CMakeLists.txtファイルで "OBJC_EXTENSIONS" を設定
CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" の詳細解説
CMakeは、クロスプラットフォームなC++プロジェクトのビルドを管理するためのオープンソースツールです。本解説では、CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" の詳細な説明と、それらをプロジェクトでどのように活用できるかについて解説します。
"Properties: Targets" は、CMakeプロジェクトにおけるターゲットプロパティを設定するための機能です。ターゲットプロパティは、ビルドプロセスに影響を与えるさまざまな属性を指定するために使用されます。
"OBJC_EXTENSIONS" は、Objective-Cコンパイラに渡される拡張オプションを指定するためのターゲットプロパティです。このプロパティは、Objective-Cソースファイルのコンパイル方法を制御するために使用されます。
"OBJC_EXTENSIONS" は、以下の方法で設定することができます。
1 CMakeLists.txtファイル
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")
ターゲットのGUIプロパティエディタで "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを見つけて、必要な値を設定します。
使用可能な拡張オプション
"OBJC_EXTENSIONS" で使用可能な拡張オプションは、コンパイラによって異なります。一般的なオプションは以下の通りです。
- -fobjc-arc: 自動参照カウント (ARC) を有効にします。
- -fobjc-exceptions: Objective-C例外を有効にします。
- -fobjc-ns-nonatomic-runtime: 非同期ランタイム動作を有効にします。
注意事項
- "OBJC_EXTENSIONS" で指定したオプションは、コンパイラによってサポートされていない可能性があります。
- 使用するオプションは、プロジェクトの要件によって異なります。
まとめ
"Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" は、CMakeプロジェクトにおける重要な機能です。これらの機能を理解することで、Objective-Cプロジェクトのビルドプロセスをより詳細に制御することができます。
補足情報
- CMakeには、ターゲットプロパティ以外にも、さまざまな設定項目があります。詳細は、CMakeドキュメントを参照してください。
- Objective-Cコンパイラには、"OBJC_EXTENSIONS" 以外にも、さまざまなオプションがあります。詳細は、コンパイラのドキュメントを参照してください。
CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" のサンプルコード
set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)
add_executable(MyTarget
main.cpp
other_file.cpp)
target_link_libraries(MyTarget
stdc++
framework)
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")
この例では、"MyTarget" という名前のターゲットを作成しています。このターゲットは、C++14標準を使用してコンパイルされ、stdc++
と framework
ライブラリにリンクされます。また、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを使用して、-fobjc-arc
オプションをコンパイラに渡しています。
異なるコンパイラ設定
if(CMAKE_COMPILER_IS_GNUCXX)
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -fPIE")
else()
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")
endif()
この例では、コンパイラの種類に応じて "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定しています。GCCコンパイラを使用している場合は、-fPIE
オプションも追加されます。
条件付き設定
if(DEBUG)
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -O0")
else()
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -O2")
endif()
この例では、ビルドタイプに応じて "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定しています。デバッグビルドの場合は、最適化レベル -O0
を使用し、リリースビルドの場合は -O2
を使用します。
ターゲット固有の設定
add_library(MyLibrary
library_file.cpp)
add_executable(MyExecutable
main.cpp)
target_link_libraries(MyExecutable
MyLibrary)
set_target_properties(MyLibrary PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")
set_target_properties(MyExecutable PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc -fPIE")
この例では、MyLibrary
と MyExecutable
という2つのターゲットを作成しています。MyLibrary
はライブラリターゲットであり、MyExecutable
は実行可能ファイルターゲットです。
MyLibrary
は -fobjc-arc
オプションのみを指定していますが、MyExecutable
は -fobjc-arc
と -fPIE
オプションを指定しています。このように、ターゲットごとに異なる "OBJC_EXTENSIONS" 設定を指定することができます。
その他の例
- Objective-C例外を有効にする:
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-exceptions")
- 非同期ランタイム動作を有効にする:
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-ns-nonatomic-runtime")
CMakeにおける "Properties: Targets" と "OBJC_EXTENSIONS" の設定方法
set_target_properties()
コマンドを使用して、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。
set_target_properties(MyTarget PROPERTIES
OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")
ターゲットのGUIプロパティエディタ
多くのCMake IDEには、ターゲットプロパティを設定するためのGUIプロパティエディタが搭載されています。
- プロジェクトエクスプローラーでターゲットを選択します。
- プロパティページを開きます。
- "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを見つけて、必要な値を設定します。
コマンドライン
cmake
コマンドを使用して、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。
cmake -D"OBJC_EXTENSIONS=-fobjc-arc" ..
