C/C++開発の鬼門、ヘッダーファイル検索を制覇せよ! CMakeの秘密兵器、CMAKE_LANG_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
CMakeの変数 CMAKE_LANG_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES の詳細解説
CMAKE_LANG_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
は、CMake の変数の一つで、コンパイラがヘッダーファイルの検索に使用する暗黙のインクルードディレクトリを指定します。この変数を設定することで、#include
ディレクティブで指定されたヘッダーファイルが見つかりやすくなります。
詳細
- 変数の形式:
CMAKE_<LANG>_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
<LANG>
は、C 言語の場合はC
、C++ 言語の場合はCXX
など、対象となる言語を表す文字列に置き換えます。
- 設定方法:
set(CMAKE_<LANG>_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES <dir1> <dir2> ...)
コマンドを使用します。<dir1>
,<dir2>
は、検索対象となるディレクトリを指定します。
- 動作:
- CMake は、
#include
ディレクティブで指定されたヘッダーファイルが見つからない場合、CMAKE_<LANG>_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
で設定されたディレクトリを検索します。 - 検索は、ディレクトリ内のファイル名とヘッダーファイル名が一致するまで、再帰的に行われます。
- CMake は、
- 注意事項:
- この変数は、システムヘッダーファイルの検索には使用されません。システムヘッダーファイルは、コンパイラ固有のパスで検索されます。
- この変数を設定すると、コンパイラ警告が発生する可能性があります。これは、コンパイラが標準ライブラリのヘッダーファイルよりも、ユーザー定義のヘッダーファイルを優先してしまうためです。
- この変数を設定する場合は、ヘッダーファイルの検索パスを慎重に検討する必要があります。
例
set(CMAKE_C_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES /usr/local/include)
set(CMAKE_CXX_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES /usr/local/include/c++/)
この例では、C 言語のヘッダーファイルは /usr/local/include
ディレクトリ、C++ 言語のヘッダーファイルは /usr/local/include/c++/
ディレクトリで検索されます。
CMake の CMAKE_LANG_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES を使ったサンプルコード
set(CMAKE_C_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES /usr/local/include)
add_executable(my_program
main.c)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
このコードは、/usr/local/include
ディレクトリにあるヘッダーファイルを含む C 言語プログラム my_program
をビルドします。
C++ 言語
set(CMAKE_CXX_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES /usr/local/include/c++/)
add_executable(my_program
main.cpp)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
このコードは、/usr/local/include/c++/
ディレクトリにあるヘッダーファイルを含む C++ 言語プログラム my_program
をビルドします。
複数のディレクトリ
set(CMAKE_C_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
/usr/local/include
/opt/include)
set(CMAKE_CXX_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
/usr/local/include/c++/
/opt/include/c++/)
add_executable(my_program
main.c
main.cpp)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
このコードは、/usr/local/include
と /opt/include
ディレクトリにある C 言語のヘッダーファイル、 /usr/local/include/c++/
と /opt/include/c++/
ディレクトリにある C++ 言語のヘッダーファイルを含むプログラム my_program
をビルドします。
サブディレクトリ
set(CMAKE_C_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
${CMAKE_SOURCE_DIR}/include)
set(CMAKE_CXX_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
${CMAKE_SOURCE_DIR}/include/c++/)
add_executable(my_program
main.c
main.cpp)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
このコードは、プロジェクトソースディレクトリの include
サブディレクトリにある C 言語のヘッダーファイルと、include/c++
サブディレクトリにある C++ 言語のヘッダーファイルを含むプログラム my_program
をビルドします。
環境変数
set(CMAKE_C_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
