torch.onnx.OnnxExporterError エラーを回避するためのヒント

2024-04-10

PyTorchでONNX変換時に発生するtorch.onnx.OnnxExporterErrorエラーの詳細解説と解決策

PyTorchでモデルをONNX形式に変換する際に発生するtorch.onnx.OnnxExporterErrorエラーについて、原因と解決策を詳細に解説します。

目次

  1. エラーの概要
  2. 原因と解決策 2.1. ONNX対応していない演算の使用 2.2. 動的な形状の入力 2.3. 不適切な型 2.4. その他の原因
  3. 詳細なエラーメッセージの解釈
  4. エラー回避のためのヒント
  5. 参考資料

エラーの概要

torch.onnx.OnnxExporterErrorは、PyTorchモデルをONNX形式に変換する際に、何らかの問題が発生したことを示すエラーです。

原因と解決策

エラーの原因は様々ですが、以下に代表的な例と解決策をまとめます。

ONNX対応していない演算の使用

ONNXはPyTorchの全ての演算に対応しているわけではありません。ONNX対応していない演算を使用すると、このエラーが発生します。

解決策:

  • 使用している演算がONNXに対応しているかどうかを確認します。
  • ONNX対応していない演算を、ONNX対応の演算に置き換えます。

動的な形状の入力

ONNXは静的な形状の入力を必要とします。動的な形状の入力を使用すると、このエラーが発生します。

解決策:

  • 入力形状を固定します。
  • torch.onnx.dynamic_axesを使用して、動的な形状の入力をサポートするようにモデルを書き換えます。

不適切な型

ONNXはPyTorchの全ての型に対応しているわけではありません。ONNX対応していない型を使用すると、このエラーが発生します。

解決策:

  • ONNX対応していない型を、ONNX対応の型に変換します。

その他の原因

上記以外にも、様々な原因によってこのエラーが発生することがあります。

解決策:

  • エラーメッセージの内容をよく確認し、原因を特定します。
  • 原因に応じて、適切な解決策を講じます。

詳細なエラーメッセージの解釈

torch.onnx.OnnxExporterErrorエラーメッセージには、エラーの原因に関する詳細情報が含まれています。

例:

torch.onnx.OnnxExporterError: Can't export operator aten::addmm.

このエラーメッセージは、aten::addmm演算がONNXに対応していないことを示しています。

エラー回避のためのヒント

以下のヒントは、torch.onnx.OnnxExporterErrorエラーを回避するのに役立ちます。

  • モデルを設計する際には、ONNX対応の演算と型を使用するように心がけましょう。
  • モデルをONNXに変換する前に、torch.onnx.is_in_onnx_exportを使用して、モデル内の演算と型がONNXに対応しているかどうかを確認しましょう。
  • エラーが発生した場合は、エラーメッセージの内容をよく確認し、原因を特定しましょう。

上記の情報で解決しない場合は、PyTorchコミュニティやONNXコミュニティに質問することを検討してください。



PyTorch ONNX 変換サンプルコード

シンプルなモデル

import torch

class MyModel(torch.nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = torch.nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = torch.nn.Linear(10, 1)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

model = MyModel()

# モデルをONNX形式に変換
torch.onnx.export(model,               # 変換対象のモデル
                  "my_model.onnx",      # 出力ファイル名
                  input_names=["input"], # 入力ノードの名前
                  output_names=["output"], # 出力ノードの名前
                  dynamic_axes={"input": {0: "batch_size"}}) # 動的な形状の軸

動的な形状の入力

import torch

class MyModel(torch.nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = torch.nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = torch.nn.Linear(10, 1)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

model = MyModel()

# 動的な形状の入力に対応させる
dummy_input = torch.randn(1, 10)
torch.onnx.export(model,               # 変換対象のモデル
                  "my_model.onnx",      # 出力ファイル名
                  input_names=["input"], # 入力ノードの名前
                  output_names=["output"], # 出力ノードの名前
                  dynamic_axes={"input": {0: "batch_size"}},
                  example_inputs=dummy_input) # 動的な形状の入力の例

カスタム演算

import torch

from torch.onnx import register_custom_op_schema

@register_custom_op_schema("my_custom_op")
def my_custom_op(inputs, outputs):
    # カスタム演算の定義
    ...

class MyModel(torch.nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.fc1 = torch.nn.Linear(10, 10)
        self.fc2 = torch.nn.Linear(10, 1)

    def forward(self, x):
        x = x.view(-1)
        x = self.fc1(x)
        x = my_custom_op(x)
        x = torch.relu(x)
        x = self.fc2(x)
        return x

model = MyModel()

# カスタム演算を含むモデルをONNX形式に変換
torch.onnx.export(model,               # 変換対象のモデル
                  "my_model.onnx",      # 出力ファイル名
                  input_names=["input"], # 入力ノードの名前
                  output_names=["output"], # 出力ノードの名前
                  dynamic_axes={"input": {0: "batch_size"}},
                  custom_op_schema_registry={"my_custom_op": my_custom_op}) # カスタム演算のスキーマ



PyTorchモデルをONNXに変換するその他の方法

TorchScriptは、PyTorchモデルを静的なグラフ形式に変換するツールです。ONNXはTorchScriptと互換性があるため、TorchScriptでモデルを中間形式に変換してから、ONNXに変換することもできます。

メリット:

  • 動的な形状の入力をサポートする
  • 多くのPyTorch演算に対応している

デメリット:

  • すべてのPyTorch演算に対応しているわけではない
  • ONNXに変換する際のオプションが少ない

ONNX Runtimeは、ONNXモデルを実行するためのオープンソースランタイムです。ONNX Runtimeには、PyTorchモデルをONNXに変換するためのツールも含まれています。

メリット:

  • 多くのプラットフォームで動作する
  • 推論速度が速い

デメリット:

  • 動的な形状の入力をサポートしていない
  • ONNX Runtimeでサポートされていない演算は使用できない

これらのツールは、特定のニーズに合わせてPyTorchモデルをONNXに変換するのに役立ちます。

注意事項

  • これらの方法は、PyTorchのバージョ



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