初めてのMotif開発:FindMotifモジュールで簡単スタート!

2024-04-02

CMake モジュール FindMotif の詳細解説

FindMotifは、CMakeプロジェクトでMotifライブラリを検出して設定するためのモジュールです。Motifは、GUI開発のためのウィジェットツールキットであり、Lesstifと互換性があります。

機能:

FindMotifモジュールは、以下の機能を提供します。

  • Motifライブラリの存在チェック
  • Motifヘッダーファイルの検索パス設定
  • Motifライブラリのリンク設定
  • モジュールの使用に関する情報出力

使い方:

FindMotifモジュールを使用するには、CMakeプロジェクトのソースファイルで以下のコードを追加します。

find_package(Motif REQUIRED)

# Motifヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${MOTIF_INCLUDE_DIR})

# Motifライブラリのリンク
link_libraries(${MOTIF_LIBRARIES})

オプション:

FindMotifモジュールには、以下のオプションが用意されています。

  • MOTIF_LIBRARY: Motifライブラリのパスを指定します。
  • MOTIF_INCLUDE_DIR: Motifヘッダーファイルのパスを指定します。
  • MOTIF_REQUIRED: Motifライブラリの存在が必須かどうかを指定します (デフォルト: ON)。

FindMotifモジュールの詳細については、以下の情報源を参照してください。

補足:

  • FindMotifモジュールは、CMake 3.2以降で使用できます。
  • Motifライブラリは、多くのLinuxディストリビューションでデフォルトでインストールされています。
  • Lesstifは、Motifのオープンソース互換実装です。

例:

以下の例は、FindMotifモジュールを使用してMotifアプリケーションをビルドする方法を示しています。

cmake_minimum_required(VERSION 3.2)

find_package(Motif REQUIRED)

add_executable(example example.c)

target_link_libraries(example ${MOTIF_LIBRARIES})

set_target_properties(example PROPERTIES
  C_STANDARD 99
  C_STANDARD_REQUIRED ON
)

このコードは、example.cというソースファイルからexampleという実行ファイルを作成します。example.cファイルは、Motifウィジェットを使用してGUIを作成する必要があります。

注意事項:

  • FindMotifモジュールは、Motifライブラリのバージョンを特定しません。
  • Motifライブラリのバージョンによっては、ヘッダーファイルやライブラリの場所が異なる場合があります。


FindMotifモジュールを使用したサンプルコード

#include <Xm/Xm.h>

int main(int argc, char **argv) {
  XtAppContext app;
  Widget toplevel;

  XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);

  app = XtCreateApplicationContext();
  toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
                             app, NULL, 0);

  XtRealizeWidget(toplevel);

  XtAppMainLoop(app);

  return 0;
}

ボタンとラベルを表示する例:

#include <Xm/Xm.h>

static void button_callback(Widget widget, XtPointer client_data, XtPointer call_data) {
  XmPushButtonCallbackStruct *cbs = (XmPushButtonCallbackStruct *)call_data;

  printf("Button was pressed!\n");
}

int main(int argc, char **argv) {
  XtAppContext app;
  Widget toplevel, button, label;

  XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);

  app = XtCreateApplicationContext();
  toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
                             app, NULL, 0);

  button = XtCreatePushButton(toplevel, "button", NULL, 0);
  XtAddCallback(button, XmNactivateCallback, button_callback, NULL);

  label = XtCreateLabel(toplevel, "label", NULL, 0);

  XtManageChild(button);
  XtManageChild(label);

  XtRealizeWidget(toplevel);

  XtAppMainLoop(app);

  return 0;
}

メニューを表示する例:

#include <Xm/Xm.h>

static void menu_callback(Widget widget, XtPointer client_data, XtPointer call_data) {
  XmPushButtonCallbackStruct *cbs = (XmPushButtonCallbackStruct *)call_data;

  printf("Menu item '%s' was selected!\n", (char *)client_data);
}

int main(int argc, char **argv) {
  XtAppContext app;
  Widget toplevel, menubar, menu, cascade, button;

  XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);

  app = XtCreateApplicationContext();
  toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
                             app, NULL, 0);

  menubar = XmCreateMenuBar(toplevel, "menubar", NULL, 0);

  menu = XmCreatePulldownMenu(menubar, "menu", NULL, 0);
  cascade = XmCreateCascadeButton(menubar, "cascade", NULL, 0);
  XtSetArg(XtNsubMenuId, menu);
  XtSetValues(cascade, NULL);

  button = XtCreatePushButton(menu, "item1", NULL, 0);
  XtAddCallback(button, XmNactivateCallback, menu_callback, "Item 1");

  button = XtCreatePushButton(menu, "item2", NULL, 0);
  XtAddCallback(button, XmNactivateCallback, menu_callback, "Item 2");

  XtManageChild(cascade);
  XtManageChild(menu);
  XtManageChild(menubar);

  XtRealizeWidget(toplevel);

  XtAppMainLoop(app);

  return 0;
}

テキスト入力を受け付ける例:

#include <Xm/Xm.h>

static void text_callback(Widget widget, XtPointer client_data, XtPointer call_data) {
  XmTextVerifyCallbackStruct *cbs = (XmTextVerifyCallbackStruct *)call_data;

  printf("Text was entered: '%s'\n", cbs->text);
}

int main(int argc, char **argv) {
  XtAppContext app;
  Widget toplevel, text;

  XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);

  app = XtCreateApplicationContext();
  toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
                             app, NULL, 0);

  text = XmCreateText(toplevel, "text", NULL, 0);
  XtAddCallback(text, XmNvalueChangedCallback, text_callback, NULL);

  XtManageChild(text);

  XtRealizeWidget(toplevel);

  XtAppMainLoop(app);

  return 0;
}


Motifライブラリを使う他の方法

手動で設定する:

CMakeを使わずに、手動でヘッダーファイルとライブラリのパスを設定することができます。これは、簡単なプロジェクトや、特定のバージョンのMotifライブラリが必要な場合に便利です。

pkg-configは、ソフトウェア開発に必要なライブラリやヘッダーファイルの情報を提供するツールです。pkg-configを使ってMotifライブラリを設定するには、以下のコマンドを実行します。

pkg-config --cflags motif
pkg-config --libs motif

CPackを使う:

CPackは、CMakeプロジェクトを配布するためのツールです。CPackを使ってMotifライブラリを配布するには、以下のコマンドを実行します。

cpack -G DEB

その他のツールを使う:

CMake以外にも、様々なビルドツールがあります。これらのツールの中には、Motifライブラリを自動的に設定できるものがあります。

どの方法を使うべきかは、プロジェクトの規模や複雑さ、必要なMotifライブラリのバージョンなどによって異なります。

初心者の場合は、FindMotifモジュールを使うのがおすすめです。FindMotifモジュールは、簡単にMotifライブラリを設定することができます。

経験者の場合は、手動で設定したり、pkg-configなどのツールを使うことができます。これらの方法を使うと、より細かい設定が可能になります。

特殊な要件:

特定のバージョンのMotifライブラリが必要な場合や、特殊な設定が必要な場合は、手動で設定する必要があります。

Motifライブラリを使う方法はいくつかあります。どの方法を使うべきかは、プロジェクトの要件によって異なります。




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