HEADER_SET_NAME プロパティ徹底解説:CMakeでヘッダーファイルを賢く管理
CMakeにおける"HEADER_SET_NAME"の詳細解説
"HEADER_SET_NAME" は、CMakeプロジェクトにおけるターゲットプロパティの一つで、ヘッダーファイルのセットに名前を割り当てるために使用されます。これは、ヘッダーファイルのグループをまとめて扱いやすくするために役立ちます。
設定方法:
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
)
上記のように、set_target_properties
コマンドを使用して、ターゲット target_name
に "MyHeaderSet" という名前のヘッダーセットを割り当てます。
使用例:
- ヘッダーファイルのグループをまとめてビルドする:
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
)
add_custom_command(TARGET target_name
POST_BUILD
COMMAND echo "Building MyHeaderSet..."
COMMAND make -C ${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/MyHeaderSet
)
上記の例では、"MyHeaderSet" という名前のヘッダーセットをビルドするカスタムコマンドを追加しています。
- ヘッダーファイルのグループをまとめてインストールする:
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
)
install(TARGETS target_name
EXPORT MyHeaderSet
DESTINATION include
)
上記の例では、"MyHeaderSet" という名前のヘッダーセットを include
ディレクトリにインストールしています。
その他の関連プロパティ:
- HEADER_SET_FOLDER: ヘッダーファイルのセットを格納するディレクトリを指定します。
- HEADER_SET_FILTER: ヘッダーファイルのセットに含めるファイルのフィルタを指定します。
- HEADER_SET_INCLUDE_DIRS: ヘッダーファイルのセットをインクルードするディレクトリを指定します。
補足:
- "HEADER_SET_NAME" は CMake 3.1 以降で利用可能です。
- "HEADER_SET_NAME" は "INTERFACE" ターゲットプロパティでも使用できます。
CMakeにおける"HEADER_SET_NAME"のサンプルコード
set(header_files
"MyHeader1.h"
"MyHeader2.h"
"MyHeader3.h"
)
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
HEADER_FILES ${header_files}
)
add_custom_command(TARGET target_name
POST_BUILD
COMMAND echo "Building MyHeaderSet..."
COMMAND make -C ${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/MyHeaderSet
)
ヘッダーファイルのグループをまとめてインストールする
set(header_files
"MyHeader1.h"
"MyHeader2.h"
"MyHeader3.h"
)
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
HEADER_FILES ${header_files}
)
install(TARGETS target_name
EXPORT MyHeaderSet
DESTINATION include
)
ヘッダーファイルのグループをサブディレクトリにインストールする
set(header_files
"MyHeader1.h"
"MyHeader2.h"
"MyHeader3.h"
)
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
HEADER_FILES ${header_files}
HEADER_SET_FOLDER "subdir"
)
install(TARGETS target_name
EXPORT MyHeaderSet
DESTINATION include
)
ヘッダーファイルのグループにフィルタを適用する
set(header_files
"MyHeader1.h"
"MyHeader2.h"
"MyHeader3.h"
"MyHeader4.h"
)
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
HEADER_FILES ${header_files}
HEADER_SET_FILTER ".*\.h$"
)
install(TARGETS target_name
EXPORT MyHeaderSet
DESTINATION include
)
上記の例では、.*\.h$
という正規表現を使用して、拡張子が ".h" のファイルのみを "MyHeaderSet" ヘッダーセットに含めています。
ヘッダーファイルのグループをインクルードするディレクトリを指定する
set(header_files
"MyHeader1.h"
"MyHeader2.h"
"MyHeader3.h"
)
set_target_properties(target_name PROPERTIES
HEADER_SET_NAME "MyHeaderSet"
HEADER_FILES ${header_files}
HEADER_SET_INCLUDE_DIRS "include"
)
install(TARGETS target_name
EXPORT MyHeaderSet
DESTINATION include
)
上記の例では、"MyHeaderSet" ヘッダーセットをインクルードする際に、include
ディレクトリを検索する必要があることを指定しています。
これらのサンプルコードは、"HEADER_SET_NAME" プロパティのさまざまな使用方法を示しています。
CMakeにおけるヘッダーファイルのグループ化の他の方法
サブディレクトリを使用する
ヘッダーファイルをサブディレクトリに整理することで、グループ化することができます。例えば、以下のように include
ディレクトリの下に MyHeaderSet
サブディレクトリを作成し、その中にヘッダーファイルを配置することができます。
include/
├── MyHeaderSet/
│ ├── MyHeader1.h
│ ├── MyHeader2.h
│ └── MyHeader3.h
└── ...
この場合、MyHeaderSet
ヘッダーセットをインクルードするには、以下のように #include
ディレクティブを使用します。
#include <MyHeaderSet/MyHeader1.h>
#include <MyHeaderSet/MyHeader2.h>
#include <MyHeaderSet/MyHeader3.h>
ヘッダーファイルのリストを使用する
add_library
コマンドの HEADER_FILES
オプションを使用して、ヘッダーファイルのリストを直接指定することができます。
add_library(target_name
...
HEADER_FILES
"MyHeader1.h"
"MyHeader2.h"
"MyHeader3.h"
...
)
この場合、target_name
ターゲットは、指定されたヘッダーファイルを含むすべてのソースファイルに対してビルドされます。
カスタムターゲットを使用して、ヘッダーファイルのグループをまとめて処理することができます。例えば、以下のように MyHeaderSet
という名前のカスタムターゲットを作成し、その中にヘッダーファイルをコピーするコマンドを追加することができます。
add_custom_target(MyHeaderSet
COMMAND make -C ${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/MyHeaderSet
)
この場合、MyHeaderSet
ターゲットを実行すると、MyHeaderSet
サブディレクトリ内のすべてのヘッダーファイルが include
ディレクトリにコピーされます。
外部プロジェクトを使用する
ヘッダーファイルのグループを管理するために、外部プロジェクトを使用することができます。例えば、CPack: [無効な URL を削除しました] などのツールを使用して、ヘッダーファイルのセットをまとめてアーカイブしたり、インストールしたりすることができます。
どの方法を使用するべきかは、プロジェクトの規模や複雑さによって異なります。
- 小さなプロジェクトの場合、サブディレクトリを使用する方法は最も簡単です。
- 中規模のプロジェクトの場合、"HEADER_SET_NAME" プロパティを使用する方法は、ヘッダーファイルのグループをまとめて管理するのに役立ちます。
- 大規模なプロジェクトの場合、カスタムターゲットや外部プロジェクトを使用する方法は、より柔軟なソリューションを提供します。
CMake には、ヘッダーファイルのグループを扱うためのさまざまな方法があります。どの方法を使用するべきかは、プロジェクトの規模や複雑さによって異なります。
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