CMakeFindDependencyMacro モジュールの代替方法
CMakeFindDependencyMacro
モジュールは、find_dependency
コマンドの動作を拡張し、より柔軟で強力な依存関係管理を実現します。これは、主にパッケージ構成ファイル (<PackageName>Config.cmake
) で使用されます。
主な機能
- 依存関係の検索条件をより詳細に制御
- 複数の依存関係をまとめて検索
- 依存関係が見つからなかった場合の処理をカスタマイズ
使用例
依存関係の検索条件を詳細に制御
# パッケージの名前
set(PACKAGE_NAME "MyPackage")
# 必要最低限のバージョン
set(REQUIRED_VERSION "1.0")
# 検索パス
set(CMAKE_MODULE_PATH ${CMAKE_MODULE_PATH} "/path/to/modules")
# find_dependency コマンド
find_dependency(
${PACKAGE_NAME}
REQUIRED
VERSION ${REQUIRED_VERSION}
CONFIG
)
# 依存関係が見つかった場合
if(FOUND)
# ...
endif()
この例では、find_dependency
コマンドに以下のオプションを指定しています。
REQUIRED
: 依存関係が見つからない場合はエラーにするVERSION
: 必要最低限のバージョンを指定CONFIG
: 設定ファイル (MyPackageConfig.cmake
) を検索する
複数の依存関係をまとめて検索
# 依存関係のパッケージ名
set(PACKAGE_NAMES "MyPackage1;MyPackage2")
# 必要最低限のバージョン
set(REQUIRED_VERSIONS "1.0;2.0")
# find_dependency コマンド
find_dependency(
${PACKAGE_NAMES}
REQUIRED
VERSIONS ${REQUIRED_VERSIONS}
)
# 依存関係が見つかった場合
if(FOUND)
# ...
endif()
この例では、複数の依存関係をまとめて検索しています。
依存関係が見つからなかった場合の処理をカスタマイズ
# パッケージの名前
set(PACKAGE_NAME "MyPackage")
# find_dependency コマンド
find_dependency(
${PACKAGE_NAME}
)
# 依存関係が見つからなかった場合
if(NOT FOUND)
# メッセージを表示
message(WARNING "依存関係 ${PACKAGE_NAME} が見つかりません")
# 代替処理を行う
# ...
endif()
この例では、依存関係が見つからなかった場合にメッセージを表示しています。
CMakeFindDependencyMacro
モジュールの詳細については、以下のリソースを参照してください。
補足
CMakeFindDependencyMacro
モジュールは、CMake バージョン 3.16 以降で使用できます。- より複雑な依存関係管理には、
ExternalProject
モジュールなどの他のツールを使用する必要がある場合があります。
CMakeFindDependencyMacro モジュール サンプルコード
依存関係の検索条件を詳細に制御
# パッケージの名前
set(PACKAGE_NAME "MyPackage")
# 必要最低限のバージョン
set(REQUIRED_VERSION "1.0")
# 検索パス
set(CMAKE_MODULE_PATH ${CMAKE_MODULE_PATH} "/path/to/modules")
# find_dependency コマンド
find_dependency(
${PACKAGE_NAME}
REQUIRED
VERSION ${REQUIRED_VERSION}
CONFIG
)
# 依存関係が見つかった場合
if(FOUND)
# パッケージのヘッダーファイルのインクルードパス
message(STATUS "Include path: ${PACKAGE_INCLUDE_DIRS}")
# パッケージのライブラリのリンクパス
message(STATUS "Link path: ${PACKAGE_LIBRARY_DIRS}")
# パッケージのライブラリファイル
message(STATUS "Libraries: ${PACKAGE_LIBRARIES}")
else()
message(FATAL_ERROR "依存関係 ${PACKAGE_NAME} が見つかりません")
endif()
REQUIRED
オプションにより、依存関係が見つからない場合はエラーが発生します。VERSION
オプションにより、必要最低限のバージョンを1.0
に指定します。CONFIG
オプションにより、設定ファイル (MyPackageConfig.cmake
) を検索します。
依存関係が見つかった場合、FOUND
変数が TRUE
に設定され、以下の情報が出力されます。
- パッケージのヘッダーファイルのインクルードパス
- パッケージのライブラリのリンクパス
- パッケージのライブラリファイル
依存関係が見つからなかった場合、FOUND
変数が FALSE
に設定され、エラーメッセージが出力されます。
複数の依存関係をまとめて検索
