初めてのMotif開発:FindMotifモジュールで簡単スタート!
CMake モジュール FindMotif の詳細解説
FindMotifは、CMakeプロジェクトでMotifライブラリを検出して設定するためのモジュールです。Motifは、GUI開発のためのウィジェットツールキットであり、Lesstifと互換性があります。
機能:
FindMotifモジュールは、以下の機能を提供します。
- Motifライブラリの存在チェック
- Motifヘッダーファイルの検索パス設定
- Motifライブラリのリンク設定
- モジュールの使用に関する情報出力
使い方:
FindMotifモジュールを使用するには、CMakeプロジェクトのソースファイルで以下のコードを追加します。
find_package(Motif REQUIRED)
# Motifヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${MOTIF_INCLUDE_DIR})
# Motifライブラリのリンク
link_libraries(${MOTIF_LIBRARIES})
オプション:
FindMotifモジュールには、以下のオプションが用意されています。
- MOTIF_LIBRARY: Motifライブラリのパスを指定します。
- MOTIF_INCLUDE_DIR: Motifヘッダーファイルのパスを指定します。
- MOTIF_REQUIRED: Motifライブラリの存在が必須かどうかを指定します (デフォルト: ON)。
FindMotifモジュールの詳細については、以下の情報源を参照してください。
補足:
- FindMotifモジュールは、CMake 3.2以降で使用できます。
- Motifライブラリは、多くのLinuxディストリビューションでデフォルトでインストールされています。
- Lesstifは、Motifのオープンソース互換実装です。
例:
以下の例は、FindMotifモジュールを使用してMotifアプリケーションをビルドする方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.2)
find_package(Motif REQUIRED)
add_executable(example example.c)
target_link_libraries(example ${MOTIF_LIBRARIES})
set_target_properties(example PROPERTIES
C_STANDARD 99
C_STANDARD_REQUIRED ON
)
このコードは、example.c
というソースファイルからexample
という実行ファイルを作成します。example.c
ファイルは、Motifウィジェットを使用してGUIを作成する必要があります。
注意事項:
- FindMotifモジュールは、Motifライブラリのバージョンを特定しません。
- Motifライブラリのバージョンによっては、ヘッダーファイルやライブラリの場所が異なる場合があります。
FindMotifモジュールを使用したサンプルコード
#include <Xm/Xm.h>
int main(int argc, char **argv) {
XtAppContext app;
Widget toplevel;
XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);
app = XtCreateApplicationContext();
toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
app, NULL, 0);
XtRealizeWidget(toplevel);
XtAppMainLoop(app);
return 0;
}
ボタンとラベルを表示する例:
#include <Xm/Xm.h>
static void button_callback(Widget widget, XtPointer client_data, XtPointer call_data) {
XmPushButtonCallbackStruct *cbs = (XmPushButtonCallbackStruct *)call_data;
printf("Button was pressed!\n");
}
int main(int argc, char **argv) {
XtAppContext app;
Widget toplevel, button, label;
XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);
app = XtCreateApplicationContext();
toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
app, NULL, 0);
button = XtCreatePushButton(toplevel, "button", NULL, 0);
XtAddCallback(button, XmNactivateCallback, button_callback, NULL);
label = XtCreateLabel(toplevel, "label", NULL, 0);
XtManageChild(button);
XtManageChild(label);
XtRealizeWidget(toplevel);
XtAppMainLoop(app);
return 0;
}
メニューを表示する例:
#include <Xm/Xm.h>
static void menu_callback(Widget widget, XtPointer client_data, XtPointer call_data) {
XmPushButtonCallbackStruct *cbs = (XmPushButtonCallbackStruct *)call_data;
printf("Menu item '%s' was selected!\n", (char *)client_data);
}
int main(int argc, char **argv) {
XtAppContext app;
Widget toplevel, menubar, menu, cascade, button;
XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);
app = XtCreateApplicationContext();
toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
app, NULL, 0);
menubar = XmCreateMenuBar(toplevel, "menubar", NULL, 0);
menu = XmCreatePulldownMenu(menubar, "menu", NULL, 0);
cascade = XmCreateCascadeButton(menubar, "cascade", NULL, 0);
XtSetArg(XtNsubMenuId, menu);
XtSetValues(cascade, NULL);
button = XtCreatePushButton(menu, "item1", NULL, 0);
XtAddCallback(button, XmNactivateCallback, menu_callback, "Item 1");
button = XtCreatePushButton(menu, "item2", NULL, 0);
XtAddCallback(button, XmNactivateCallback, menu_callback, "Item 2");
XtManageChild(cascade);
XtManageChild(menu);