${ENV{HOME}/include)
set(CMAKE_CXX_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES
${ENV{HOME}/include/c++/)
add_executable(my_program
main.c
main.cpp)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
このコードは、環境変数 HOME
で指定されたディレクトリにある C 言語と C++ 言語のヘッダーファイルを含むプログラム my_program
をビルドします。
補足
- これらのサンプルコードは、あくまでも参考です。
- 実際のプロジェクトでは、プロジェクトの構成に合わせて変数を設定する必要があります。
CMAKE_LANG_IMPLICIT_INCLUDE_DIRECTORIES 以外の方法
方法
- target_include_directories() コマンドを使う
- このコマンドは、特定のターゲットに対してのみ、インクルードディレクトリを指定することができます。
- 例:
add_executable(my_program
main.c)
target_include_directories(my_program
PRIVATE
/usr/local/include)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
- compile_options() コマンドを使う
- このコマンドは、コンパイラオプションを指定することができます。
add_executable(my_program
main.c)
target_compile_options(my_program
PRIVATE
-I/usr/local/include)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
- include_directories() コマンドを使う
- このコマンドは、プロジェクト全体のインクルードディレクトリを指定することができます。
include_directories(/usr/local/include)
add_executable(my_program
main.c)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
- CMAKE_MODULE_PATH 変数を設定する
- この変数は、CMake モジュールを検索するパスを指定します。
- CMake モジュールは、
include_directories()
コマンドなどの機能を提供することができます。
set(CMAKE_MODULE_PATH /usr/local/cmake/Modules)
add_executable(my_program
main.c)
target_link_libraries(my_program
stdc++
)
どの方法を使うべきかは、プロジェクトの構成や要件によって異なります。
- target_include_directories() コマンド: 特定のターゲットに対してのみ、インクルードディレクトリを指定したい場合
- compile_options() コマンド: コンパイラオプションを細かく制御したい場合
- include_directories() コマンド: プロジェクト全体のインクルードディレクトリを指定したい場合
- CMAKE_MODULE_PATH 変数: CMake モジュールを使って、インクルードディレクトリを指定したい場合
CMakeにおける"get_target_property()"コマンド: ターゲットの情報を自在に操る
get_target_property()コマンドは、CMakeプロジェクトで定義されたターゲットからプロパティを取得するために使用されます。ターゲットプロパティは、ターゲットのビルド方法や動作を制御するために使用される情報です。構文引数VAR: ターゲットプロパティの値を格納する変数名
CMakeの「Commands」における「cmake_path()」関数
試合形式試合時間は前半40分、後半40分の計80分です。ハーフタイムは15分以内です。試合は2チームで行われ、それぞれ15人の選手がフィールドに出ます。選手は、ボールを持って走る、パスする、キックするなどのプレーができます。相手選手をタックルして倒すこともできます。
CMake で変数を削除する3つの方法:unset() 以外にも使えるテクニック
<variable_name> は、削除したい変数の名前です。変数の名前は、文字、数字、下線(_)で構成され、先頭に数字以外のアクティブ文字が来る必要があります。変数の削除この例では、MY_VAR という変数を作成し、"Hello, world!" という値を設定します。その後、unset() コマンドを使用して MY_VAR を削除します。2番目の message() コマンドは、MY_VAR が削除されたことを確認するために使用されます。
CMake try_compile() を使って特定のライブラリがインストールされているかどうかを確認する方法
try_compile() は、CMake の強力なコマンドの一つで、コードを実際にコンパイルすることなく、コンパイルが成功するかどうかを確認することができます。これは、特定のコンパイラやオプションがシステム上で使用可能かどうかをテストしたり、コードの移植性を検証したりする際に非常に便利です。
CMake find_file() コマンドの代替方法:もっと柔軟なファイル検索
<variable>: 検索結果を格納する CMake 変数<file_names>: 検索するファイル名のリスト (スペース区切り)<path_list>: 検索するパス名のリスト (スペース区切り)<options>: 検索オプション (後述)
CMakeの依存関係を使用したプログラミング
CMakeで依存関係を使用するには、以下の2つの方法があります。find_packageコマンドは、特定のライブラリやフレームワークがインストールされているかどうかを検出し、その場所と設定情報を提供します。外部プロジェクトを参照するadd_subdirectoryコマンドを使用して、外部プロジェクトを現在のプロジェクトに組み込むことができます。外部プロジェクトは、CMakeLists
Qtプロジェクトにおける rcc コマンドの完全ガイド: CMAKE_AUTORCC とその他の方法
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