# 依存関係のパッケージ名
set(PACKAGE_NAMES "MyPackage1;MyPackage2")
# 必要最低限のバージョン
set(REQUIRED_VERSIONS "1.0;2.0")
# find_dependency コマンド
find_dependency(
${PACKAGE_NAMES}
REQUIRED
VERSIONS ${REQUIRED_VERSIONS}
)
# 依存関係が見つかった場合
if(FOUND)
# それぞれの依存関係の情報を出力
foreach(PACKAGE_NAME ${PACKAGE_NAMES})
message(STATUS "Package: ${PACKAGE_NAME}")
message(STATUS "Include path: ${PACKAGE_INCLUDE_DIRS}")
message(STATUS "Link path: ${PACKAGE_LIBRARY_DIRS}")
message(STATUS "Libraries: ${PACKAGE_LIBRARIES}")
endforeach()
else()
message(FATAL_ERROR "依存関係 ${PACKAGE_NAMES} が見つかりません")
endif()
このコードは、find_dependency
コマンドを使用して、MyPackage1
と MyPackage2
という名前の2つのパッケージをまとめて検索します。
VERSIONS
オプションにより、それぞれの必要最低限のバージョンを指定します。
依存関係が見つかった場合、FOUND
変数が TRUE
に設定され、それぞれの依存関係の情報が出力されます。
- パッケージの名前
依存関係が見つからなかった場合、FOUND
変数が FALSE
に設定され、エラーメッセージが出力されます。
依存関係が見つからなかった場合の処理をカスタマイズ
# パッケージの名前
set(PACKAGE_NAME "MyPackage")
# find_dependency コマンド
find_dependency(
${PACKAGE_NAME}
)
# 依存関係が見つからなかった場合
if(NOT FOUND)
# メッセージを表示
message(WARNING "依存関係 ${PACKAGE_NAME} が見つかりません")
# 代替処理を行う
# ...
else()
# 依存関係が見つかった場合の処理
# ...
endif()
このコードは、find_dependency
コマンドを使用して、MyPackage
という名前のパッケージを検索します。
依存関係が見つからなかった場合、FOUND
変数が FALSE
に設定され、メッセージが表示されます。その後、代替処理を行うことができます。
CMakeFindDependencyMacro モジュールの代替方法
- 設定ファイル (
<PackageName>Config.cmake
) を作成する必要がある - 複雑な依存関係を管理するには、複雑なコードを書く必要がある
これらの欠点を克服するために、以下の代替方法があります。
find_package
コマンドは、CMake に標準で搭載されている依存関係管理ツールです。CMakeFindDependencyMacro
モジュールよりもシンプルで、設定ファイル (<PackageName>Config.cmake
) を作成する必要がありません。
find_package(MyPackage REQUIRED)
# 依存関係が見つかった場合
if(FOUND)
# ...
endif()
ExternalProject
モジュールは、外部プロジェクトをビルドして依存関係として取り込むためのツールです。複雑な依存関係を管理する必要がある場合に有効です。
# ExternalProject モジュールの読み込み
include(ExternalProject)
# 外部プロジェクトの設定
ExternalProject_Add(
my_project
URL https://github.com/example/my_project.git
BUILD_IN_SOURCE TRUE
)
# 依存関係として追加
add_dependency(my_project)
その他のツール
上記以外にも、Conan や Hunter などのサードパーティ製の依存関係管理ツールを使用することができます。
どの方法を選ぶべきかは、プロジェクトの規模や複雑さに依存します。
- 小規模なプロジェクトであれば、
find_package
コマンドで十分です。 - 複雑な依存関係を管理する必要がある場合は、
ExternalProject
モジュールやサードパーティ製のツールを使用することを検討してください。
CMakeFindDependencyMacro
モジュールは、依存関係管理のための強力なツールですが、いくつかの欠点もあります。プロジェクトの規模や複雑さに合わせて、適切な方法を選択することが重要です。
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target_link_directories()コマンドは、CMakeプロジェクト内のターゲットに対して、リンカがライブラリを検索するディレクトリを指定するために使用されます。これは、ターゲットがリンクするライブラリが標準の検索パスに存在しない場合に特に重要です。
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