サブディレクトリ、custom_command、ExternalProject：USE_FOLDERSプロパティの代替手段

CMake の "Properties of Global Scope" における "USE_FOLDERS" の詳細解説

概要

設定方法

USE_FOLDERS プロパティは、CMakeLists.txt ファイル内で以下の方法で設定できます。

set(USE_FOLDERS ON)

上記のように ON に設定すると、CMake はソースファイルとヘッダーファイルをフォルダ階層に基づいてグループ化します。デフォルトでは OFF に設定されており、フォルダ階層は考慮されません。

動作

USE_FOLDERS プロパティが有効な場合、CMake は以下の規則に基づいてソースファイルとヘッダーファイルをグループ化します。

• 同じフォルダ内のソースファイルは、同じターゲットにグループ化されます。
• サブフォルダ内のソースファイルは、親フォルダのターゲットにグループ化されます。
• ヘッダーファイルは、include/ フォルダ以下のフォルダ階層に基づいてグループ化されます。

利点

USE_FOLDERS プロパティを使用する利点は以下のとおりです。

• ソースファイルとヘッダーファイルを整理し、プロジェクトを理解しやすくなる。
• ビルドプロセスを効率化し、ビルド時間を短縮できる。
• 異なるターゲット間でソースファイルとヘッダーファイルを共有しやすくなる。

注意事項

USE_FOLDERS プロパティを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

• フォルダ階層は、プロジェクトの規模や複雑さに応じて適切に設計する必要があります。
• サブフォルダ内のソースファイルは、親フォルダのヘッダーファイルにアクセスできる必要があります。
• ヘッダーファイルは、include/ フォルダ以下のフォルダ階層に配置する必要があります。

まとめ

USE_FOLDERS プロパティは、CMake の "Properties of Global Scope" における重要なプロパティの一つであり、プロジェクト内のソースファイルとヘッダーファイルを整理する機能を提供します。このプロパティを設定することで、CMake はソースファイルとヘッダーファイルをフォルダ階層に基づいてグループ化し、ビルドプロセスを効率化することができます。

CMake の "USE_FOLDERS" プロパティを使用したサンプルコード

set(USE_FOLDERS ON)

add_executable(main main.cpp)

target_include_directories(main PUBLIC include)

file(GLOB_RECURSE SOURCES *.cpp)

add_library(mylib STATIC ${SOURCES})

target_include_directories(mylib PUBLIC include)

target_link_libraries(main PUBLIC mylib)

上記のコードは、main.cpp ファイルと mylib ライブラリを含むプロジェクトをビルドします。 USE_FOLDERS プロパティが有効なため、CMake はソースファイルとヘッダーファイルをフォルダ階層に基づいてグループ化します。

サブフォルダ内のソースファイル

set(USE_FOLDERS ON)

add_executable(main main.cpp)

target_include_directories(main PUBLIC include)

file(GLOB_RECURSE SOURCES src/*.cpp)

add_library(mylib STATIC ${SOURCES})

target_include_directories(mylib PUBLIC include)

target_link_libraries(main PUBLIC mylib)

上記のコードは、src サブフォルダ内のソースファイルを含むプロジェクトをビルドします。 USE_FOLDERS プロパティが有効なため、CMake は src サブフォルダ内のソースファイルを mylib ライブラリにグループ化します。

ヘッダーファイルの配置

set(USE_FOLDERS ON)

add_executable(main main.cpp)

target_include_directories(main PUBLIC include)

file(GLOB_RECURSE SOURCES src/*.cpp)

add_library(mylib STATIC ${SOURCES})

target_include_directories(mylib PUBLIC include/mylib)

target_link_libraries(main PUBLIC mylib)

上記のコードは、include/mylib フォルダ以下のヘッダーファイルを含む mylib ライブラリをビルドします。 USE_FOLDERS プロパティが有効なため、CMake は include/mylib フォルダ以下のヘッダーファイルを mylib ライブラリにグループ化します。

異なるターゲット間でのソースファイルの共有

set(USE_FOLDERS ON)

add_executable(main main.cpp)

target_include_directories(main PUBLIC include)

file(GLOB_RECURSE SOURCES src/*.cpp)

add_library(mylib1 STATIC ${SOURCES})

target_include_directories(mylib1 PUBLIC include/mylib1)

add_library(mylib2 STATIC ${SOURCES})

target_include_directories(mylib2 PUBLIC include/mylib2)

target_link_libraries(main PUBLIC mylib1 mylib2)

上記のコードは、src サブフォルダ内のソースファイル

CMake でソースファイルとヘッダーファイルを整理するその他の方法

サブディレクトリ

ソースファイルとヘッダーファイルをサブディレクトリに整理することで、プロジェクトを分かりやすくすることができます。例えば、以下のように src と include というサブディレクトリを作成することができます。

project/
├── CMakeLists.txt
└── src/
    ├── main.cpp
    └── include/
        └── mylib.h

add_custom_command コマンドを使用して、ビルドプロセス中にソースファイルとヘッダーファイルをコピーしたり、移動したりすることができます。例えば、以下のように src サブディレクトリ内のすべてのソースファイルを build ディレクトリにコピーすることができます。

add_custom_command(
    TARGET main
    POST_BUILD
    COMMAND cp -r src/* build
)

ExternalProject モジュールを使用して、外部プロジェクトからソースファイルとヘッダーファイルをダウンロードしたり、ビルドしたりすることができます。

これらの方法は、プロジェクトの規模や複雑さに応じて使い分けることができます。

具体的なサンプルコード

サブディレクトリ

set(CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR ${PROJECT_SOURCE_DIR}/src)

add_executable(main main.cpp)

target_include_directories(main PUBLIC include)

add_custom_command

add_custom_command(
    TARGET main
    POST_BUILD
    COMMAND cp -r src/* build
)

add_executable(main build/main.cpp)

target_include_directories(main PUBLIC include)

ExternalProject

ExternalProject_Add(mylib
    GIT_REPOSITORY https://github.com/mylib/mylib.git
    BUILD_IN_SOURCE 1
)

add_executable(main main.cpp)

target_link_libraries(main PUBLIC mylib)

USE_FOLDERS プロパティは、CMake でソースファイルとヘッダーファイルを整理する最も簡単な方法の一つです。しかし、プロジェクトの規模や複雑さに応じて、他の方法も検討する必要があります。