CMake で VS_GLOBAL_variable を使って Visual Studio プロパティを自在に操る
CMake の "Properties: Targets" に関連する "VS_GLOBAL_variable" の詳細解説
CMake は、マルチプラットフォームな C++ プロジェクトを構築するための強力なツールです。 Visual Studio と連携して使用する場合、"Properties: Targets" セクションで "VS_GLOBAL_variable" を使用することで、プロジェクト設定をさらに細かく制御できます。
この解説では、"Properties: Targets" における "VS_GLOBAL_variable" の役割と使用方法について、以下の内容を分かりやすく説明します。
- VS_GLOBAL_variable の概要:
- VS_GLOBAL_variable の定義と目的
- Visual Studio との連携における役割
- 設定方法:
- CMakeLists.txt ファイルでの記述方法
- 具体的な設定例
- 使用例:
- 異なるビルド構成におけるコンパイルオプションの設定
- リンカーオプションの変更
- マクロの定義
- トラブルシューティング:
- 設定エラーの発生原因と解決策
- よくある問題と解決策
- 参考資料:
- 関連情報へのリンク
VS_GLOBAL_variable の概要
定義と目的:
VS_GLOBAL_variable は、CMake プロジェクト内のすべてのターゲットに適用される Visual Studio プロパティを設定するための変数です。 プロジェクト全体で共有される設定値を定義する場合に便利です。
Visual Studio との連携における役割:
CMake は、VS_GLOBAL_variable で設定された値を Visual Studio ソリューションファイル (.sln) とプロジェクトファイル (.vcproj) に書き込みます。 Visual Studio はこれらのファイルを読み込み、ビルドプロセスに反映します。
設定方法
CMakeLists.txt ファイルでの記述方法:
VS_GLOBAL_variable を設定するには、CMakeLists.txt ファイルに以下の形式で記述します。
set(VS_GLOBAL_variable_name value)
variable_name
: 設定したいプロパティの名前value
: 設定値
例:
set(VS_GLOBAL_Configuration "Debug")
set(VS_GLOBAL_Platform "x64")
使用例
異なるビルド構成におけるコンパイルオプションの設定:
ビルド構成ごとに異なるコンパイルオプションを設定したい場合、VS_GLOBAL_variable を使用して条件分岐を行うことができます。
if(CMAKE_BUILD_TYPE STREQUAL "Debug")
set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "Dwarf")
else()
set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "PDB")
endif()
リンカーオプションの変更:
リンカーオプションを設定するには、VS_GLOBAL_LinkerFlags
変数を使用します。
set(VS_GLOBAL_LinkerFlags "/SUBSYSTEM:WINDOWS")
マクロを定義して、プロジェクト全体で共通の値を使用することができます。
set(VS_GLOBAL_MyMacro "My Value")
add_executable(my_exe
...
)
target_link_libraries(my_exe
...
${VS_GLOBAL_MyMacro}
...
)
トラブルシューティング
設定エラーの発生原因と解決策:
- 変数名のスペルミス
- 値の形式が不正
- 参照先の変数が存在しない
これらの問題を解決するには、CMakeLists.txt ファイルの設定内容をよく確認し、誤りを修正する必要があります。
よくある問題と解決策:
- 設定値が Visual Studio で反映されない: ソリューションファイルを再読み込みするか、ビルドを再度実行する必要があります。
- 設定値がターゲットに適用されない: ターゲットに
VS_GLOBAL_variable
を明示的に設定する必要があります。
補足
- VS_GLOBAL_variable は、Visual Studio 固有の機能です。他のプラットフォームでは無視されます。
- VS_GLOBAL_variable は、CMake 3.1 以降で使用可能です。
この解説は参考情報として提供されており、予告なく変更される可能性があります。
CMake の "Properties: Targets" に関連する "VS_GLOBAL_variable" のサンプルコード
if(CMAKE_BUILD_TYPE STREQUAL "Debug")
set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "Dwarf")
set(VS_GLOBAL_Optimization "Disabled")
else()
set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "PDB")
set(VS_GLOBAL_Optimization "MaxSpeed")
endif()
リンカーオプションの変更
set(VS_GLOBAL_LinkerFlags "/SUBSYSTEM:WINDOWS")
set(VS_GLOBAL_LinkIncremental "False")
マクロの定義
set(VS_GLOBAL_MyMacro "My Value")
add_executable(my_exe
...
)
target_link_libraries(my_exe
...
${VS_GLOBAL_MyMacro}
...
)
複数のターゲットに設定を適用する
set(VS_GLOBAL_Configuration "Debug")
set(VS_GLOBAL_Platform "x64")
add_executable(my_exe1
...
)
add_executable(my_exe2
...
)
target_link_libraries(my_exe1
...
${VS_GLOBAL_MyMacro}
...
)
target_link_libraries(my_exe2
...
${VS_GLOBAL_MyMacro}
...
)
ターゲット固有の設定を優先する
set(VS_GLOBAL_Configuration "Debug")
add_executable(my_exe
...
)
target_compile_definitions(my_exe
PRIVATE
MY_TARGET_DEFINITION
)
target_link_libraries(my_exe
...
${VS_GLOBAL_MyMacro}
...
)
この解説は参考情報として提供されており、予告なく変更される可能性があります。
CMake の "Properties: Targets" に関連する "VS_GLOBAL_variable" 以外の方法
- プロジェクト全体で共有される設定値のみを定義できます。
- ターゲット固有の設定を優先できない場合があります。
これらの制限を克服するために、以下の代替方法を検討することができます。
ターゲット固有のプロパティを設定する
target_property()
コマンドを使用して、ターゲット固有のプロパティを設定することができます。
add_executable(my_exe
...
)
target_property(my_exe
PROPERTIES
VS_Configuration "Debug"
VS_Platform "x64"
)
CMake GUI を使用して、Visual Studio プロパティを設定することができます。
Visual Studio ソリューションファイル (.sln) を直接編集する
上級者向けの方法ですが、Visual Studio ソリューションファイル (.sln) を直接編集することで、詳細な設定を行うことができます。
カスタム CMake モジュールを作成する
高度な設定を行う必要がある場合は、カスタム CMake モジュールを作成することができます。
各方法のメリットとデメリット
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
VS_GLOBAL_variable | シンプルで使いやすい | プロジェクト全体で共有される設定値のみを定義できる |
ターゲット固有のプロパティ | ターゲット固有の設定を定義できる | 複雑になる可能性がある |
CMake GUI | 視覚的に設定できる | 詳細な設定ができない場合がある |
ソリューションファイル編集 | 詳細な設定ができる | 上級者向け |
カスタム CMake モジュール | 高度な設定ができる | 開発スキルが必要 |
この解説は参考情報として提供されており、予告なく変更される可能性があります。
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