QGestureRecognizer::create()の詳細解説

2024-04-06

Qt WidgetsにおけるQGestureRecognizer::create()の詳細解説

この解説では、以下の内容について詳細に説明します:

  • QGestureRecognizer::create()の役割:
    • ジェスチャー認識器の作成と初期化
    • ウィジェットとの関連付け
    • ジェスチャーイベントの処理
  • QGestureRecognizer::create()の引数:
    • target: ジェスチャー認識器が関連付けられるウィジェット
  • QGestureRecognizer::create()の戻り値:
    • 作成されたジェスチャー認識器のポインタ
  • ジェスチャー認識器の例:
    • QPanGestureRecognizer
  • QGestureRecognizer::create()の補足情報:
    • マルチタッチジェスチャー
    • カスタムジェスチャー

**QGestureRecognizer::create()**は、以下の3つの重要な役割を果たします。

1 ジェスチャー認識器の作成と初期化

この関数は、指定されたウィジェットに対してジェスチャー認識器を作成します。ジェスチャー認識器は、特定のジェスチャーパターンを検出するために使用されるオブジェクトです。

2 ウィジェットとの関連付け

作成されたジェスチャー認識器は、target引数で指定されたウィジェットに関連付けられます。これは、ウィジェットがジェスチャーイベントを受け取り、ジェスチャー認識器によって処理されるようにするために必要です。

3 ジェスチャーイベントの処理

ジェスチャー認識器は、ウィジェットに関連付けられたジェスチャーイベントを処理します。これらのイベントには、マウスの動き、タッチ、ジェスチャーなどがあります。

**QGestureRecognizer::create()**には、以下の1つの引数があります。

**QGestureRecognizer::create()**は、作成されたジェスチャー認識器のポインタを返します。このポインタは、ジェスチャー認識器の機能を制御するために使用されます。

ジェスチャー認識器の例

Qt Widgetsには、いくつかのジェスチャー認識器が用意されています。以下は、その代表的な例です。

  • QPanGestureRecognizer: パンジェスチャーを検出します。

これらのジェスチャー認識器は、QGestureRecognizer::create()を使用して作成できます。

QGestureRecognizer::create()の補足情報

1 マルチタッチジェスチャー

Qt Widgetsは、マルチタッチジェスチャーもサポートしています。マルチタッチジェスチャーは、複数の指を使用して行うジェスチャーです。

2 カスタムジェスチャー

Qt Widgetsでは、独自のジェスチャー認識器を作成することもできます。これは、QGestureRecognizerクラスを継承して、recognize()仮想関数をオーバーライドすることで実現できます。

まとめ

**QGestureRecognizer::create()**は、Qt Widgetsフレームワークで、ジェスチャー認識機能をQtウィジェットに追加するための重要な関数です。この関数を理解することで、より直感的でユーザーフレンドリーなアプリケーションを作成することができます。



Qt WidgetsにおけるQGestureRecognizer::create()のサンプルコード

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QPanGestureRecognizer>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget() {
    // QPanGestureRecognizerを作成
    QPanGestureRecognizer *recognizer = QGestureRecognizer::create(this);

    // ジェスチャーイベントの処理
    QObject::connect(recognizer, &QPanGestureRecognizer::gestureStarted, this, [=](QGesture *gesture) {
      // ジェスチャー開始時の処理
      qDebug() << "ジェスチャー開始";
    });

    QObject::connect(recognizer, &QPanGestureRecognizer::gestureUpdated, this, [=](QGesture *gesture) {
      // ジェスチャー更新時の処理
      qDebug() << "ジェスチャー更新: " << gesture->delta();
    });

    QObject::connect(recognizer, &QPanGestureRecognizer::gestureFinished, this, [=](QGesture *gesture) {
      // ジェスチャー終了時の処理
      qDebug() << "ジェスチャー終了";
    });
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWidget widget;
  widget.show();

  return app.exec();
}

QTapGestureRecognizerを使ったサンプルコード

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QTapGestureRecognizer>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget() {
    // QTapGestureRecognizerを作成
    QTapGestureRecognizer *recognizer = QGestureRecognizer::create(this);