XtManageChild(menubar);
XtRealizeWidget(toplevel);
XtAppMainLoop(app);
return 0;
}
テキスト入力を受け付ける例:
#include <Xm/Xm.h>
static void text_callback(Widget widget, XtPointer client_data, XtPointer call_data) {
XmTextVerifyCallbackStruct *cbs = (XmTextVerifyCallbackStruct *)call_data;
printf("Text was entered: '%s'\n", cbs->text);
}
int main(int argc, char **argv) {
XtAppContext app;
Widget toplevel, text;
XtSetLanguageProc(NULL, NULL, NULL);
app = XtCreateApplicationContext();
toplevel = XtAppCreateShell("Example", "Example", applicationShellWidgetClass,
app, NULL, 0);
text = XmCreateText(toplevel, "text", NULL, 0);
XtAddCallback(text, XmNvalueChangedCallback, text_callback, NULL);
XtManageChild(text);
XtRealizeWidget(toplevel);
XtAppMainLoop(app);
return 0;
}
Motifライブラリを使う他の方法
手動で設定する:
CMakeを使わずに、手動でヘッダーファイルとライブラリのパスを設定することができます。これは、簡単なプロジェクトや、特定のバージョンのMotifライブラリが必要な場合に便利です。
pkg-configは、ソフトウェア開発に必要なライブラリやヘッダーファイルの情報を提供するツールです。pkg-configを使ってMotifライブラリを設定するには、以下のコマンドを実行します。
pkg-config --cflags motif
pkg-config --libs motif
CPackを使う:
CPackは、CMakeプロジェクトを配布するためのツールです。CPackを使ってMotifライブラリを配布するには、以下のコマンドを実行します。
cpack -G DEB
その他のツールを使う:
CMake以外にも、様々なビルドツールがあります。これらのツールの中には、Motifライブラリを自動的に設定できるものがあります。
どの方法を使うべきかは、プロジェクトの規模や複雑さ、必要なMotifライブラリのバージョンなどによって異なります。
初心者の場合は、FindMotifモジュールを使うのがおすすめです。FindMotifモジュールは、簡単にMotifライブラリを設定することができます。
経験者の場合は、手動で設定したり、pkg-configなどのツールを使うことができます。これらの方法を使うと、より細かい設定が可能になります。
特殊な要件:
特定のバージョンのMotifライブラリが必要な場合や、特殊な設定が必要な場合は、手動で設定する必要があります。
Motifライブラリを使う方法はいくつかあります。どの方法を使うべきかは、プロジェクトの要件によって異なります。
CMakeコマンド mark_as_advanced() の詳細解説
mark_as_advanced() は、CMakeプロジェクトで特定のキャッシュ変数を "詳細設定" としてマークするために使用されるコマンドです。このコマンドによって、GUI ツールでこれらの変数はデフォルトでは表示されなくなり、ユーザーは "詳細設定" オプションを有効にするまで編集できなくなります。
C++標準ライブラリ、テンプレートエンジン、シェルスクリプト... string()コマンドの代替方法を徹底比較
CMakeのstring()コマンドは、文字列処理を行うための強力なツールです。C++のstd::stringのような機能に加え、CMake特有の便利な機能も備えています。主な機能文字列の連結、分割、置換、比較大文字・小文字変換部分文字列の抽出
CMakeの"Commands"における"fltk_wrap_ui()"プログラミングを徹底解説!
この解説では、CMakeの"Commands"における"fltk_wrap_ui()"プログラミングについて、分かりやすく説明します。"fltk_wrap_ui()"は、CMakeでFLTK GUIアプリケーションをビルドするために使用されるマクロです。このマクロは、FLTK GUI定義ファイルをC++コードに変換し、プロジェクトに組み込みます。
CMakeにおける"get_target_property()"コマンド: ターゲットの情報を自在に操る
get_target_property()コマンドは、CMakeプロジェクトで定義されたターゲットからプロパティを取得するために使用されます。ターゲットプロパティは、ターゲットのビルド方法や動作を制御するために使用される情報です。構文引数VAR: ターゲットプロパティの値を格納する変数名
CMake の if() コマンド: デバッグとトラブルシューティング
構文条件式if() コマンドの引数には、条件式を指定します。条件式は、以下のいずれかの形式で記述できます。変数の比較: <variable> <operator> <value>コマンドの存在チェック: COMMAND <command-name>
FindRTIモジュール vs 手動設定:CMakeでRTIを使う際の比較
FindRTI モジュールは、CMake プロジェクトで HLA 標準に準拠した RTI (Run-Time Infrastructure) を簡単に検出して利用できるようにするモジュールです。このモジュールを使用することで、プロジェクト内で RTI のインストール場所やヘッダーファイル、ライブラリを自動的に設定できます。
CMakeの CMAKE_VS_WINDOWS_TARGET_PLATFORM_VERSION 変数:Windows 10 SDKのバージョンを指定する方法
CMake 変数 CMAKE_VS_WINDOWS_TARGET_PLATFORM_VERSION は、Visual Studio 2015 以降で Windows 10 以上のターゲットをビルドする場合、使用する Windows SDK のバージョンを指定するために使用されます。
Visual Studio 2010でCMakeプロジェクトをビルド:簡単ガイド
CMakeは、クロスプラットフォームなC++プロジェクトのビルドシステムを構築するためのツールです。MSVC10は、Microsoft Visual Studio 2010を指します。MSVC10関連の変数CMakeには、MSVC10をターゲットとするプロジェクトで使用できるいくつかの変数が用意されています。これらの変数は、コンパイラやリンカーのオプション、ビルドディレクトリなどを設定するために使用できます。
CMake find_file() コマンドの代替方法:もっと柔軟なファイル検索
<variable>: 検索結果を格納する CMake 変数<file_names>: 検索するファイル名のリスト (スペース区切り)<path_list>: 検索するパス名のリスト (スペース区切り)<options>: 検索オプション (後述)
CMakeにおける CMAKE_MATCH_COUNT 変数の詳細解説
CMAKE_MATCH_COUNTは、CMakeのVariablesにおいて、正規表現マッチングの成功回数を格納する変数です。string(REGEX)やlist(FILTER)などのコマンドで正規表現を用いた処理を行った際に、マッチングした要素の数を取得できます。