CMakeにおけるターゲットとライブラリのリンク:INTERFACE_LINK_LIBRARIESのすべて

2024-04-17

CMakeのターゲットプロパティ「INTERFACE_LINK_LIBRARIES」は、ターゲットをビルドする際に必要なライブラリを指定するために使用されます。これは、ターゲットが依存する他のライブラリとのリンクを確立し、実行に必要な共有オブジェクトや静的ライブラリを指示するために重要です。

構文

target_link_libraries(TARGET_NAME PRIVATE | PUBLIC | INTERFACE LIBRARIES...)

説明

  • TARGET_NAME: リンク対象のターゲットの名前
  • PRIVATE, PUBLIC, INTERFACE: ライブラリのリンク可視性を指定
    • PRIVATE: このターゲットのみがライブラリにリンクできます。
    • PUBLIC: このターゲットと、このターゲットに依存するターゲットがライブラリにリンクできます。
    • INTERFACE: このターゲットと、このターゲットに依存するターゲット、およびこのターゲットを PUBLIC または INTERFACE 依存関係として使用するターゲットがライブラリにリンクできます。
  • LIBRARIES...: リンクするライブラリのリスト

target_link_libraries(my_target INTERFACE foo bar)

この例では、my_target ターゲットは foobar ライブラリにリンクされます。これらのライブラリは、my_target 自身、my_target に依存するターゲット、そして my_targetPUBLIC または INTERFACE 依存関係として使用するターゲットから利用可能になります。

補足

  • ライブラリ名は、ライブラリの名前そのもの、またはライブラリのターゲット名、あるいはライブラリのファイルパスを指定できます。
  • 複数のライブラリを指定する場合は、スペースで区切ります。
  • ライブラリのリンク可視性は、依存関係の伝達に影響を与えます。詳細は、CMakeのドキュメントを参照してください。

利点

  • ターゲット間の依存関係を明確に定義できます。
  • ライブラリのバージョン管理を容易にします。
  • ビルドシステムの移植性を向上させます。

CMakeのターゲットプロパティ「INTERFACE_LINK_LIBRARIES」は、ターゲットに必要なライブラリを効率的に管理するための強力なツールです。このプロパティを理解することで、複雑なプロジェクトでも、依存関係を明確に定義し、ビルドプロセスを円滑に進めることができます。



CMakeにおける「INTERFACE_LINK_LIBRARIES」のサンプルコード集

# ライブラリをビルド
add_library(foo STATIC foo.c foo.h)

# ターゲットをビルドし、fooライブラリにリンク
target_link_libraries(my_target INTERFACE foo)

共有ライブラリへのリンク

# 共有ライブラリをビルド
add_library(bar SHARED bar.c bar.h)

# ターゲットをビルドし、barライブラリにリンク
target_link_libraries(my_target INTERFACE bar)

システムライブラリへのリンク

# ターゲットをビルドし、システムライブラリ "pthread" にリンク
target_link_libraries(my_target INTERFACE pthread)

複数のライブラリへのリンク

# ターゲットをビルドし、foo、bar、およびpthreadライブラリにリンク
target_link_libraries(my_target INTERFACE foo bar pthread)

ターゲット依存関係によるライブラリの自動リンク

# ライブラリAをビルド
add_library(A A.c A.h)

# ライブラリBをビルドし、ライブラリAに依存
add_library(B B.c B.h)
    target_link_libraries(B PUBLIC A)

# ターゲットをビルドし、ライブラリBに依存
add_executable(my_target my_target.c)
    target_link_libraries(my_target INTERFACE B)

この例では、my_target ターゲットは B ライブラリに依存するため、自動的に A ライブラリにもリンクされます。

PRIVATE, PUBLIC, INTERFACE オプションの使用

# ターゲットAをビルドし、ライブラリfooにプライベートにリンク
add_library(A A.c A.h)
    target_link_libraries(A PRIVATE foo)

# ターゲットBをビルドし、ライブラリbarにパブリックにリンク
add_library(B B.c B.h)
    target_link_libraries(B PUBLIC bar)

# ターゲットCをビルドし、ライブラリbazにインターフェースとしてリンク
add_library(C C.c C.h)
    target_link_libraries(C INTERFACE baz)

# ターゲットmy_targetをビルド
add_executable(my_target my_target.c)
    # ターゲットAはプライベートにリンクされているため、my_targetからは利用不可
    # ターゲットBはパブリックにリンクされているため、my_targetから利用可能
    # ターゲットCはインターフェースとしてリンクされているため、my_targetと、my_targetを依存関係として使用するターゲットから利用可能
    target_link_libraries(my_target A B C)

インポートされたターゲットへのリンク

# 外部プロジェクトでビルドされたライブラリ "foo" をインポート
target_import(foo STATIC foo.a foo.h)

# ターゲットをビルドし、インポートされたライブラリfooにリンク
target_link_libraries(my_target INTERFACE foo)

インストールされたターゲットへのリンク

# FindPackageコマンドを使用して、インストールされたライブラリ "foo" を検索
find_package(Foo REQUIRED)

# ターゲットをビルドし、インストールされたライブラリfooにリンク
target_link_libraries(my_target INTERFACE Foo::Foo)

これらのサンプルは、CMakeにおける「INTERFACE_LINK_LIBRARIES」プロパティの様々な使用方法を網羅しています。具体的な状況に合わせて、適切なオプションを選択してください。



より具体的な質問をしていただければ、より的確な回答を提供することができます。

例えば、以下のような質問であれば、より具体的な回答を提供できます。

  • 「CMakeでターゲットをビルドする他の方法はありますか?」
  • 「ライブラリへのリンクを指定する他の方法はありますか?」
  • 「依存関係を管理する他の方法はありますか?」

具体的な質問があれば、ぜひ教えてください。




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