PyTorch Distributed Communication サンプルコード:NCCL、Horovod、PySpark

2024-04-03

PyTorch Distributed Communicationにおける torch.distributed.is_nccl_available()

NCCLとは?

NCCL (NVIDIA Collective Communications Library) は、NVIDIA社が提供するGPU間通信ライブラリです。NCCLを利用することで、GPU間で効率的にデータを転送したり、演算を同期させたりすることができます。

torch.distributed.is_nccl_available()は、引数なしで呼び出す関数です。この関数は、NCCLが利用可能であればTrue、そうでなければFalseを返します。

>>> import torch.distributed as dist
>>> dist.is_nccl_available()
True

NCCLを利用するメリット

NCCLを利用することで、以下のメリットを得ることができます。

  • 高速なGPU間通信: NCCLは、CUDAコアと直接通信を行うため、高速なGPU間通信を実現できます。
  • 効率的な分散トレーニング: NCCLを利用することで、複数のGPU上で効率的に分散トレーニングを行うことができます。

NCCLを利用するデメリット

NCCLを利用するには、以下の点に注意する必要があります。

  • NVIDIA GPUが必要: NCCLは、NVIDIA GPU上でしか動作しません。
  • CUDA Toolkitが必要: NCCLを利用するには、CUDA Toolkitがインストールされている必要があります。
  • 環境構築が必要: NCCLを利用するには、環境構築が必要になります。

torch.distributed.is_nccl_available()は、PyTorchのDistributed Communicationにおいて、NCCLが利用可能かどうかを確認する関数です。NCCLを利用することで、高速なGPU間通信と効率的な分散トレーニングを実現できます。



PyTorch Distributed Communication サンプルコード

単純な全結合ネットワークの分散トレーニング

import torch
import torch.distributed as dist
import torch.nn as nn

# シード値の設定
torch.manual_seed(0)

# 分散環境の初期化
dist.init_process_group(backend="nccl")

# モデルの定義
class Net(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = nn.Linear(10, 10)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

# モデルのインスタンス化
model = Net()

# 分散データローダーの作成
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
    ...,
    batch_size=16,
    shuffle=True,
    drop_last=True,
)

# オプティマイザーの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

# 損失関数の定義
criterion = nn.CrossEntropyLoss()

# エポック数の設定
num_epochs = 10

# トレーニングループ
for epoch in range(num_epochs):
    for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
        # データをGPUに転送
        data = data.cuda()
        target = target.cuda()

        # 勾配の初期化
        optimizer.zero_grad()

        # 順伝播
        output = model(data)

        # 損失の計算
        loss = criterion(output, target)

        # 逆伝播
        loss.backward()

        # パラメータの更新
        optimizer.step()

# 分散環境の終了
dist.destroy_process_group()

Horovodを使った分散トレーニング

import torch
import torch.distributed as dist
import torch.nn as nn
import horovod.torch as hvd

# シード値の設定
torch.manual_seed(0)

# Horovodの初期化
hvd.init()

# 分散環境の初期化
dist.init_process_group(backend="nccl")

# モデルの定義
class Net(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = nn.Linear(10, 10)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

# モデルのインスタンス化
model = Net()

# 分散データローダーの作成
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
    ...,
    batch_size=16,
    shuffle=True,
    drop_last=True,
)

# オプティマイザーの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

# 損失関数の定義
criterion = nn.CrossEntropyLoss()

# エポック数の設定
num_epochs = 10

# トレーニングループ
for epoch in range(num_epochs):
    for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
        # データをGPUに転送
        data = data.cuda()
        target = target.cuda()

        # 勾配の初期化
        optimizer.zero_grad()

        # 順伝播
        output = model(data)

        # 損失の計算
        loss = criterion(output, target)

        # Horovodによる損失のスケーリング
        loss = hvd.scale_loss(loss)

        # 逆伝播
        loss.backward()

        # Horovodによる勾配の集約
        hvd.all_reduce(model.parameters())

        # パラメータの更新
        optimizer.step()

# 分散環境の終了
dist.destroy_process_group()

PySparkを使った分散データ処理

from pyspark.


PyTorch Distributed Communicationのその他の方法

Gloo

MPI (Message Passing Interface) は、分散コンピューティングのための標準的な通信プロトコルです。MPIは、C、C++、Fortranなどの様々な言語から利用することができます。PyTorchには、MPIとの互換性レイヤーが用意されています。

RPC (Remote Procedure Call) は、異なるプロセス間で関数を呼び出すための仕組みです。PyTorchには、RPCフレームワークが用意されており、分散トレーニングや推論を行うことができます。

Rayは、分散アプリケーション開発のためのオープンソースプラットフォームです。Rayは、タスクスケジューリング、リモートオブジェクトアクセス、分散データ処理などの機能を提供します。PyTorchには、Rayとの統合ライブラリが用意されています。

その他のライブラリ

上記以外にも、PyTorch Distributed Communicationと互換性のある様々なライブラリが存在します。

PyTorch Distributed Communicationには、NCCL、Gloo、MPI、RPCなどの様々な方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、利用する方法は、ユースケースや環境によって異なります。




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