CMake_PROJECT_VERSION_MAJOR を使用してヘッダーファイルのバージョンマクロを定義する方法
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR の詳細な解説
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、CMake プロジェクトのメジャーバージョンを表す変数です。プロジェクトのバージョン情報を設定する project()
コマンドによって設定されます。この変数は、ビルドプロセス全体で使用でき、プロジェクトのバージョンを特定するために役立ちます。
バージョン表記
CMake では、プロジェクトのバージョンを3つの部分で構成します。
- メジャーバージョン: プロジェクトの大幅な変更を表します。互換性を維持できない変更を加えた場合に増加します。
- マイナーバージョン: プロジェクトの後方互換性を維持できる変更を表します。新機能やバグ修正などを含む場合に増加します。
- パッチバージョン: バグ修正のみを含むマイナーな変更を表します。
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、この3つの部分のうち、メジャーバージョンを表します。
設定方法
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、project()
コマンドの VERSION
オプションで設定できます。以下の例では、プロジェクトのメジャーバージョンを 1
に設定しています。
project(MyProject VERSION 1.0.0)
使用例
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、さまざまな場面で使用できます。以下は、その使用例です。
- ビルドファイルのバージョン情報を出力する
message(STATUS "Project version: ${CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR}.${CMAKE_PROJECT_VERSION_MINOR}.${CMAKE_PROJECT_VERSION_PATCH}")
- 異なるバージョンのプロジェクトを区別する
if(CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR LESS 2)
# 古いバージョンのプロジェクト向けの処理
else()
# 新しいバージョンのプロジェクト向けの処理
endif()
注意事項
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、CMake 3.12 以降で導入された変数です。それ以前のバージョンの CMake を使用している場合は、この変数は使用できません。project()
コマンドでVERSION
オプションを指定しない場合、CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
はデフォルトで0
に設定されます。
補足
-
上記の説明に加えて、以下の点にも注意が必要です。
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、文字列型変数です。CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、プロジェクト内のすべての CMake ファイルで使用できます。CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
は、CMake キャッシュに保存されます。
-
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR
を使用して、プロジェクトのバージョン情報を管理することができます。この情報は、ビルドプロセス全体で使用でき、プロジェクトのバージョンを特定するために役立ちます。
CMake Variables 関連のサンプルコード
project(MyProject VERSION 1.2.3)
message(STATUS "Project version: ${CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR}.${CMAKE_PROJECT_VERSION_MINOR}.${CMAKE_PROJECT_VERSION_PATCH}")
出力例:
Project version: 1.2.3
異なるバージョンのプロジェクトを区別する
project(MyProject VERSION 1.2.3)
if(CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR LESS 2)
message(STATUS "This is an older version of the project.")
else()
message(STATUS "This is a newer version of the project.")
endif()
出力例 (CMake 3.11 以下で実行):
This is an older version of the project.
出力例 (CMake 3.12 以降で実行):
This is a newer version of the project.
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR を使用してファイル名にバージョン情報を追加する
project(MyProject VERSION 1.2.3)
set(output_file "my_project_${CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR}.exe")
add_executable(${output_file} main.cpp)
生成されるファイル:
my_project_1.exe
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR を使用してインストールパスにバージョン情報を追加する
project(MyProject VERSION 1.2.3)
set(install_dir "/usr/local/my_project/${CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR}")
install(TARGETS MyProject DESTINATION ${install_dir})
インストールされるファイル:
/usr/local/my_project/1/MyProject
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR を使用してヘッダーファイルのバージョンマクロを定義する
project(MyProject VERSION 1.2.3)
set(header_file "my_project.h")
configure_file(${header_file} ${header_file}.in @ONLY)
add_library(MyProject SHARED main.cpp ${header_file})
install(TARGETS MyProject DESTINATION /usr/local/lib)
install(FILES ${header_file} DESTINATION /usr/local/include)
my_project.h:
#ifndef MY_PROJECT_H
#define MY_PROJECT_H
#define MY_PROJECT_VERSION_MAJOR 1
#define MY_PROJECT_VERSION_MINOR 2
#define MY_PROJECT_VERSION_PATCH 3
#endif
CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR 以外の方法
手動でバージョン情報を設定する
set(PROJECT_VERSION "1.2.3")
# ...
message(STATUS "Project version: ${PROJECT_VERSION}")
バージョン管理システムを使用する
Git や Subversion などのバージョン管理システムを使用している場合は、バージョン情報をバージョン管理システムから取得することができます。
# Git を使用している場合
set(PROJECT_VERSION "${GIT_DESCRIBE}")
# ...
message(STATUS "Project version: ${PROJECT_VERSION}")
カスタム CMake モジュールを使用する
プロジェクトのバージョン情報を管理するカスタム CMake モジュールを作成することができます。
# my_version.cmake
set(PROJECT_VERSION "1.2.3")
# ...
function(get_project_version)
set(_version ${PROJECT_VERSION})
set(PROJECT_VERSION "")
return(_version)
endfunction()
# ...
include(my_version.cmake)
message(STATUS "Project version: ${PROJECT_VERSION}")
上記は、CMAKE_PROJECT_VERSION_MAJOR 以外の方法です。これらの方法を参考に、プロジェクトのバージョン情報を管理することができます。
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試合形式試合時間は前半40分、後半40分の計80分です。ハーフタイムは15分以内です。試合は2チームで行われ、それぞれ15人の選手がフィールドに出ます。選手は、ボールを持って走る、パスする、キックするなどのプレーができます。相手選手をタックルして倒すこともできます。