PyTorch Quantization: 個々のモジュールへの量子化設定の適用 - set_module_name()による詳細な設定

2024-04-02

PyTorch Quantizationにおける torch.ao.quantization.qconfig_mapping.QConfigMapping.set_module_name() の詳細解説

torch.ao.quantization.qconfig_mapping.QConfigMapping.set_module_name() は、PyTorch Quantization における重要な機能の一つです。この関数は、モデル内の個々のモジュールに対して、個別に量子化設定 (QConfig) を指定することができます。

QConfigMapping は、モデル内のモジュールと量子化設定を紐付けるためのマッピングです。このマッピングは、モデルを量子化するための規則を定義します。

set_module_name() は、モジュールの名前を指定することで、そのモジュールに個別の量子化設定を適用する関数です。この関数は、以下の 2 つの方法で使用できます。

  1. モジュールの名前を直接指定する
qconfig_mapping.set_module_name("my_module", qconfig)

このコードは、my_module という名前のモジュールに、qconfig という量子化設定を適用します。

  1. 正規表現を使用してモジュールの名前をパターンマッチングする
qconfig_mapping.set_module_name_regex("my_module_.*", qconfig)

このコードは、my_module_ という文字列で始まる名前を持つすべてのモジュールに、qconfig という量子化設定を適用します。

set_module_name() の使用例

以下は、set_module_name() を使用して、モデル内の個々のモジュールに対して個別に量子化設定を適用する例です。

# モデルを定義
model = nn.Sequential(
  nn.Conv2d(1, 16, 3),
  nn.ReLU(),
  nn.Linear(16, 10)
)

# 個々のモジュールに量子化設定を適用
qconfig_mapping = QConfigMapping()
qconfig_mapping.set_module_name("my_module", qconfig)
qconfig_mapping.set_module_name_regex("my_module_.*", qconfig)

# モデルを量子化する
quantized_model = torch.quantization.quantize(model, qconfig_mapping)

この例では、my_module という名前のモジュールと、my_module_ という文字列で始まる名前を持つすべてのモジュールに対して、qconfig という量子化設定が適用されます。

注意事項

  • set_module_name() は、モデルを量子化する前に呼び出す必要があります。
  • モジュール名と量子化設定の組み合わせは、一意である必要があります。
  • 詳細については、PyTorch Quantization のドキュメントを参照してください。

補足

  • 上記のコード例は、PyTorch 1.10 以降で使用できます。
  • PyTorch Quantization は、モデルのパフォーマンスと効率を向上させるための強力なツールです。


PyTorch Quantization の公式ドキュメントには、さまざまなサンプルコードが掲載されています。これらのサンプルコードは、以下のトピックを網羅しています。

  • 基本的な量子化
  • 動的量子化
  • 静的量子化
  • 推論とトレーニングのための量子化
  • カスタム量子化オペレータ

公式サンプルコードは、以下のリンクからアクセスできます。

サンプルコードの使用例

以下の例は、公式サンプルコードを使用して、LeNet モデルを量子化するコードです。

# モデルをインポート
import torch
from torchvision import models

# LeNet モデルを生成
model = models.lenet5()

# モデルを量子化する
quantized_model = torch.quantization.quantize(model)

# モデルを保存
torch.save(quantized_model, "quantized_lenet.pt")

このコードは、torchvision ライブラリから LeNet モデルをインポートし、torch.quantization.quantize() 関数を使用して量子化します。量子化されたモデルは、quantized_lenet.pt というファイルに保存されます。

PyTorch Quantization のサンプルコードは、以下の目的で活用できます。

  • PyTorch Quantization の使用方法を理解する
  • さまざまなユースケースに PyTorch Quantization を適用する
  • 独自の量子化コードを開発する


PyTorch Quantizationにおける個々のモジュールへの量子化設定の適用方法

torch.quantization.quantize_dynamic() 関数は、モデルを動的に量子化するために使用できます。この関数は、モデル内の個々のモジュールに対して、個別に量子化設定を指定することができます。

# モデルを量子化する
quantized_model = torch.quantization.quantize_dynamic(model, qconfig_mapping)

このコードは、model というモデルを動的に量子化し、qconfig_mapping という QConfigMapping オブジェクトを使用して、個々のモジュールに対して個別に量子化設定を適用します。

方法 2: torch.quantization.quantize_qat()

torch.quantization.quantize_qat() 関数は、モデルを量子化後訓練 (QAT) で量子化するために使用できます。この関数は、モデル内の個々のモジュールに対して、個別に量子化設定を指定することができます。

# モデルを量子化する
quantized_model = torch.quantization.quantize_qat(model, qconfig_mapping)

このコードは、model というモデルを QAT で量子化し、qconfig_mapping という QConfigMapping オブジェクトを使用して、個々のモジュールに対して個別に量子化設定を適用します。

方法 3: カスタム量子化オペレータ

PyTorch Quantization では、カスタム量子化オペレータを作成することができます。これらのオペレータは、モデル内の個々のモジュールに対して、個別に量子化設定を適用するために使用できます。




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