環境変数
CMAKE_OBJC_EXTENSIONS
環境変数を使用して、"OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。
export CMAKE_OBJC_EXTENSIONS="-fobjc-arc"
キャッシュファイル
cmake-cache.txt
ファイルに "OBJC_EXTENSIONS" プロパティを設定することができます。
set(OBJC_EXTENSIONS "-fobjc-arc")
どの方法を使用するかは、開発環境とプロジェクトの要件によって異なります。
- CMakeLists.txtファイル: 最も汎用性の高い方法です。
- ターゲットのGUIプロパティエディタ: 使いやすい方法です。
- コマンドライン: スクリプトや自動化に適しています。
- 環境変数: プロジェクト全体で同じ設定を使用する場合に適しています。
- キャッシュファイル: 特定のビルド構成にのみ設定を適用する場合に適しています。
注意事項
- 設定方法は、CMakeのバージョンとコンパイラによって異なる場合があります。
CMakeのCommandsにおけるuse_mangled_mesa()
use_mangled_mesa() は CMake の Commands における関数で、Mesa ライブラリの mangled シンボル名を解決するために使用されます。Mesa は OpenGL の実装であり、古いバージョンの Mesa ではシンボル名が mangled されるため、use_mangled_mesa() を使用してこれらのシンボル名を解決する必要があります。
C++標準ライブラリ、テンプレートエンジン、シェルスクリプト... string()コマンドの代替方法を徹底比較
CMakeのstring()コマンドは、文字列処理を行うための強力なツールです。C++のstd::stringのような機能に加え、CMake特有の便利な機能も備えています。主な機能文字列の連結、分割、置換、比較大文字・小文字変換部分文字列の抽出
CMake: find_library()とtarget_link_directories()の連携
target_link_directories()コマンドは、CMakeプロジェクト内のターゲットに対して、リンカがライブラリを検索するディレクトリを指定するために使用されます。これは、ターゲットがリンクするライブラリが標準の検索パスに存在しない場合に特に重要です。
プログラミング初心者でもわかる!CMake の "set_directory_properties()" コマンドの使い方
set_directory_properties() コマンドは、CMakeプロジェクト内のディレクトリとサブディレクトリにプロパティを設定するために使用されます。これらのプロパティは、ビルドプロセス、インストール、その他の CMake 動作を制御するために使用できます。
CMake で変数を削除する3つの方法:unset() 以外にも使えるテクニック
<variable_name> は、削除したい変数の名前です。変数の名前は、文字、数字、下線(_)で構成され、先頭に数字以外のアクティブ文字が来る必要があります。変数の削除この例では、MY_VAR という変数を作成し、"Hello, world!" という値を設定します。その後、unset() コマンドを使用して MY_VAR を削除します。2番目の message() コマンドは、MY_VAR が削除されたことを確認するために使用されます。
WinRTアプリケーション開発におけるVS_WINRT_REFERENCES
VS_WINRT_REFERENCESは、CMakeのターゲットプロパティの一つで、Visual Studioプロジェクトファイル( .vcxproj )にWinRTメタデータ参照を追加するために使用されます。これは、Windows Runtime (WinRT) アプリケーション開発において重要な役割を果たします。
CMakeポリシー CMP0044 でソースファイル名の重複を検知する
CMakeポリシー CMP0044 は、CMake 3.13 で導入された新しいポリシーで、target_sources コマンドでソースファイルのリストを指定する際、ファイル名の重複を検知し、警告またはエラーを出力する機能を提供します。このポリシーは、プロジェクト内のソースファイル管理をより厳格にし、ビルドエラーを防ぐために役立ちます。
CMAKE_XCODE_SCHEME_DYNAMIC_LINKER_API_USAGE変数のサンプルコード
CMAKE_XCODE_SCHEME_DYNAMIC_LINKER_API_USAGE変数は、CMakeが生成するXcodeスキームの診断セクションで動的リンカーAPIの使用状況を表示するかどうかを設定します。デフォルト値FALSE設定方法
GCC-XMLを使ってC++ソースコードからXMLドキュメントを生成する
FindGCCXMLは、CMakeのモジュールの一つで、GCC-XMLフロントエンドの実行ファイルを検出するためのものです。このモジュールは、以下の変数を定義します。GCCXML: GCC-XMLの実行ファイルへのパスGCCXML_FOUND: GCC-XMLが見つかったかどうかを示すブール値
【CMake の Module】CheckOBJCXXSourceRuns の使い方を徹底解説! Objective-C++ プログラムのコンパイル、リンク、実行を検証しよう
CheckOBJCXXSourceRuns は、CMake の Modules における便利な機能で、Objective-C++ ソースコードがコンパイル、リンク、実行可能かどうかを検証します。この機能は、Objective-C++ プログラムの開発において、ソースコードの動作確認やデバッグに役立ちます。