CTestでテストケースを効率的に実行するためのベストプラクティス
CMakeにおけるCTEST_CHANGE_ID変数の詳細解説
概要
設定方法
CTEST_CHANGE_ID
は、以下の方法で設定できます。
- CMakeLists.txtファイル内で直接設定する:
set(CTEST_CHANGE_ID "12345")
- テストケースのソースファイル内で設定する:
#include <ctest.h>
CTEST_CHANGE_ID("12345");
TEST(MyTest, MyTestCase) {
// ...
}
使用方法
CTEST_CHANGE_ID
は、以下の方法で使用されます。
ctest
コマンドを実行する際に、--ctest-change-id
オプションを指定することで、特定の変更IDを持つテストケースのみを実行することができます。
ctest --ctest-change-id "12345"
- CTestテストスイート内で、
ctest_test
マクロを使用してテストケースを実行する際に、CHANGE_ID
オプションを指定することで、特定の変更IDを持つテストケースのみを実行することができます。
ctest_test(MyTest MyTestCase
CHANGE_ID "12345")
メリット
CTEST_CHANGE_ID
を使用することで、以下のメリットを得ることができます。
- テストケースの変更を自動的に検出して再実行する必要があるかどうかを判断することができます。
- 特定の変更IDを持つテストケースのみを実行することができます。
- テスト結果をより詳細に分析することができます。
注意点
CTEST_CHANGE_ID
は、テストケースごとに一意である必要があります。CTEST_CHANGE_ID
は、テストケースのソースファイルを変更するたびに更新する必要があります。
CTEST_CHANGE_ID
は、CMakeでCTestテストスイートを実行する際に、テストケースの変更を識別するために使用される便利な変数です。この変数を使用することで、テストケースの変更を自動的に検出して再実行する必要があるかどうかを判断することができます。
CTestにおけるCTEST_CHANGE_ID変数のサンプルコード
CMakeLists.txtファイル内で直接設定する
set(CTEST_CHANGE_ID "12345")
add_test(MyTest MyTestCase.cpp)
ctest_start()
テストケースのソースファイル内で設定する
#include <ctest.h>
CTEST_CHANGE_ID("12345");
TEST(MyTest, MyTestCase) {
// ...
}
特定の変更IDを持つテストケースのみを実行する
ctest --ctest-change-id "12345"
CTestテストスイート内で特定の変更IDを持つテストケースのみを実行する
ctest_test(MyTest MyTestCase
CHANGE_ID "12345")
複数の変更IDを持つテストケースを実行する
ctest --ctest-change-id "12345,67890"
テストケースの変更IDを取得する
#include <ctest.h>
int main() {
const char* change_id = ctest_get_change_id();
printf("Change ID: %s\n", change_id);
return 0;
}
テスト結果に基づいて処理を行う
if(CTEST_CHANGE_ID EQUAL "12345")
# 特定の処理を行う
else()
# 別の処理を行う
endif()
CTEST_CHANGE_ID
は、テストケースの変更を検知するだけでなく、テスト結果をより詳細に分析するためにも使用できます。CTEST_CHANGE_ID
は、CMake 3.10以降で利用可能です。
CTestでテストケースの変更を検知するその他の方法
ファイルタイムスタンプを使用する
テストケースのソースファイルのタイムスタンプを使用して、テストケースが変更されたかどうかを判断することができます。
file(GET_TIME MyTestCase.cpp MODIFIED_TIME)
if(MODIFIED_TIME GREATER_THAN CTEST_LAST_RUN_TIME)
# テストケースが変更されているので、再実行する
else()
# テストケースは変更されていないので、実行しない
endif()
テストケースがバージョン管理システムで管理されている場合は、バージョン情報を使用して、テストケースが変更されたかどうかを判断することができます。
git log -n 1 HEAD --format="%H" > .git-revision
if(NOT EXISTS .git-revision)
# テストケースがバージョン管理システムで管理されていない
message(FATAL_ERROR "Test case is not under version control")
endif()
file(READ .git-revision GIT_REVISION)
if(GIT_REVISION NOT EQUAL CTEST_LAST_GIT_REVISION)
# テストケースが変更されているので、再実行する
else()
# テストケースは変更されていないので、実行しない
endif()
カスタムの変更検知メカニズムを使用する
上記の方法以外にも、独自の変更検知メカニズムを実装することができます。
# カスタムの変更検知メカニズムを実装する関数
function(my_change_detection TEST_CASE)
