CMake で VS_GLOBAL_variable を使って Visual Studio プロパティを自在に操る

2024-04-03

CMake の "Properties: Targets" に関連する "VS_GLOBAL_variable" の詳細解説

CMake は、マルチプラットフォームな C++ プロジェクトを構築するための強力なツールです。 Visual Studio と連携して使用する場合、"Properties: Targets" セクションで "VS_GLOBAL_variable" を使用することで、プロジェクト設定をさらに細かく制御できます。

この解説では、"Properties: Targets" における "VS_GLOBAL_variable" の役割と使用方法について、以下の内容を分かりやすく説明します。

  • VS_GLOBAL_variable の概要:
    • VS_GLOBAL_variable の定義と目的
    • Visual Studio との連携における役割
  • 設定方法:
    • CMakeLists.txt ファイルでの記述方法
    • 具体的な設定例
  • 使用例:
    • 異なるビルド構成におけるコンパイルオプションの設定
    • リンカーオプションの変更
    • マクロの定義
  • トラブルシューティング:
    • 設定エラーの発生原因と解決策
    • よくある問題と解決策
  • 参考資料:
    • 関連情報へのリンク

VS_GLOBAL_variable の概要

定義と目的:

VS_GLOBAL_variable は、CMake プロジェクト内のすべてのターゲットに適用される Visual Studio プロパティを設定するための変数です。 プロジェクト全体で共有される設定値を定義する場合に便利です。

Visual Studio との連携における役割:

CMake は、VS_GLOBAL_variable で設定された値を Visual Studio ソリューションファイル (.sln) とプロジェクトファイル (.vcproj) に書き込みます。 Visual Studio はこれらのファイルを読み込み、ビルドプロセスに反映します。

設定方法

CMakeLists.txt ファイルでの記述方法:

VS_GLOBAL_variable を設定するには、CMakeLists.txt ファイルに以下の形式で記述します。

set(VS_GLOBAL_variable_name value)
  • variable_name: 設定したいプロパティの名前
  • value: 設定値

例:

set(VS_GLOBAL_Configuration "Debug")
set(VS_GLOBAL_Platform "x64")

使用例

異なるビルド構成におけるコンパイルオプションの設定:

ビルド構成ごとに異なるコンパイルオプションを設定したい場合、VS_GLOBAL_variable を使用して条件分岐を行うことができます。

if(CMAKE_BUILD_TYPE STREQUAL "Debug")
  set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "Dwarf")
else()
  set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "PDB")
endif()

リンカーオプションの変更:

リンカーオプションを設定するには、VS_GLOBAL_LinkerFlags 変数を使用します。

set(VS_GLOBAL_LinkerFlags "/SUBSYSTEM:WINDOWS")

マクロを定義して、プロジェクト全体で共通の値を使用することができます。

set(VS_GLOBAL_MyMacro "My Value")

add_executable(my_exe
  ...
  )

target_link_libraries(my_exe
  ...
  ${VS_GLOBAL_MyMacro}
  ...
)

トラブルシューティング

設定エラーの発生原因と解決策:

  • 変数名のスペルミス
  • 値の形式が不正
  • 参照先の変数が存在しない

これらの問題を解決するには、CMakeLists.txt ファイルの設定内容をよく確認し、誤りを修正する必要があります。

よくある問題と解決策:

  • 設定値が Visual Studio で反映されない: ソリューションファイルを再読み込みするか、ビルドを再度実行する必要があります。
  • 設定値がターゲットに適用されない: ターゲットに VS_GLOBAL_variable を明示的に設定する必要があります。

補足

  • VS_GLOBAL_variable は、Visual Studio 固有の機能です。他のプラットフォームでは無視されます。
  • VS_GLOBAL_variable は、CMake 3.1 以降で使用可能です。

この解説は参考情報として提供されており、予告なく変更される可能性があります。



CMake の "Properties: Targets" に関連する "VS_GLOBAL_variable" のサンプルコード

if(CMAKE_BUILD_TYPE STREQUAL "Debug")
  set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "Dwarf")
  set(VS_GLOBAL_Optimization "Disabled")
else()
  set(VS_GLOBAL_DebugInformationFormat "PDB")
  set(VS_GLOBAL_Optimization "MaxSpeed")
endif()

リンカーオプションの変更

set(VS_GLOBAL_LinkerFlags "/SUBSYSTEM:WINDOWS")
set(VS_GLOBAL_LinkIncremental "False")

マクロの定義

set(VS_GLOBAL_MyMacro "My Value")

add_executable(my_exe
  ...
  )

target_link_libraries(my_exe
  ...
  ${VS_GLOBAL_MyMacro}
  ...
)

複数のターゲットに設定を適用する

set(VS_GLOBAL_Configuration "Debug")
set(VS_GLOBAL_Platform "x64")

add_executable(my_exe1
  ...
  )

add_executable(my_exe2
  ...
  )

target_link_libraries(my_exe1
  ...
  ${VS_GLOBAL_MyMacro}
  ...
)

target_link_libraries(my_exe2
  ...
  ${VS_GLOBAL_MyMacro}
  ...
)

ターゲット固有の設定を優先する

set(VS_GLOBAL_Configuration "Debug")

add_executable(my_exe
  ...
  )

target_compile_definitions(my_exe
  PRIVATE
  MY_TARGET_DEFINITION
  )

target_link_libraries(my_exe
  ...
  ${VS_GLOBAL_MyMacro}
  ...
)

この解説は参考情報として提供されており、予告なく変更される可能性があります。



CMake の "Properties: Targets" に関連する "VS_GLOBAL_variable" 以外の方法

  • プロジェクト全体で共有される設定値のみを定義できます。
  • ターゲット固有の設定を優先できない場合があります。

これらの制限を克服するために、以下の代替方法を検討することができます。

ターゲット固有のプロパティを設定する

target_property() コマンドを使用して、ターゲット固有のプロパティを設定することができます。

add_executable(my_exe
  ...
  )

target_property(my_exe
  PROPERTIES
  VS_Configuration "Debug"
  VS_Platform "x64"
  )

CMake GUI を使用して、Visual Studio プロパティを設定することができます。

Visual Studio ソリューションファイル (.sln) を直接編集する

上級者向けの方法ですが、Visual Studio ソリューションファイル (.sln) を直接編集することで、詳細な設定を行うことができます。

カスタム CMake モジュールを作成する

高度な設定を行う必要がある場合は、カスタム CMake モジュールを作成することができます。

各方法のメリットとデメリット

方法メリットデメリット
VS_GLOBAL_variableシンプルで使いやすいプロジェクト全体で共有される設定値のみを定義できる
ターゲット固有のプロパティターゲット固有の設定を定義できる複雑になる可能性がある
CMake GUI視覚的に設定できる詳細な設定ができない場合がある
ソリューションファイル編集詳細な設定ができる上級者向け
カスタム CMake モジュール高度な設定ができる開発スキルが必要

この解説は参考情報として提供されており、予告なく変更される可能性があります。




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