FindRTIモジュール vs 手動設定:CMakeでRTIを使う際の比較

2024-04-06

CMake モジュール FindRTI の解説

FindRTI モジュールは、CMake プロジェクトで HLA 標準に準拠した RTI (Run-Time Infrastructure) を簡単に検出して利用できるようにするモジュールです。このモジュールを使用することで、プロジェクト内で RTI のインストール場所やヘッダーファイル、ライブラリを自動的に設定できます。

仕組み

FindRTI モジュールは、以下の方法で RTI を検出します。

  1. 環境変数
  2. レジストリ
  3. デフォルトパス

使用方法

FindRTI モジュールを使用するには、CMake プロジェクトの CMakeLists.txt ファイルに以下のコードを追加する必要があります。

find_package(RTI REQUIRED)

# RTI のヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${RTI_INCLUDE_DIRS})

# RTI のライブラリのリンク
link_libraries(${RTI_LIBRARIES})

オプション

FindRTI モジュールには、以下のオプションが用意されています。

  • RTI_ROOT_DIR: 検索するルートディレクトリを指定します。
  • RTI_FIND_XXX: 特定の RTI 実装を検索するかどうかを指定します。

FindRTI モジュールの詳細については、以下のリソースを参照してください。

補足

  • FindRTI モジュールは、CMake バージョン 3.2 以降で使用できます。
  • 複数の RTI 実装がインストールされている場合は、RTI_FIND_XXX オプションを使用して、特定の実装を選択する必要があります。
  • FindRTI モジュールは、RTI のバージョンを自動的に検出することはできません。必要に応じて、手動でバージョンを指定する必要があります。

この情報は参考用であり、予告なく変更されることがあります。



FindRTIモジュールのサンプルコード

最小限のサンプルコード

find_package(RTI REQUIRED)

# RTI のヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${RTI_INCLUDE_DIRS})

# RTI のライブラリのリンク
link_libraries(${RTI_LIBRARIES})

特定のRTI 実装を使用するサンプルコード

find_package(RTI REQUIRED)

# 特定の RTI 実装を検索する
find_package(rti_dds)

# RTI のヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${RTI_INCLUDE_DIRS})

# RTI のライブラリのリンク
link_libraries(${RTI_LIBRARIES})

このコードは、rti_dds モジュールを使用して、DDS 標準に準拠した RTI を検出して使用します。

検索パスを指定するサンプルコード

find_package(RTI REQUIRED)

# 検索パスを指定する
set(RTI_ROOT_DIR "/usr/local/rti")

# RTI のヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${RTI_INCLUDE_DIRS})

# RTI のライブラリのリンク
link_libraries(${RTI_LIBRARIES})

このコードは、RTI_ROOT_DIR 環境変数を使用して、RTI を検索するディレクトリを指定します。

バージョンを指定するサンプルコード

find_package(RTI REQUIRED)

# バージョンを指定する
set(RTI_VERSION "10.0")

# RTI のヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${RTI_INCLUDE_DIRS})

# RTI のライブラリのリンク
link_libraries(${RTI_LIBRARIES})

このコードは、RTI_VERSION 変数を使用して、RTI のバージョンを指定します。

詳細なサンプルコード

find_package(RTI REQUIRED)

# 検索パスを指定する
set(RTI_ROOT_DIR "/usr/local/rti")

# バージョンを指定する
set(RTI_VERSION "10.0")

# 特定の RTI 実装を検索する
find_package(rti_dds)

# RTI のヘッダーファイルのインクルード
include_directories(${RTI_INCLUDE_DIRS})

# RTI のライブラリのリンク
link_libraries(${RTI_LIBRARIES})

# RTI のコンポーネントを使用する
message(STATUS "Using RTI version ${RTI_VERSION}")

# RTI の機能を使用する
rti_dds_create_participant(...)

このコードは、上記のサンプルコードを組み合わせたものです。

  • FindRTI モジュールは、多くの CMake プロジェクトで使用されています。
  • FindRTI モジュールを使用して、独自の CMake プロジェクトを作成することができます。

この情報は参考用であり、予告なく変更されることがあります。



FindRTI モジュール以外のRTI の検出方法

  • 特定のバージョンの RTI を検出できない場合があります。
  • 特定の RTI 実装を検出できない場合があります。
  • 複雑な検索要件に対応できない場合があります。

これらの制限を克服するために、以下の方法を使用して RTI を検出することができます。

手動で設定する

  • RTI のインストール場所、ヘッダーファイル、ライブラリを環境変数または CMake 変数で設定します。
  • CMake プロジェクト内で、RTI のヘッダーファイルとライブラリを手動でインクルードおよびリンクします。

CMake スクリプトを作成する

  • FindRTI モジュールよりも複雑な検索要件を満たす CMake スクリプトを作成します。
  • スクリプト内で、RTI のインストール場所、ヘッダーファイル、ライブラリを検索します。
  • スクリプト内で、RTI のヘッダーファイルとライブラリを CMake プロジェクトに設定します。

サードパーティ製のツールを使用する

  • RTI の検出と設定を自動化するサードパーティ製のツールを使用します。

各方法の比較

方法利点欠点
FindRTI モジュール簡単制限がある
手動設定柔軟性が高い設定が複雑になる
CMake スクリプト柔軟性が高いスクリプト作成が必要
サードパーティ製ツール簡単ツールの選定が必要
  • 必要とする RTI のバージョンと実装
  • 検索要件の複雑性
  • 開発者のスキルと経験

FindRTI モジュールは、RTI を検出する最も簡単な方法ですが、いくつかの制限があります。これらの制限を克服するために、手動設定、CMake スクリプト、サードパーティ製ツールなどの方法を使用することができます。

この情報は参考用であり、予告なく変更されることがあります。




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