Qt Widgets アプリケーションでスワイプジェスチャーを処理するためのチュートリアル

2024-04-02

Qt Widgets における QSwipeGesture クラスの詳細解説

概要

QSwipeGesture は、以下の情報を提供します。

  • スワイプの方向: 上、下、左、右
  • 開始点と終点: スワイプが始まった場所と終わった場所
  • 速度: スワイプの速さ
  • ジェスチャーの状態: 開始、更新、終了

QSwipeGesture を使うには、以下の手順が必要です。

  1. ウィジェットに QSwipeGesture オブジェクトを作成します。
  2. ジェスチャーの開始と終了を監視するためのシグナルとスロットを接続します。
  3. ジェスチャーの方向、開始点、終点、速度などの情報を取得します。

QSwipeGesture の例

以下のコードは、QSwipeGesture を使って、ウィジェットをスワイプの方向に移動する例です。

#include <QtWidgets>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // QSwipeGesture オブジェクトを作成
    m_swipeGesture = new QSwipeGesture(this);

    // ジェスチャー開始時にスロットを接続
    connect(m_swipeGesture, &QSwipeGesture::swipeStarted, this, &MyWidget::onSwipeStarted);

    // ジェスチャー終了時にスロットを接続
    connect(m_swipeGesture, &QSwipeGesture::swipeEnded, this, &MyWidget::onSwipeEnded);
  }

private slots:
  // ジェスチャー開始時の処理
  void onSwipeStarted() {
    // スワイプ開始点を取得
    m_startPoint = m_swipeGesture->startPoint();
  }

  // ジェスチャー終了時の処理
  void onSwipeEnded() {
    // スワイプ終了点を取得
    m_endPoint = m_swipeGesture->endPoint();

    // スワイプの方向に基づいてウィジェットを移動
    if (m_swipeGesture->direction() == Qt::SwipeGesture::Left) {
      move(x() - 100, y());
    } else if (m_swipeGesture->direction() == Qt::SwipeGesture::Right) {
      move(x() + 100, y());
    } else if (m_swipeGesture->direction() == Qt::SwipeGesture::Up) {
      move(x(), y() - 100);
    } else if (m_swipeGesture->direction() == Qt::SwipeGesture::Down) {
      move(x(), y() + 100);
    }
  }

private:
  QSwipeGesture *m_swipeGesture;
  QPoint m_startPoint;
  QPoint m_endPoint;
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWidget widget;
  widget.show();

  return app.exec();
}

QSwipeGesture のその他の機能

QSwipeGesture クラスには、以下の機能も備えています。

  • ジェスチャーのしきい値を設定: スワイプとみなされるためには、指をどのくらい動かす必要があるかを設定できます。
  • 複数のジェスチャーを同時に認識: 複数の QSwipeGesture オブジェクトを作成することで、複数のジェスチャーを同時に認識できます。

QSwipeGesture クラスは、Qt Widgets アプリケーションにスワイプジェスチャーを簡単に追加するための便利なクラスです。さまざまな操作を直感的に実行できるため、ユーザーインターフェースの使いやすさを向上させることができます。



QSwipeGesture クラスのサンプルコード集

基本的なスワイプ処理

#include <QtWidgets>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // QSwipeGesture オブジェクトを作成
    m_swipeGesture = new QSwipeGesture(this);

    // ジェスチャー終了時にスロットを接続
    connect(m_swipeGesture, &QSwipeGesture::swipeEnded, this, &MyWidget::onSwipeEnded);
  }

private slots:
  // ジェスチャー終了時の処理
  void onSwipeEnded() {
    // スワイプの方向を取得
    Qt::SwipeDirection direction = m_swipeGesture->direction();

