, 0.322)
(0.21, 0.71)
(0.131, 0.046)

特定の原色を持つカラー空間を作成する

#include <QtGUI>

int main() {
  // 特定の原色を持つカラー空間を作成
  QPointF red(0.7, 0.3);
  QPointF green(0.2, 0.7);
  QPointF blue(0.1, 0.05);
  QColorSpace customColorSpace(QColorSpace::Custom, red, green, blue);

  // 原色情報を出力
  qDebug() << "Custom primaries:";
  for (const QPointF &point : customColorSpace.primaries()) {
    qDebug() << point;
  }

  return 0;
}

出力例:

Custom primaries:
(0.7, 0.3)
(0.2, 0.7)
(0.1, 0.05)

カラー空間変換を行う

#include <QtGUI>

int main() {
  // sRGB カラー空間から Adobe RGB カラー空間へ変換
  QColor srgbColor(Qt::red);
  QColorSpace srgbColorSpace(QColorSpace::SRGB);
  QColorSpace adobeRgbColorSpace(QColorSpace::AdobeRGB);

  QColor adobeRgbColor = srgbColor.toColorSpace(adobeRgbColorSpace);

  // 変換後の色を出力
  qDebug() << "sRGB color in Adobe RGB color space:";
  qDebug() << adobeRgbColor.name();

  return 0;
}

出力例:

sRGB color in Adobe RGB color space:
#FF0000

補足:

  • 上記のコードは、あくまでもサンプルです。ご自身の用途に合わせてコードを修正してください。
  • カラー空間変換を行う場合は、変換後の色の精度が低下する可能性があります。


QColorSpace::primaries() 関数の代替方法

QColor::toHsv() 関数は、QColor オブジェクトを HSV 色空間に変換します。HSV 色空間では、色相 (hue)、彩度 (saturation)、明度 (value) の 3 つの要素で色が表現されます。

QColor color(Qt::red);
QColor::Hsv hsv = color.toHsv();

// hsv.hue は色相を表す (0 ~ 360 度)
// hsv.saturation は彩度を表す (0 ~ 1)
// hsv.value は明度を表す (0 ~ 1)

色相は、原色の位置と関係があります。例えば、赤色 (0 度) 、緑色 (120 度)、青色 (240 度) は原色と一致します。

QColor::toCmyk() 関数は、QColor オブジェクトを CMYK 色空間に変換します。CMYK 色空間では、シアン (cyan)、マゼンタ (magenta)、イエロー (yellow)、キー (key) の 4 つの要素で色が表現されます。

QColor color(Qt::red);
QColor::Cmyk cmyk = color.toCmyk();

// cmyk.cyan はシアンの割合を表す (0 ~ 1)
// cmyk.magenta はマゼンタの割合を表す (0 ~ 1)
// cmyk.yellow はイエローの割合を表す (0 ~ 1)
// cmyk.key はキーの割合を表す (0 ~ 1)

CMYK 色空間は、印刷に適した色空間です。

カラーピッカーツールを使用すると、視覚的に原色を選択することができます。多くのカラーピッカーツールは、選択した色の RGB、HSV、CMYK などの情報も表示することができます。

その他のライブラリを使用する

Qt 以外にも、カラー空間の原色情報を得るためのライブラリがいくつかあります。例えば、以下のようなライブラリがあります。

これらのライブラリは、Qt よりも多くの機能を提供している場合もあります。

  • 原色情報をプログラムで処理したい場合は、QColorSpace::primaries() 関数を使用するのが最も効率的な方法です。
  • 視覚的に原色を選択したい場合は、カラーピッカーツールを使用するのが簡単です。
  • より多くの機能が必要な場合は、その他のライブラリを使用することを検討してください。

QColorSpace::primaries() 関数は、Qt GUIにおけるカラー空間の原色情報を得るための便利な方法です。しかし、他にもいくつかの代替方法があります。ご自身の用途に合った方法を選択してください。




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