Qtプロジェクトにおける rcc コマンドの完全ガイド: CMAKE_AUTORCC とその他の方法
CMakeにおけるCMAKE_AUTORCC変数の詳細解説
CMAKE_AUTORCC は、Qtプロジェクトにおける .qrc
ファイルの自動処理を制御するブール型のCMake変数です。デフォルトでは ON
に設定されており、Qtターゲットに対して rcc
コマンドを自動的に呼び出します。
機能
ON
の場合:- 各Qtターゲットに対して、
rcc
コマンドが自動的に呼び出され、.qrc
ファイルから.cpp
ファイルが生成されます。 - 生成された
.cpp
ファイルは、ターゲットのソースファイルリストに追加されます。
- 各Qtターゲットに対して、
OFF
の場合:rcc
コマンドは自動的に呼び出されません。.qrc
ファイルを手動で処理する必要があります。
設定方法
- CMakeLists.txtファイルで
set()
コマンドを使用して設定できます。
set(CMAKE_AUTORCC ON)
- オプションで、
CMAKE_AUTORCC_EXECUTABLE
変数を設定して、使用するrcc
コマンドのパスを指定できます。
set(CMAKE_AUTORCC_EXECUTABLE /usr/bin/rcc)
補足
CMAKE_AUTORCC
は、Qt 5.0 以降で使用できます。CMAKE_AUTORCC
をOFF
に設定した場合、Qt CreatorなどのIDEでプロジェクトを開くと、.qrc
ファイルが自動的に処理されない場合があります。その場合は、IDEの設定でrcc
コマンドを手動で呼び出すようにする必要があります。
例
以下の例は、CMAKE_AUTORCC
を使用して、my_app
という名前のQtアプリケーションをビルドする方法を示しています。
set(CMAKE_AUTORCC ON)
add_executable(my_app
main.cpp
my_resource.qrc)
target_link_libraries(my_app Qt5::Core)
この例では、my_resource.qrc
ファイルが自動的に処理され、my_resource_rc.cpp
という名前のファイルが生成されます。このファイルは、my_app
ターゲットのソースファイルリストに追加されます。
CMAKE_AUTORCCを使用したサンプルコード
基本的なサンプル
set(CMAKE_AUTORCC ON)
add_executable(my_app
main.cpp
my_resource.qrc)
target_link_libraries(my_app Qt5::Core)
CMAKE_AUTORCC_EXECUTABLEを使用したサンプル
set(CMAKE_AUTORCC ON)
set(CMAKE_AUTORCC_EXECUTABLE /usr/bin/rcc)
add_executable(my_app
main.cpp
my_resource.qrc)
target_link_libraries(my_app Qt5::Core)
この例では、/usr/bin/rcc
コマンドが rcc
コマンドとして使用されます。
CMAKE_AUTORCC_FLAGSを使用したサンプル
set(CMAKE_AUTORCC ON)
set(CMAKE_AUTORCC_FLAGS "-no-compress")
add_executable(my_app
main.cpp
my_resource.qrc)
target_link_libraries(my_app Qt5::Core)
この例では、rcc
コマンドが -no-compress
フラグを使用して呼び出されます。
サブディレクトリ内の .qrc ファイルを使用したサンプル
set(CMAKE_AUTORCC ON)
add_executable(my_app
main.cpp
)
add_custom_command(
TARGET my_app
POST_BUILD
COMMAND ${CMAKE_COMMAND} -E make_directory ${CMAKE_BINARY_DIR}/resources
COMMAND ${CMAKE_COMMAND} -E copy_directory ${CMAKE_SOURCE_DIR}/resources ${CMAKE_BINARY_DIR}/resources
COMMAND ${CMAKE_AUTORCC_EXECUTABLE} ${CMAKE_BINARY_DIR}/resources/my_resource.qrc -o ${CMAKE_BINARY_DIR}/my_resource_rc.cpp
)
target_link_libraries(my_app Qt5::Core)
この例では、resources
サブディレクトリ内の my_resource.qrc
ファイルが処理されます。
Qt Designer で生成された .ui ファイルを使用したサンプル
set(CMAKE_AUTORCC ON)
add_executable(my_app
main.cpp
my_ui.ui)
qt_designer_form(
TARGET my_app
UI_FILE my_ui.ui
OUTPUT_DIR ${CMAKE_BINARY_DIR}
)
target_link_libraries(my_app Qt5::Core Qt5::Gui)
この例では、Qt Designer で生成された my_ui.ui
ファイルが処理されます。
上記のサンプルコードはあくまでも参考用です。ご自身の環境に合わせて変更する必要があります。
CMAKE_AUTORCC
を使用せずに .qrc
ファイルを処理するには、以下の方法があります。
- 手動で rcc コマンドを実行する
rcc my_resource.qrc -o my_resource_rc.cpp
- CMakeLists.txt ファイルで add_custom_command を使用する
add_custom_command(
OUTPUT ${CMAKE_BINARY_DIR}/my_resource_rc.cpp
COMMAND ${CMAKE_COMMAND} -E echo "This is my_resource_rc.cpp" > ${CMAKE_BINARY_DIR}/my_resource_rc.cpp
)
add_executable(my_app
main.cpp
${CMAKE_BINARY_DIR}/my_resource_rc.cpp)
target_link_libraries(my_app Qt5::Core)
- Qt Creator などの IDE を使用する
Qt Creator などの IDE では、.qrc
ファイルを自動的に処理することができます。
各方法の比較
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
手動で rcc コマンドを実行する | 最も柔軟な方法 | 毎回コマンドを実行する必要がある |
CMakeLists.txt ファイルで add_custom_command を使用する | CMake のビルドプロセスに統合できる | コードが煩雑になる可能性がある |
Qt Creator などの IDE を使用する | 簡単で直感的 | IDE に依存する必要がある |
使用例
どの方法を使用するかは、プロジェクトの規模や複雑さに依存します。
- 小さなプロジェクトの場合は、手動で
rcc
コマンドを実行するのが最も簡単な方法です。 - 大きなプロジェクトの場合は、CMakeLists.txt ファイルで
add_custom_command
を使用すると、ビルドプロセスに統合することができます。 - Qt Creator などの IDE を使用している場合は、IDE の機能を利用するのが最も簡単です。
上記のサンプルコードはあくまでも参考用です。ご自身の環境に合わせて変更する必要があります。
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試合形式試合時間は前半40分、後半40分の計80分です。ハーフタイムは15分以内です。試合は2チームで行われ、それぞれ15人の選手がフィールドに出ます。選手は、ボールを持って走る、パスする、キックするなどのプレーができます。相手選手をタックルして倒すこともできます。
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