    // ジェスチャーイベントの処理
    QObject::connect(recognizer, &QTapGestureRecognizer::tapped, this, [=](QGesture *gesture) {
      // タップジェスチャー発生時の処理
      qDebug() << "タップされました";
    });
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWidget widget;
  widget.show();

  return app.exec();
}

マルチタッチジェスチャーのサンプルコード

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QMultiGestureRecognizer>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget() {
    // QMultiGestureRecognizerを作成
    QMultiGestureRecognizer *recognizer = QGestureRecognizer::create(this);

    // ジェスチャーイベントの処理
    QObject::connect(recognizer, &QMultiGestureRecognizer::gestureStarted, this, [=](QGesture *gesture) {
      // ジェスチャー開始時の処理
      qDebug() << "ジェスチャー開始";
    });

    QObject::connect(recognizer, &QMultiGestureRecognizer::gestureUpdated, this, [=](QGesture *gesture) {
      // ジェスチャー更新時の処理
      qDebug() << "ジェスチャー更新: " << gesture->delta();
    });

    QObject::connect(recognizer, &QMultiGestureRecognizer::gestureFinished, this, [=](QGesture *gesture) {
      // ジェスチャー終了時の処理
      qDebug() << "ジェスチャー終了";
    });

    // マルチタッチジェスチャーを設定
    recognizer->setRecognizerType(QMultiGestureRecognizer::Qt::PinchGesture);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWidget widget;
  widget.show();

  return app.exec();
}

カスタムジェスチャーのサンプルコード

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QGestureRecognizer>

class MyGestureRecognizer : public QGestureRecognizer {
  Q_OBJECT
public:
  MyGestureRecognizer(QObject *parent = nullptr) : QGestureRecognizer(parent) {}

  bool recognize(QGesture *gesture, QPointF *p) override {
    // 独自のジェスチャー認識処理
    if (gesture->state() == Qt::GestureStarted) {
      // ジェスチャー開始時の処理
    } else if (gesture->state() == Qt::GestureUpdated) {
      // ジェスチャー更新時の処理
    } else if


Qt WidgetsにおけるQGestureRecognizer::create()の代替方法

Qt Designerは、Qt WidgetsアプリケーションのGUIを視覚的に設計するためのツールです。Qt Designerを使用して、ジェスチャー認識機能をウィジェットに追加することができます。

手順:

  1. Qt Designerでウィジェットを選択
  2. プロパティエディタを開く
  3. "ジェスチャー"タブを選択
  4. 追加したいジェスチャーを選択
  5. 必要に応じてジェスチャーの設定を編集

QMLは、Qt WidgetsアプリケーションのGUIを記述するための宣言型言語です。QMLを使用して、ジェスチャー認識機能をウィジェットに追加することができます。

例:

import QtQuick 2.15

Rectangle {
  width: 200
  height: 200

  // QTapGestureRecognizerをQMLで記述
  TapGestureRecognizer {
    target: this
    onTapped: {
      // タップジェスチャー発生時の処理
      console.log("タップされました");
    }
  }
}

C++による手動実装

QGestureRecognizer::create()を使用せずに、C++コードでジェスチャー認識機能を手動で実装することもできます。これは、より高度な制御が必要な場合に役立ちます。

手順:

  1. ジェスチャー認識アルゴリズムを実装する
  2. QGestureEventクラスを継承したカスタムジェスチャーイベントクラスを作成
  3. ジェスチャーイベントクラスで、ジェスチャー認識アルゴリズムをrecognize()仮想関数に実装
  4. ウィジェットにジェスチャーイベントクラスをインストール

その他のライブラリ

Qt以外にも、ジェスチャー認識機能を提供するライブラリがいくつかあります。これらのライブラリは、Qtよりも多くの機能や柔軟性を提供する場合があります。

どの方法を選択するかは、アプリケーションの要件と開発者のスキルセットによって異なります。

• Qt Designer: 初心者にとって最も簡単な方法 • QML: 柔軟性と表現力が高い方法 • C++による手動実装: 高度な制御が必要な場合 • その他のライブラリ: Qtよりも多くの機能や柔軟性を必要とする場合

Qt Widgetsフレームワークでジェスチャー認識機能をQtウィジェットに追加するには、いくつかの方法があります。最適な方法は、アプリケーションの要件と開発者のスキルセットによって異なります。




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