# ...
endfunction()
# テストケースごとにmy_change_detection関数を呼び出す
foreach(TEST_CASE IN LISTS MyTests)
my_change_detection(${TEST_CASE})
if(SHOULD_RUN_TEST)
# テストケースを実行する
endif()
endforeach()
- テストケースの変更頻度が少ない場合は、ファイルタイムスタンプを使用する方法は簡単で効率的です。
- テストケースが頻繁に変更される場合は、テストケースのバージョン管理システムを使用する方法はより正確です。
- より複雑な変更検知メカニズムが必要な場合は、カスタムの変更検知メカニズムを実装することができます。
CMakeにおける"get_target_property()"コマンド: ターゲットの情報を自在に操る
get_target_property()コマンドは、CMakeプロジェクトで定義されたターゲットからプロパティを取得するために使用されます。ターゲットプロパティは、ターゲットのビルド方法や動作を制御するために使用される情報です。構文引数VAR: ターゲットプロパティの値を格納する変数名
CMake try_compile() を使って特定のライブラリがインストールされているかどうかを確認する方法
try_compile() は、CMake の強力なコマンドの一つで、コードを実際にコンパイルすることなく、コンパイルが成功するかどうかを確認することができます。これは、特定のコンパイラやオプションがシステム上で使用可能かどうかをテストしたり、コードの移植性を検証したりする際に非常に便利です。
CMake の if() コマンド: デバッグとトラブルシューティング
構文条件式if() コマンドの引数には、条件式を指定します。条件式は、以下のいずれかの形式で記述できます。変数の比較: <variable> <operator> <value>コマンドの存在チェック: COMMAND <command-name>
CMake find_file() コマンドの代替方法:もっと柔軟なファイル検索
<variable>: 検索結果を格納する CMake 変数<file_names>: 検索するファイル名のリスト (スペース区切り)<path_list>: 検索するパス名のリスト (スペース区切り)<options>: 検索オプション (後述)
CMakeのCommandsにおけるuse_mangled_mesa()
use_mangled_mesa() は CMake の Commands における関数で、Mesa ライブラリの mangled シンボル名を解決するために使用されます。Mesa は OpenGL の実装であり、古いバージョンの Mesa ではシンボル名が mangled されるため、use_mangled_mesa() を使用してこれらのシンボル名を解決する必要があります。
CMake: CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY変数を使って出力ディレクトリを制御
CMAKE_RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY は、CMake でビルドされた実行可能ファイル(exeファイルなど)の出力ディレクトリを指定する変数です。これは、ビルドされた実行ファイルをどこに配置するかを制御するのに役立ちます。
CMakeでtarget_output_directory()コマンドを使用して出力を設定する方法
RUNTIME_OUTPUT_DIRECTORY_CONFIG プロパティは、ターゲットごとに実行可能ファイルや共有ライブラリなどの出力ファイルを配置するディレクトリを構成するために使用されます。これは、ビルド構成 (Debug、Release など) ごとに異なる出力ディレクトリを設定したい場合に便利です。
CMakeポリシー CMP0097 を使用せずにターゲットのソースツリー内に存在しないファイルをソースファイルリストに追加する方法
CMakeポリシーCMP0097は、target_sources コマンドでソースファイルのリストに追加されたファイルが、ターゲットのソースツリー内に存在することを必須とするポリシーです。このポリシーは、CMakeがソースファイルを見つけるのを容易にし、ビルドエラーを防ぐために役立ちます。
"add_custom_command" コマンドによるリンカー制御
CMake の "Properties: Targets" における "LANG_LINKER_LAUNCHER" は、言語固有のリンカー起動子を制御するプロパティです。これは、ターゲットの言語に合わせたリンカーコマンドを生成するために使用されます。
C++11/14/17/20/23をCMakeで使う!各標準のサンプルコード付き
CMakeのCMAKE_CXX_STANDARD変数は、プロジェクトで使用されるC++言語の標準規格を指定するために使用されます。これは、コンパイラにどの言語機能が利用可能であるかを伝える重要な役割を果たします。設定方法CMAKE_CXX_STANDARD変数は、以下の方法で設定できます。