Qt GUIにおけるOpenGLデバッグ:QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()の使い方

2024-04-02

Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()の解説

QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()は、Qt GUIアプリケーションでOpenGLデバッグメッセージを制御するための関数です。この関数は、OpenGLデバッグメッセージの出力レベル、出力されるメッセージの種類、およびメッセージの出力方法を指定するために使用されます。

詳細

QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()は以下の引数を取ります。

  • source: デバッグメッセージのソース。以下のいずれかになります。
    • GL_DEBUG_SOURCE_API: OpenGL API自身
    • GL_DEBUG_SOURCE_WINDOW_SYSTEM: ウィンドウシステム
    • GL_DEBUG_SOURCE_SHADER_COMPILER: シェーダーコンパイラ
    • GL_DEBUG_SOURCE_THIRD_PARTY: サードパーティ製ライブラリ
  • type: デバッグメッセージの種類。以下のいずれかになります。
    • GL_DEBUG_TYPE_ERROR: エラーメッセージ
    • GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR: 非推奨の動作に関するメッセージ
    • GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR: 未定義の動作に関するメッセージ
    • GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY: 移植性の問題に関するメッセージ
    • GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE: パフォーマンスの問題に関するメッセージ
    • GL_DEBUG_TYPE_OTHER: その他のメッセージ
  • severity: デバッグメッセージの重大度。以下のいずれかになります。
    • GL_DEBUG_SEVERITY_HIGH: 高
    • GL_DEBUG_SEVERITY_MEDIUM: 中
    • GL_DEBUG_SEVERITY_LOW: 低
  • callback: デバッグメッセージを受け取るコールバック関数。この関数は以下の引数を取ります。
    • source: メッセージのソース
    • type: メッセージの種類
    • id: メッセージのID
    • severity: メッセージの重大度
    • length: メッセージの長さ
    • message: メッセージの内容

以下のコードは、すべてのOpenGLデバッグメッセージを出力する方法を示しています。

QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
    GL_DEBUG_SOURCE_API,
    GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
        GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
        GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
    GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
    [](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
       GLsizei length, const GLchar* message) {
        // メッセージ処理
    });

補足

  • QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()は、Qt 5.14以降で使用可能です。
  • OpenGLデバッグメッセージは、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。デバッグ目的でしか使用しないようにしてください。
  • OpenGLデバッグメッセージの詳細については、OpenGLの仕様書を参照してください。


Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()のサンプルコード

すべてのOpenGLデバッグメッセージを出力する

QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
    GL_DEBUG_SOURCE_API,
    GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
        GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
        GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
    GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
    [](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
       GLsizei length, const GLchar* message) {
        // メッセージ処理
    });

特定の種類のOpenGLデバッグメッセージのみを出力する

QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
    GL_DEBUG_SOURCE_API,
    GL_DEBUG_TYPE_ERROR,
    GL_DEBUG_SEVERITY_HIGH,
    [](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
       GLsizei length, const GLchar* message) {
        // メッセージ処理
    });

デバッグメッセージをコンソールに出力する

QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
    GL_DEBUG_SOURCE_API,
    GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
        GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
        GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
    GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
    [](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
       GLsizei length, const GLchar* message) {
        qDebug() << "OpenGL debug message:" << message;
    });

デバッグメッセージをファイルに出力する

QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
    GL_DEBUG_SOURCE_API,
    GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
        GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
        GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
    GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
    [](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
       GLsizei length, const GLchar* message) {
        // ファイルにメッセージを出力する
    });


Qt GUIにおけるOpenGLデバッグメッセージの制御方法

QtのOpenGLデバッグ機能

Qtには、OpenGLデバッグメッセージを制御するための独自の機能が用意されています。これらの機能は、QOpenGLDebugLoggerクラスとQOpenGLContext::setDebugLogger()関数を使用して使用できます。

以下のコードは、すべてのOpenGLデバッグメッセージを出力する方法を示しています。

QOpenGLDebugLogger logger;
logger.startLogging();
context->setDebugLogger(&logger);

// ...

logger.stopLogging();

OpenGLデバッガーは、OpenGLアプリケーションのデバッグに特化したツールです。これらのツールは、OpenGLデバッグメッセージを表示したり、フレームレートやメモリ使用量などのパフォーマンス指標を監視したりすることができます。

その他の方法

  • OpenGL ARB_debug_output拡張機能を使用する
  • プラットフォーム固有のデバッグ機能を使用する

どの方法を選択するかは、アプリケーションのニーズと開発環境によって異なります。

  • QtのOpenGLデバッグ機能は、QtアプリケーションでOpenGLデバッグメッセージを制御する最も簡単な方法です。
  • OpenGLデバッガーは、より詳細なデバッグ情報を提供することができます。
  • その他の方法は、より高度な制御を提供することができます。

各方法の利点と欠点

方法利点欠点
QtのOpenGLデバッグ機能簡単機能が限定されている
OpenGLデバッガー詳細な情報設定が複雑
その他の方法高度な制御複雑

Qt GUIアプリケーションでOpenGLデバッグメッセージを制御するには、いくつかの方法があります。どの方法を選択するかは、アプリケーションのニーズと開発環境によって異なります。




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