Qt GUIにおけるOpenGLデバッグ:QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()の使い方
Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()の解説
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()
は、Qt GUIアプリケーションでOpenGLデバッグメッセージを制御するための関数です。この関数は、OpenGLデバッグメッセージの出力レベル、出力されるメッセージの種類、およびメッセージの出力方法を指定するために使用されます。
詳細
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()
は以下の引数を取ります。
source
: デバッグメッセージのソース。以下のいずれかになります。GL_DEBUG_SOURCE_API
: OpenGL API自身GL_DEBUG_SOURCE_WINDOW_SYSTEM
: ウィンドウシステムGL_DEBUG_SOURCE_SHADER_COMPILER
: シェーダーコンパイラGL_DEBUG_SOURCE_THIRD_PARTY
: サードパーティ製ライブラリ
type
: デバッグメッセージの種類。以下のいずれかになります。GL_DEBUG_TYPE_ERROR
: エラーメッセージGL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR
: 非推奨の動作に関するメッセージGL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR
: 未定義の動作に関するメッセージGL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY
: 移植性の問題に関するメッセージGL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE
: パフォーマンスの問題に関するメッセージGL_DEBUG_TYPE_OTHER
: その他のメッセージ
severity
: デバッグメッセージの重大度。以下のいずれかになります。GL_DEBUG_SEVERITY_HIGH
: 高GL_DEBUG_SEVERITY_MEDIUM
: 中GL_DEBUG_SEVERITY_LOW
: 低
callback
: デバッグメッセージを受け取るコールバック関数。この関数は以下の引数を取ります。source
: メッセージのソースtype
: メッセージの種類id
: メッセージのIDseverity
: メッセージの重大度length
: メッセージの長さmessage
: メッセージの内容
例
以下のコードは、すべてのOpenGLデバッグメッセージを出力する方法を示しています。
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
GL_DEBUG_SOURCE_API,
GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
[](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
GLsizei length, const GLchar* message) {
// メッセージ処理
});
補足
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()
は、Qt 5.14以降で使用可能です。- OpenGLデバッグメッセージは、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。デバッグ目的でしか使用しないようにしてください。
- OpenGLデバッグメッセージの詳細については、OpenGLの仕様書を参照してください。
Qt GUIにおけるQOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl()のサンプルコード
すべてのOpenGLデバッグメッセージを出力する
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
GL_DEBUG_SOURCE_API,
GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
[](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
GLsizei length, const GLchar* message) {
// メッセージ処理
});
特定の種類のOpenGLデバッグメッセージのみを出力する
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
GL_DEBUG_SOURCE_API,
GL_DEBUG_TYPE_ERROR,
GL_DEBUG_SEVERITY_HIGH,
[](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
GLsizei length, const GLchar* message) {
// メッセージ処理
});
デバッグメッセージをコンソールに出力する
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
GL_DEBUG_SOURCE_API,
GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
[](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
GLsizei length, const GLchar* message) {
qDebug() << "OpenGL debug message:" << message;
});
デバッグメッセージをファイルに出力する
QOpenGLExtraFunctions::glDebugMessageControl(
GL_DEBUG_SOURCE_API,
GL_DEBUG_TYPE_ERROR | GL_DEBUG_TYPE_DEPRECATED_BEHAVIOR |
GL_DEBUG_TYPE_UNDEFINED_BEHAVIOR | GL_DEBUG_TYPE_PORTABILITY |
GL_DEBUG_TYPE_PERFORMANCE | GL_DEBUG_TYPE_OTHER,
GL_DEBUG_SEVERITY_LOW,
[](GLenum source, GLenum type, GLuint id, GLenum severity,
GLsizei length, const GLchar* message) {
// ファイルにメッセージを出力する
});
Qt GUIにおけるOpenGLデバッグメッセージの制御方法
QtのOpenGLデバッグ機能
Qtには、OpenGLデバッグメッセージを制御するための独自の機能が用意されています。これらの機能は、QOpenGLDebugLogger
クラスとQOpenGLContext::setDebugLogger()
関数を使用して使用できます。
例
以下のコードは、すべてのOpenGLデバッグメッセージを出力する方法を示しています。
QOpenGLDebugLogger logger;
logger.startLogging();
context->setDebugLogger(&logger);
// ...
logger.stopLogging();
OpenGLデバッガーは、OpenGLアプリケーションのデバッグに特化したツールです。これらのツールは、OpenGLデバッグメッセージを表示したり、フレームレートやメモリ使用量などのパフォーマンス指標を監視したりすることができます。
その他の方法
- OpenGL ARB_debug_output拡張機能を使用する
- プラットフォーム固有のデバッグ機能を使用する
どの方法を選択するかは、アプリケーションのニーズと開発環境によって異なります。
- QtのOpenGLデバッグ機能は、QtアプリケーションでOpenGLデバッグメッセージを制御する最も簡単な方法です。
- OpenGLデバッガーは、より詳細なデバッグ情報を提供することができます。
- その他の方法は、より高度な制御を提供することができます。
各方法の利点と欠点
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
QtのOpenGLデバッグ機能 | 簡単 | 機能が限定されている |
OpenGLデバッガー | 詳細な情報 | 設定が複雑 |
その他の方法 | 高度な制御 | 複雑 |
Qt GUIアプリケーションでOpenGLデバッグメッセージを制御するには、いくつかの方法があります。どの方法を選択するかは、アプリケーションのニーズと開発環境によって異なります。
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