Traced Graph Export と torch.export.FakeTensor の使い方
PyTorch: Traced Graph Export と torch.export.FakeTensor による効率的な推論
torch.export.FakeTensor は、Traced Graph Export と連携して、ダミーの入力データを使用してモデルのグラフをトレースする便利なツールです。これは、実際の入力データが利用できない場合や、モデルの動作を確認したい場合に役立ちます。
Traced Graph Export は、以下の手順で動作します。
- モデルのトレース:
torch.jit.trace
関数を使用して、モデルのグラフをトレースします。この過程で、モデルの演算とデータの流れが記録されます。 - グラフの最適化: 記録されたグラフは、推論速度を向上させるために最適化されます。
- グラフの保存: 最適化されたグラフは、
torch.jit.save
関数を使用して、.pt
ファイルとして保存されます。
torch.export.FakeTensor は、以下の利点を提供します。
- 実際の入力データがなくてもモデルのトレースが可能: ダミーの入力データを作成することで、実際の入力データが利用できない場合でもモデルのグラフをトレースできます。
- モデルの動作確認が容易: ダミーの入力データを使用して、モデルが期待通りに動作することを確認できます。
- デバッグの容易化: ダミーの入力データを使用して、モデルの動作を段階的に確認することで、デバッグを容易化できます。
torch.export.FakeTensor を使用するには、以下の手順に従います。
- ダミーの入力データを作成: モデルの入力データと一致する形状と型を持つダミーの入力データを作成します。
torch.export.FakeTensor
を使用してダミーの入力データを作成:** ダミーの入力データを使用して、torch.export.FakeTensor
関数を呼び出し、FakeTensor オブジェクトを作成します。- FakeTensor オブジェクトをモデルの入力として使用:** FakeTensor オブジェクトをモデルの入力として使用して、モデルのグラフをトレースします。
まとめ
Traced Graph Export と torch.export.FakeTensor は、PyTorch モデルの推論速度を向上させるための強力なツールです。torch.export.FakeTensor を使用することで、実際の入力データがなくてもモデルのグラフをトレースし、モデルの動作を確認することができます。
その他
- 上記の情報は、PyTorch 1.10.0 をベースにしています。
- より詳細な情報は、PyTorch の公式ドキュメントを参照してください。
Traced Graph Export と torch.export.FakeTensor を使ったサンプルコード
シンプルなモデル
import torch
class MyModel(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.linear = torch.nn.Linear(1, 1)
def forward(self, x):
return self.linear(x)
model = MyModel()
# ダミーの入力データを作成
fake_input = torch.randn(1, 1)
# FakeTensor オブジェクトを作成
fake_tensor = torch.export.FakeTensor(fake_input)
# FakeTensor オブジェクトをモデルの入力として使用
traced_model = torch.jit.trace(model, fake_tensor)
# トレースされたモデルを保存
traced_model.save("my_model.pt")
モデルの入力に複数のテンサーを使用する
import torch
class MyModel(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.linear1 = torch.nn.Linear(1, 1)
self.linear2 = torch.nn.Linear(1, 1)
def forward(self, x, y):
return self.linear1(x) + self.linear2(y)
model = MyModel()
# ダミーの入力データを作成
fake_input1 = torch.randn(1, 1)
fake_input2 = torch.randn(1, 1)
# FakeTensor オブジェクトを作成
fake_tensor1 = torch.export.FakeTensor(fake_input1)
fake_tensor2 = torch.export.FakeTensor(fake_input2)
# FakeTensor オブジェクトをモデルの入力として使用
traced_model = torch.jit.trace(model, fake_tensor1, fake_tensor2)
# トレースされたモデルを保存
traced_model.save("my_model.pt")
モデルの入力に可変長のテンサーを使用する
import torch
class MyModel(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.lstm = torch.nn.LSTM(1, 1)
def forward(self, x):
return self.lstm(x)
model = MyModel()
# ダミーの入力データを作成
fake_input = torch.randn(10, 1)
# FakeTensor オブジェクトを作成
fake_tensor = torch.export.FakeTensor(fake_input)
# FakeTensor オブジェクトをモデルの入力として使用
traced_model = torch.jit.trace(model, fake_tensor)
# トレースされたモデルを保存
traced_model.save("my_model.pt")
モデルの入力にカスタムデータ型を使用する
import torch
class MyData(object):
def __init__(self, x):
self.x = x
def __len__(self):
return len(self.x)
def __getitem__(self, index):
return self.x[index]
class MyModel(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.linear = torch.nn.Linear(1, 1)
def forward(self, x):
return self.linear(x)
model = MyModel()
# ダミーの入力データを作成
fake_input = MyData(torch.randn(10, 1))
# FakeTensor オブジェクトを作成
fake_tensor = torch.export.FakeTensor(fake_input)
# FakeTensor オブジェクトをモデルの入力として使用
traced_model = torch.jit.trace(model, fake_tensor)
# トレースされたモデルを保存
traced_model.save("my_model.pt")
Traced Graph Export とは異なる推論高速化方法
モデルの軽量化
- 剪定: 重要度の低い接続を削除することで、モデルのサイズと計算量を削減します。
- 量子化: モデルの精度を維持しながら、データ型を低精度化することで、メモリ使用量と計算量を削減します。
- 蒸留: 大規模なモデルから学習した知識を、小さなモデルに移転することで、小さなモデルの精度を向上させます。
ハードウェアの活用
- GPU: CPU よりも高い処理能力を持つ GPU を使用することで、推論速度を大幅に向上させることができます。
- TPU: Google が開発した TPU は、機械学習ワークロード向けに特化
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