Qt Widgets の QToolButton クラス: アイコン付きボタン、チェックボックス付きボタン、メニュー付きボタンなど、豊富なサンプルコード付き解説
Qt Widgets の QToolButton クラス
- ツールバーやその他の場所に配置できる小型のボタンです。
- アイコン、テキスト、またはその両方を表示できます。
- クリック、押し下げ、ホバーなどのイベントに対応できます。
- メニューやポップアップウィジェットを表示できます。
- さまざまなスタイルでカスタマイズできます。
QToolButton を使用するには、以下の手順が必要です。
- Qt Widgets モジュールをプロジェクトに追加します。
- QToolButton クラスのオブジェクトを作成します。
- ボタンのアイコン、テキスト、その他のプロパティを設定します。
- ボタンのイベントハンドラを接続します。
- ボタンをウィジェット階層に追加します。
QToolButton の主なプロパティ
- icon: ボタンに表示するアイコン
- text: ボタンに表示するテキスト
- toolButtonStyle: ボタンのスタイル
- checkable: ボタンがチェック可能かどうか
- popupMode: ボタンにポップアップウィジェットを表示するかどうか
- menu: ボタンに関連付けるメニュー
QToolButton の主なイベント
- clicked(): ボタンがクリックされたとき
- pressed(): ボタンが押されたとき
- released(): ボタンが離されたとき
- hovered(): マウスカーソルがボタンの上に移動したとき
QToolButton の例
以下は、QToolButton を使用してシンプルなツールバーを作成する例です。
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
QMainWindow window;
QToolBar *toolBar = new QToolBar;
// ボタンの作成
QToolButton *button1 = new QToolButton;
button1->setIcon(QIcon(":/icons/new.png"));
button1->setText("新規");
QToolButton *button2 = new QToolButton;
button2->setIcon(QIcon(":/icons/open.png"));
button2->setText("開く");
// ツールバーへのボタンの追加
toolBar->addWidget(button1);
toolBar->addWidget(button2);
// ツールバーのウィンドウへの追加
window.addToolBar(toolBar);
window.show();
return app.exec();
}
この例では、2つのボタンを含むツールバーを作成しています。ボタンにはアイコンとテキストが設定されており、クリック時にそれぞれ "新規" と "開く" というアクションを実行します。
QToolButton クラスは、Qt Widgets モジュールで提供されるツールボタンウィジェットです。アイコン、テキスト、またはその両方を表示して、さまざまなアクションを実行できます。QToolButton を使用することで、ユーザーインターフェースをより使いやすく、魅力的にすることができます。
QToolButton のサンプルコード
アイコン付きボタン
QToolButton *button = new QToolButton;
button->setIcon(QIcon(":/icons/new.png"));
button->setText("新規");
// ボタンクリック時の処理
connect(button, &QToolButton::clicked, []() {
// 新規ファイル作成処理
});
チェックボックス付きボタン
QToolButton *button = new QToolButton;
button->setCheckable(true);
button->setText("太字");
// ボタンチェック状態変化時の処理
connect(button, &QToolButton::toggled, [](bool checked) {
// フォント設定処理
});
メニュー付きボタン
QToolButton *button = new QToolButton;
button->setText("メニュー");
QMenu *menu = new QMenu;
menu->addAction("アクション1");
menu->addAction("アクション2");
button->setMenu(menu);
// メニュー表示時の処理
connect(button, &QToolButton::clicked, [menu]() {
menu->exec(button->mapToGlobal(QPoint(0, 0)));
});
ツールバーへの追加
QMainWindow window;
QToolBar *toolBar = new QToolBar;
// ボタンの作成
QToolButton *button1 = new QToolButton;
button1->setIcon(QIcon(":/icons/new.png"));
button1->setText("新規");
QToolButton *button2 = new QToolButton;
button2->setIcon(QIcon(":/icons/open.png"));
button2->setText("開く");
// ツールバーへのボタンの追加
toolBar->addWidget(button1);
toolBar->addWidget(button2);
// ツールバーのウィンドウへの追加
window.addToolBar(toolBar);
window.show();
スタイルの変更
QToolButton *button = new QToolButton;
button->setText("ボタン");
// ボタンスタイルの設定
button->setStyleSheet("background-color: red; color: white;");
QToolButton の代替方法
QPushButton クラスは、QToolButton クラスと似ていますが、より多くの機能を提供します。例えば、デフォルトボタンの設定や、さまざまなアイコン状態の表示などが可能です。
QPushButton *button = new QPushButton;
button->setText("ボタン");
// デフォルトボタンの設定
button->setDefault(true);
// アイコン状態の設定
button->setIcon(QIcon(":/icons/new.png"));
button->setPressedIcon(QIcon(":/icons/new_pressed.png"));
// ボタンクリック時の処理
connect(button, &QPushButton::clicked, []() {
// 処理
});
QToolBox クラスは、複数のツールボタンをタブ形式で表示するウィジェットです。ツールバーよりも多くの機能を必要とする場合に有効です。
QToolBox *toolBox = new QToolBox;
// ツールボタンの作成
QToolButton *button1 = new QToolButton;
button1->setText("タブ1");
QToolButton *button2 = new QToolButton;
button2->setText("タブ2");
// ツールボックスへのボタンの追加
toolBox->addItem(button1, "タブ1");
toolBox->addItem(button2, "タブ2");
// タブ切り替え時の処理
connect(toolBox, &QToolBox::currentChanged, [](int index) {
// 処理
});
カスタムウィジェット
上記の方法で希望の機能が実現できない場合は、カスタムウィジェットを作成することができます。
class CustomButton : public QWidget {
Q_OBJECT
public:
CustomButton(QWidget *parent = nullptr);
protected:
void paintEvent(QPaintEvent *event) override;
private:
// ボタンの描画処理
void drawButton(QPainter &painter);
signals:
void clicked();
};
CustomButton::CustomButton(QWidget *parent) : QWidget(parent) {
// ボタンクリック時の処理
connect(this, &CustomButton::clicked, []() {
// 処理
});
}
void CustomButton::paintEvent(QPaintEvent *event) {
// ボタンの描画処理
drawButton(QPainter(event));
}
void CustomButton::drawButton(QPainter &painter) {
// ...
}
QToolButton は、さまざまな機能を備えた便利なウィジェットですが、必ずしも最適な選択肢とは限りません。要件に応じて、他の方法も検討することをおすすめします。
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