AUTOGEN_TARGET_DEPENDS以外の選択肢:CMakeで生成されたファイルに依存関係を設定する他の方法

2024-04-10

CMake の AUTOGEN_TARGET_DEPENDS プロパティ

概要

  • ターゲット: AUTOGEN_TARGET_DEPENDS は、AUTOMOC または AUTOUIC プロパティが有効になっているターゲットにのみ影響します。
  • 依存関係: このプロパティは、生成されるファイルに必要なその他のファイルやターゲットを指定するために使用されます。
  • 設定方法: set_target_properties() コマンドを使用して、ターゲットに AUTOGEN_TARGET_DEPENDS プロパティを設定できます。

詳細

動作

AUTOGEN_TARGET_DEPENDS は、以下の 2 つの方法で動作します。

  1. 直接的な依存関係: AUTOGEN_TARGET_DEPENDS で指定されたファイルは、生成されるファイルの直接的な依存関係として扱われます。つまり、生成されるファイルがビルドされる前に、これらのファイルがすべて存在している必要があります。
  2. 間接的な依存関係: AUTOGEN_TARGET_DEPENDS で指定されたターゲットは、生成されるファイルの間接的な依存関係として扱われます。つまり、これらのターゲットがビルドされると、生成されるファイルも再ビルドされます。

設定例

以下の例は、my_target ターゲットの AUTOGEN_TARGET_DEPENDS プロパティを設定する方法を示しています。

set_target_properties(my_target PROPERTIES
  AUTOMOC ON
  AUTOGEN_TARGET_DEPENDS
    "my_header.h"
    "my_other_target")

この例では、my_target ターゲットは my_header.h ヘッダーファイルと my_other_target ターゲットに依存します。つまり、my_target ターゲットがビルドされる前に、my_header.h ファイルが存在し、my_other_target ターゲットがビルドされている必要があります。

使用例

AUTOGEN_TARGET_DEPENDS は、以下の様な場合に使用できます。

  • 生成されるファイルに必要なヘッダーファイルやソースファイルを指定する。
  • 生成されるファイルに必要な他のターゲットを指定する。
  • 生成されるファイルのビルド順序を制御する。

AUTOGEN_TARGET_DEPENDS は、Qt の自動生成ツールによって生成されるファイルに依存関係を設定するための便利なプロパティです。このプロパティを使用することで、生成されるファイルのビルドをより効率的に制御することができます。



AUTOGEN_TARGET_DEPENDS サンプルコード

ヘッダーファイルへの依存関係

set_target_properties(my_target PROPERTIES
  AUTOMOC ON
  AUTOGEN_TARGET_DEPENDS
    "my_header.h")

ソースファイルへの依存関係

set_target_properties(my_target PROPERTIES
  AUTOMOC ON
  AUTOGEN_TARGET_DEPENDS
    "my_source.cpp")

この例では、my_target ターゲットは my_source.cpp ソースファイルに依存します。つまり、my_target ターゲットがビルドされる前に、my_source.cpp ファイルが存在する必要があります。

他のターゲットへの依存関係

set_target_properties(my_target PROPERTIES
  AUTOMOC ON
  AUTOGEN_TARGET_DEPENDS
    my_other_target)

この例では、my_target ターゲットは my_other_target ターゲットに依存します。つまり、my_target ターゲットがビルドされる前に、my_other_target ターゲットがビルドされている必要があります。

複数の依存関係

set_target_properties(my_target PROPERTIES
  AUTOMOC ON
  AUTOGEN_TARGET_DEPENDS
    "my_header.h"
    "my_source.cpp"
    my_other_target)

この例では、my_target ターゲットは my_header.h ヘッダーファイル、my_source.cpp ソースファイル、my_other_target ターゲットに依存します。

条件付き依存関係

if(EXISTS "my_optional_header.h")
  set_target_properties(my_target PROPERTIES
    AUTOMOC ON
    AUTOGEN_TARGET_DEPENDS
      "my_optional_header.h")
endif()

この例では、my_optional_header.h ファイルが存在する場合のみ、my_target ターゲットは my_optional_header.h ファイルに依存します。

これらのサンプルコードは、AUTOGEN_TARGET_DEPENDS プロパティの使い方を理解するのに役立ちます。

AUTOGEN_TARGET_DEPENDS プロパティの詳細については、以下の情報をご覧ください。



CMakeで生成されたファイルに依存関係を設定する他の方法

手動で依存関係を設定する

add_custom_command() コマンドを使用して、生成されるファイルを手動でビルドプロセスに追加できます。このコマンドを使用して、生成されるファイルに必要なファイルやターゲットを指定できます。

例:

add_custom_command(
  OUTPUT my_generated_file.cpp
  COMMAND my_generator
  DEPENDS
    my_header.h
    my_other_target)

add_executable(my_target my_generated_file.cpp)

この例では、my_generated_file.cpp ファイルは my_generator コマンドを使用して生成されます。my_generated_file.cpp ファイルは my_header.h ヘッダーファイルと my_other_target ターゲットに依存します。

CMakeモジュールを使用する

CPack や CMake-GUI などの CMake モジュールは、生成されたファイルに依存関係を設定する機能を提供します。これらのモジュールは、生成されるファイルのビルドプロセスを自動化するために使用できます。

例:

list(APPEND CMAKE_MODULE_PATH "/path/to/my/module")

find_package(CPack REQUIRED)

set(CPACK_GENERATOR "TGZ")

cpack_add_component(my_component DEPENDS my_target)

install(DIRECTORY my_generated_files DESTINATION ${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/share/my_component)

この例では、CPack モジュールを使用して my_generated_files ディレクトリの内容をインストールします。my_generated_files ディレクトリは my_target ターゲットに依存します。

外部ツールを使用する

Make や Ant などの外部ツールを使用して、生成されたファイルのビルドプロセスを管理することもできます。これらのツールは、CMake とは独立して動作するため、より多くの柔軟性を提供できます。

例:

make -C my_build_directory my_generated_file.cpp

make -C my_build_directory my_target

この例では、make コマンドを使用して my_generated_file.cpp ファイルと my_target ターゲットをビルドします。

AUTOGEN_TARGET_DEPENDS プロパティは、CMakeで生成されたファイルに依存関係を設定するための最も簡単な方法です。ただし、より多くの柔軟性が必要な場合は、他の方法を使用することができます。




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