CMakeLists.txtファイルで "OBJC_EXTENSIONS" を設定

2024-04-03

CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" の詳細解説

CMakeは、クロスプラットフォームなC++プロジェクトのビルドを管理するためのオープンソースツールです。本解説では、CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" の詳細な説明と、それらをプロジェクトでどのように活用できるかについて解説します。

"Properties: Targets" は、CMakeプロジェクトにおけるターゲットプロパティを設定するための機能です。ターゲットプロパティは、ビルドプロセスに影響を与えるさまざまな属性を指定するために使用されます。

"OBJC_EXTENSIONS" は、Objective-Cコンパイラに渡される拡張オプションを指定するためのターゲットプロパティです。このプロパティは、Objective-Cソースファイルのコンパイル方法を制御するために使用されます。

"OBJC_EXTENSIONS" は、以下の方法で設定することができます。

1 CMakeLists.txtファイル

set_target_properties(MyTarget PROPERTIES OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")

ターゲットのGUIプロパティエディタで "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを見つけて、必要な値を設定します。

使用可能な拡張オプション

"OBJC_EXTENSIONS" で使用可能な拡張オプションは、コンパイラによって異なります。一般的なオプションは以下の通りです。

  • -fobjc-arc: 自動参照カウント (ARC) を有効にします。
  • -fobjc-exceptions: Objective-C例外を有効にします。
  • -fobjc-ns-nonatomic-runtime: 非同期ランタイム動作を有効にします。

注意事項

  • "OBJC_EXTENSIONS" で指定したオプションは、コンパイラによってサポートされていない可能性があります。
  • 使用するオプションは、プロジェクトの要件によって異なります。

まとめ

"Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" は、CMakeプロジェクトにおける重要な機能です。これらの機能を理解することで、Objective-Cプロジェクトのビルドプロセスをより詳細に制御することができます。

補足情報

  • CMakeには、ターゲットプロパティ以外にも、さまざまな設定項目があります。詳細は、CMakeドキュメントを参照してください。
  • Objective-Cコンパイラには、"OBJC_EXTENSIONS" 以外にも、さまざまなオプションがあります。詳細は、コンパイラのドキュメントを参照してください。


CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" のサンプルコード

set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)

add_executable(MyTarget
  main.cpp
  other_file.cpp)

target_link_libraries(MyTarget
  stdc++
  framework)

set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
  OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")

この例では、"MyTarget" という名前のターゲットを作成しています。このターゲットは、C++14標準を使用してコンパイルされ、stdc++framework ライブラリにリンクされます。また、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを使用して、-fobjc-arc オプションをコンパイラに渡しています。

異なるコンパイラ設定

if(CMAKE_COMPILER_IS_GNUCXX)
  set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
    OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -fPIE")
else()
  set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
    OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")
endif()

この例では、コンパイラの種類に応じて "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定しています。GCCコンパイラを使用している場合は、-fPIE オプションも追加されます。

条件付き設定

if(DEBUG)
  set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
    OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -O0")
else()
  set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
    OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -O2")
endif()

この例では、ビルドタイプに応じて "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定しています。デバッグビルドの場合は、最適化レベル -O0 を使用し、リリースビルドの場合は -O2 を使用します。

ターゲット固有の設定

add_library(MyLibrary
  library_file.cpp)

add_executable(MyExecutable
  main.cpp)

target_link_libraries(MyExecutable
  MyLibrary)

set_target_properties(MyLibrary PROPERTIES
  OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")

set_target_properties(MyExecutable PROPERTIES
  OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -fPIE")

この例では、MyLibraryMyExecutable という2つのターゲットを作成しています。MyLibrary はライブラリターゲットであり、MyExecutable は実行可能ファイルターゲットです。

MyLibrary-fobjc-arc オプションのみを指定していますが、MyExecutable-fobjc-arc-fPIE オプションを指定しています。このように、ターゲットごとに異なる "OBJC_EXTENSIONS" 設定を指定することができます。

その他の例

  • Objective-C例外を有効にする:
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
  OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-exceptions")
  • 非同期ランタイム動作を有効にする:
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
  OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-ns-nonatomic-runtime")


CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" の設定方法

set_target_properties() コマンドを使用して、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。

set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
  OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")

ターゲットのGUIプロパティエディタ

多くのCMake IDEには、ターゲットプロパティを設定するためのGUIプロパティエディタが搭載されています。

  • プロジェクトエクスプローラーでターゲットを選択します。
  • プロパティページを開きます。
  • "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを見つけて、必要な値を設定します。

コマンドライン

cmake コマンドを使用して、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。

cmake -D"OBJC_EXTENSIONS=-fobjc-arc" ..

環境変数

CMAKE_OBJC_EXTENSIONS 環境変数を使用して、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。

export CMAKE_OBJC_EXTENSIONS="-fobjc-arc"

キャッシュファイル

cmake-cache.txt ファイルに "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。

set(OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")

どの方法を使用するかは、開発環境とプロジェクトの要件によって異なります。

  • CMakeLists.txtファイル: 最も汎用性の高い方法です。
  • ターゲットのGUIプロパティエディタ: 使いやすい方法です。
  • コマンドライン: スクリプトや自動化に適しています。
  • 環境変数: プロジェクト全体で同じ設定を使用する場合に適しています。
  • キャッシュファイル: 特定のビルド構成にのみ設定を適用する場合に適しています。

注意事項

  • 設定方法は、CMakeのバージョンとコンパイラによって異なる場合があります。



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