    // スワイプの方向に基づいて処理を行う
    switch (direction) {
      case Qt::SwipeGesture::Left:
        // 左にスワイプされた時の処理
        break;
      case Qt::SwipeGesture::Right:
        // 右にスワイプされた時の処理
        break;
      case Qt::SwipeGesture::Up:
        // 上にスワイプされた時の処理
        break;
      case Qt::SwipeGesture::Down:
        // 下にスワイプされた時の処理
        break;
    }
  }

private:
  QSwipeGesture *m_swipeGesture;
};

スワイプの開始点と終点を取得

#include <QtWidgets>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // QSwipeGesture オブジェクトを作成
    m_swipeGesture = new QSwipeGesture(this);

    // ジェスチャー開始時にスロットを接続
    connect(m_swipeGesture, &QSwipeGesture::swipeStarted, this, &MyWidget::onSwipeStarted);

    // ジェスチャー終了時にスロットを接続
    connect(m_swipeGesture, &QSwipeGesture::swipeEnded, this, &MyWidget::onSwipeEnded);
  }

private slots:
  // ジェスチャー開始時の処理
  void onSwipeStarted() {
    // スワイプ開始点を取得
    m_startPoint = m_swipeGesture->startPoint();
  }

  // ジェスチャー終了時の処理
  void onSwipeEnded() {
    // スワイプ終了点を取得
    m_endPoint = m_swipeGesture->endPoint();

    // スワイプ開始点と終了点を使って処理を行う
  }

private:
  QSwipeGesture *m_swipeGesture;
  QPoint m_startPoint;
  QPoint m_endPoint;
};

スワイプの速度を取得

#include <QtWidgets>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // QSwipeGesture オブジェクトを作成
    m_swipeGesture = new QSwipeGesture(this);

    // ジェスチャー終了時にスロットを接続
    connect(m_swipeGesture, &QSwipeGesture::swipeEnded, this, &MyWidget::onSwipeEnded);
  }

private slots:
  // ジェスチャー終了時の処理
  void onSwipeEnded() {
    // スワイプ速度を取得
    qreal velocity = m_swipeGesture->velocity();

    // スワイプ速度を使って処理を行う
  }

private:
  QSwipeGesture *m_swipeGesture;
};

複数のジェスチャーを同時に認識

#include <QtWidgets>

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // 左右のスワイプを認識するジェスチャーを作成
    m_leftSwipeGesture = new QSwipeGesture(this, Qt::SwipeGesture::Left);
    m_rightSwipeGesture = new QSwipeGesture(this, Qt::SwipeGesture::Right);

    // ジェスチャー終了時にスロットを接続
    connect(m_leftSwipeGesture, &QSwipeGesture::swipeEnded, this, &MyWidget::onLeftSwipe


QSwipeGesture クラスの代替案

Qt Quick では、Flickable コントロールを使ってスワイプジェスチャーを処理できます。Flickable コントロールは、ユーザーが指で画面をドラッグしたときに発生するジェスチャーを認識できます。

QML では、Swipe ジェスチャーを使ってスワイプジェスチャーを処理できます。Swipe ジェスチャーは、ユーザーが指で画面をドラッグしたときに発生するジェスチャーを認識できます。

自作のジェスチャー認識アルゴリズム

Qt の提供する機能を使わずに、自作のジェスチャー認識アルゴリズムを使ってスワイプジェスチャーを処理することもできます。

それぞれの方法のメリットとデメリット

方法メリットデメリット
QSwipeGesture クラス使いやすい機能が限定されている
Qt Quick の Flickable コントロール機能が豊富Qt Quick を使用する必要がある
QML の Swipe ジェスチャーQML で記述できる機能が限定されている
自作のジェスチャー認識アルゴリズム自由度が高い開発に時間がかかる

どの方法を選択するべきかは、アプリケーションの要件と開発者のスキルによって異なります。

  • 簡単なスワイプジェスチャーを処理したい場合は、QSwipeGesture クラスを使うのがおすすめです。
  • より複雑なスワイプジェスチャーを処理したい場合は、Qt Quick の Flickable コントロール、QML の Swipe ジェスチャー、または自作のジェスチャー認識アルゴリズムを使うことを検討してください。



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